乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ : 1 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ (アクションコミックス) [Kindle]
- 双葉社 (2014年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (192ページ)
感想・レビュー・書評
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スメタナの連作交響詩「わが祖国」の1から4曲目までは何を表したいのか分かりやすいが、第5曲「ターボル」と終曲「ブラニーク」は何がなんだかさっぱりだ。
両者ともフス戦争に関係ある地名らしいが、そのフス戦争を扱っているのがこのマンガである。
当時のボヘミア地方を巡る事情や、この戦争は世界で初めて(原始的な)銃砲が使われた事、更には戦争が専門職の騎士によるものから住民志願兵による集団戦闘と化していった様子が歴史の手応えとして感じ取れた。
なお主人公の名前が「シャールカ」だったり敵が篭城する城の名前が「ビシェフラド」だったりと多分に「わが祖国」を意識したような部分もある。
序盤から主人公の少女が陵辱されたり出会う人が片っ端から死んでしまう等シビアな作品だが、これを全巻読んだ後で「わが祖国」を聴くと全く違って聞こえてくる気がする。
(あくまで「気がする」だけだが)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1420年「戦争と言えない、一方的な殺戮だった」
だがフス側にも超有能な隻眼の指導者“騎士殺しのヤン・ジュシカ”がでた。騎士は捕らえられても身代金で釈放が常識だったが平民の命の恨みを平等に計量、殺すなるべく嬲って。12歳の少女 シャールカは一村皆殺し(その前に強姦)のただ一人の生き残りで早く天国に行くことしか望んでいない。彼女にも扱える笛と呼ばれる銃が渡された/フス火刑の張本人ジギスムントは神聖ローマとハンガリー(当時大国)を統べ、異端根絶後十字軍を目指す、教皇の支持も取り付けた超君主、妻バルバラはビッチ。
目立たないがジュシカは戦略から自陣営のナイーブな篤信聖職者ミクラーシュを殺し、徹底抗戦を呼びかけ、シャールカを“戦いの天使”と紹介した。(現在では伝説) -
ルクセンブルク朝のプラハを日本の漫画として読むとは思わなかった。が、それ以上に登場人物がエログロの海に一人ずつ沈んでいくというストーリー展開に戦慄した。人は戦慄の物語と現実の平和を天秤にかけるくらいが健全だと思う。
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15世紀に起こったフス戦争を、フス派視点で見た物語。なかなか珍しい題材だと思います。
戦争ものですが絵はきれいで見やすい。主人公であるシャールカは可愛いのですが、萌え系の話でもないし、特別な力を持ってるわけでもないです。
マイナーな題材ですが、歴史ものとしてなかなか面白いです。 -
99円