- Amazon.co.jp ・電子書籍 (362ページ)
感想・レビュー・書評
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・7/17 読了.素粒子物理学の観点からのダークマターの詳しい説明がわかりやすくて役に立った.ニュートリノ、反ニュートリノについての説明がもう少し欲しかったけど.
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ブラックホールとは何かがよく分かった。
難しいところは考えることを放棄してしまった。
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素粒子物理学実験屋さん視点からの宇宙論。比喩も使いつつわかりやすく解説していただいている。
たまに巷を騒がすワードがどういったものか、のイメージがしやすくなると思う。
この分野はやっぱりロマンがあるなぁ。
世界観の構築に観測は大事ですね、これがないと何事も足元が危うい。 -
【資料ID】91200910
【請求記号】443.9||T -
素粒子物理学者がすぐ隣の宇宙論についてわかりやすく、説明する。
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大学でこれから物理を学ぼうとしている人、くらいのレベルで、宇宙の本最初の1冊には厳しめ。
物理学には、数式などを考え理屈を考える派とそれを検証実験する派と分かれているが、この本の著者は後者。
目に見えない、感じられない4次元以上を考えないと理解できない宇宙というよくわらからないものに、実験という現実に落とし込んでいる話なので理解しやすい。
『世界の仕組みを物理学で知る』で物理の表面をサラッと学んだが、ブラックホールの対になるホワイトホールはあるのか?そもそも星が潰れるとは何か?が気になったので読みはじめた。わかりやすく説明されていて読んで良かった。
また、今では否定されている「天動説」。これを提唱したテイコは「仮に本当に地球が動いているなら、夏と冬である星の見える角度が違うはず」という理論には正しいことを考え実験した結果「角度は変わらなかったから地動説は間違い」をと結論づけた。その当時の技術ではわかるほど角度が異ならなかったからだ。
つまり、現代技術の観測の限界を踏まえた上での結果から、その時々「正しいようだ」を決めるが、技術が進歩すると全く逆の結論に至ることがある。それは今でも変わらない。という内容が心に残りました。 -
多田先生(@sho_tada)の著書第2弾。
構成は下記の通り。
第一章:ブラックホール
第二章:ビッグバン
第三章:暗黒物質
第四章:そして宇宙は創られた
2013年頃の研究結果を元にわかっている宇宙の姿を教えてくれる。
特に第4章の宇宙創成の歴史(力の分岐もまじえて)が非常にわかりやすかった。
宇宙が誕生してから1秒の間に3回の相転移・力の分岐が起こっている。
また、ヒッグス粒子の説明は今までのなかで一番わかりやすかった。
次は2013年当時には見つかっていなかった重力波の本を読んでみたい。
以下、ハイライト部分
ハイライト(黄) | 位置No. 33
科学の特徴は、「書き換えられる」ということです。
ハイライト(黄) | 位置No. 568
これまで観測されているなかで一番巨大なブラックホールは、「OJ287」というもので、大きさはなんと、太陽の180億
ハイライト(黄) | 位置No. 606
このようにブラックホールは、「事象の地平面」付近の自分のエネルギーを、対生成によって粒子( と反粒子 )に変えて、外に出しているんですよ。
ハイライト(黄) | 位置No. 678
特殊相対性理論とは、この2つの「原理」から導かれる「理論」なんですね。 「力学( 相対性原理 )」と「電磁気学( 光速度不変の原理 )」という別々の体系にあった「原理」を基に、新たな体系( 理論 )を作り上げたんです。
ハイライト(黄) | 位置No. 728
光は、電磁場の変化が時間と共に伝わっていく様子で、媒質はいわゆる物質ではなかったんです。
ハイライト(黄) | 位置No. 859
「光速度不変の原理」と共に、特殊相対性理論の基になったもうひとつの柱が、「相対性原理...力学法則はどの慣性系においても同じかたちで成立する」です。
ハイライト(黄) | 位置No. 1790
実はハッブル定数は、その後もなんと、減ったり増えたりしていることがわかったんです。
ハイライト(黄) | 位置No. 1802
最新のデータでは、宇宙が出来てから 50 億年くらいまではだんだんと減速していって、 50 億年から現在までは加速していることがわかっています。不思議ですよね? なんで加速と減速を繰り返すんだろう?
ハイライト(黄) | 位置No. 2170
そのような、光っていないけれどもある質量を持っている天体を、「マッチョ( MACHO )」と呼んでます。このマッチョが暗黒物質の正体なのではないか、というわけです。 ただですね、これだとぜんぜん量が足りないんです。最初に説明した銀河の回転速度だとか、銀河の動きとか、ああいうことを説明できるほどの量( 質量 )がない。少なすぎる......。
ハイライト(黄) | 位置No. 2209
もちろんWIMPの候補というものはあって、たとえば「ニュートラリーノ」なんていう超対称性粒子――超対称性理論からその存在が予言される粒子――が最も有望です( 詳しくはコラムIIIをお読みください )。 軽くて 冷たい暗黒物質の候補は、アクシオン( axion )と呼ばれるものです。こちらの素性はわりとはっきりしているんです。
ハイライト(黄) | 位置No. 2399
本日の講義の時点で、最も確からしい宇宙の構成比( 質量比 )は、陽子やその仲間( 「バリオン」と呼ばれる、いわゆる通常の物質 )が4%。熱い暗黒物質、これはないほうがいい。熱い暗黒物質が多かったらシミュレーション上は今の宇宙の状態と矛盾してしまうんです。 そして、冷たい暗黒物質、これが 23%。こういう割合であれば、今の状態の宇宙を説明できるらしいんですね。
ハイライト(黄) | 位置No. 2746
では、人類史上最大の加速器LHCで、実際にどれくらいまで温められるかというと、ちょうどこの表の真ん中くらい―― 度。これを時間に直すと、 秒後( 図 76 )。宇宙誕生から100兆分の1秒後の状態まで遡ることができるんです、実験的に。
ハイライト(黄) | 位置No. 2809
宇宙は、ほとんど水素とヘリウムで出来ているんです
ハイライト(黄) | 位置No. 2943
そこでワインバーグたちはこう説明しました、「もともと同じだったところに、ヒッグス粒子というものが、ウィークボゾンにだけ、質量を与えたんですよ」と。 ヒッグス粒子が、フォトンには質量を与えず、ウィークボゾンにだけ質量を与えた。
ハイライト(黄) | 位置No. 2955
質量とは何だと思いますか? これはね、「動きにくさ」を表す量なんです。
ハイライト(黄) | 位置No. 2993
ヒッグス粒子も、この瞬間――ちょうど宇宙が 度に冷めた瞬間、相手にする人と、しない人の差を作り出したわけです。相手にされなかったフォトン( 電磁力 )のほうは、相変わらず話し相手もいないからフラフラできる。一方でウィークボゾン( 弱い力 )は、相手にされるから質量を持って、両者はぜんぜん別のものになってしまった。
ハイライト(黄) | 位置No. 3016
「発見」と言えるのは、 99.9999%の確率で正しいと言えた場合なんです。 -
ライトタッチな宇宙論講義。すごくはないが、面白いです。特にコペルニクスの師匠は、科学的根拠に基づき天動説を唱えたという説は、初聞。中世のキリスト世界に科学が汚染された出来事だと思っていたので目から鱗でした。