- Amazon.co.jp ・電子書籍 (196ページ)
感想・レビュー・書評
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永井隆氏の考え方が垣間見える本だった。
永井博士(&本書)を理解するポイント
① 根底に神への信仰がある
-「起こること全ては、神の愛によるもの」という思想
→ 従って、全ての出来事を肯定的に捉える。
※ 永井の思想はキリスト教の基本的な思想に沿っている。
→ キリスト教の基礎知識がないと、永井の思想を読み解けない
② 科学者として
- 仕事・研究大好き・ワーカホリック。
- 信仰との矛盾はない。むしろ同一線上にある。
「科学は真理の近似点までしか行けない」
本書には「人間には、知恵と自由意思がある」との記述が何度か出てくる。これはキリスト教における根本の思想である。
知恵を「科学」に、自由意思を「神への愛・隣人愛へ意思」と読み替えることができる。永井は、神を信仰し(神を愛し、隣人を愛し)科学を正しく(神の意に沿って)用いれば、人間は善く生きられると信じている。
③ 父として
子供への深い愛情が本書から読み取れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自らの命を研究や診療にかけた著者。相当な覚悟であったろう。誤算は長崎に投下された原爆。
孤児となる子度を達を残して逝かねばならぬ親の心情とはどんなものであったろう。確実に迫ってくるその日を意識しながら、子ども達のために書き残された本書。深い愛情と神への祈り。信仰あればこそ人は心残りなく旅立てるのかもしれない。 -
2015年77冊目
著者は長崎大学に勤務する医者。戦中に過酷なレントゲン治療により自らその影響で白血病になる
さらに、その身体に原爆の被爆。
妻を亡くし、残されたのは二人の幼い子供。
放射線で蝕まれた身体で原爆後の影響を調べたり、被爆した人を資料したりするが、
身体は動かなくなり寝たきりの身体となっていく。
信心深いクリスチャンの著者。
神への深い信仰から生き方に対する考えや、
二人の子供の将来に対する不安と心配の考えを綴っています。