予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 [Kindle]

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  • 一般的な経済学だけでは説明しきれない、お金にまつわる人間心理の働きを、ユニークな研究実験を交えて解き明かす、行動経済学ブームを先導した著書のひとつです。

    選択肢A'を含めるとAを選ぶ確率が高くなる「おとり効果」から、最初の決断がその後に強く影響する「恣意の一貫性」、有名な「プラセボ効果」などといった様々な人間の行動パターンが紹介されます。同時に人間の行動が、場合によっては進んで自らに不利な条件を引き受けるように、人が決して利己的な動機だけを指針として行動しているわけではないことも示唆されます。

    本書を読むことで通常は意識し難い人間の心理パターンを知り、それを意識することで欲望からある程度は距離を取って適切な消費行動の選択を促すのが、本書が含むもうひとつのテーマであるように見受けられます。

    経済学よりは心理学的なものに対して好奇心をもつ方にとって、より興味深く読むことのできる著作でしょう。

  • 人間の行動が元来合理的なものではなく、不合理なものであるという主張が様々な実験をもとに実証されている。普段何気なく行動し、選択していることが根拠に基づいた不合理な判断であるということがわかった。身の回りにある様々なサービスや商品もこのような特性に基づいてデザインされているのだろう。

  • 行動経済学の入門書的な位置付け。時間のない方はエッセンスだけ読み飛ばしても良いと思います。

  • 行動経済学の幅広さが全面的に出ている本で、一般的なイメージの経済学よりかは心理学の側面が強いなーと感じた。
    身の回りの小さなことを扱っているのであるある!と共感できたり、それはどうなん?と思ったりっていう感じで自分に置き換えて考えられるところが面白かった。
    最後のあたりの不正に関する章はぜひオンライン試験でも取り入れてほしいと思えるような不正対策に関する話があった。十戒を試験直前の日本の大学生に読ませても意味はないと思うので、不正することで生じる他の学生への不利益を意識させるくらいがちょうどいいのではないだろうか。

  • 非常に良書。古典経済学との差異の説明もさることながら、実験手法から一般化まで丁寧に解説していて理解しやすい。これも科学なのだなぁ、と改めて実感。

  • あなたが下している評価・判断は本当にあなたのものですか?ということを主に学生を対象とした実験で証明していってくれる一冊。
    物事を比較でしか考えられない相対性の話と、社会規範/市場規範の話が自分の体験と結びついて興味深かった。社会規範の文脈に市場規範を持ち込んで相手を怒らせるやつ、何回か経験がある。

    具体例が多いので、やや冗長かもしれないが、ユーモラスな文体なので読むことにそこまで辟易はしないと思う。

  • プラセボに関する研究でイグノーベル賞を受賞している学者による著作。

    この本のテーマは、
    「人は不合理に行動するが、その不合理の度合いというかパターンは、ある程度予想可能」
    というもの。

  • 経済学において、人間は必ず理性を持って合理的に行動し、自らに最適な利益を求めるはず。が、現実の人間が必ずそのように行動するわけではない。ときに合理性や利益を度外視することがある。そんな人間らしい行動を研究するのが、行動経済学だ。

    著者は行動経済学をさらに追求し、人間が不合理であることは予想どおりなのだと説く。つまり、不合理は当然であり、予想できることなのだと。

    本書では著者が行った様々な実験から「予想どおりに不合理」な事実が紹介されている。特に「無料」の商品やサービスが人々に不合理を巻き起こすという結果は圧巻。やはりタダより高いものはないということか。

    しかし、不合理が予想できるということは、その予想をもとに行動することが合理的なのだから、「不合理」とは何なのだ。裏の裏の裏をかき続けることが、行動経済学ならば、ずいぶんひねくれた学問なのだな。

  • 行動経済学と言えば難しく聞こえるが、実際はとても分かりやすい。

    まさにタイトルが示す通り、合理的に(消費活動などの)選択を行っていると思っても、実際は私たちは一見説明が出来ない不合理な選択を行っているという事を、様々な事例で紹介している。
    それも単に理屈で説明するのではなく、テーマに沿って数々の魅力的な心理学実験の結果から答えが導かれているので、十分納得できる。

    そして本書の最大の魅力は、時としてユーモラスとすら言える心理学の実験を考える人々の叡智に感嘆できるとともに、作者の優しく楽しく、そして平易で読み易い文章であろう。
    最後まで本当に楽しく読めた。

  •  人が自分の行動を決定する時、意識的にせよ無意識にせよなんらかの理由によって判断を下しているが、その基準をはっきり自覚している場合は少ない。一時期ブームにもなっていた行動経済学(行動科学とも言ってたと思う)は、人間の行動を統計的に調査して、その傾向を分析する学問だ。多くの人は自分がそれなりに合理的な判断をしているつもりだろうが、本書によれば人間はとても「不合理な」行動を取るものだという。

     たとえば高級キャンディーを低価格で売るとごっそり買い占めるがいるが、同じキャンディーを無料で配ると誰もが1個2個と控えめに持っていく。これは「無料」が人を道徳的に振る舞わせる効果の一例だが、経済的な観点からは不合理と言えるだろう。

     逆に、長い目で見れば正直であった方が得なのに、目先の利益のためにルールを破る場合もある。その他にもさまざまな条件が人の判断に与える影響を調査している。実験の結果は興味深いけれど信じがたいものではなく、たしかにそうだろうなと思えるものが多い。

     しかしこういった人間の行動は本当に「不合理」なのだろうか。目先の損得勘定だけなら損になることでも、もっと長い目で見れば得になることもある。人間は単純な利益だけでなく評判や自尊心なども含めた複雑な計算をしているのだと考えれば、必ずしも不合理とは言えないと思える。

     合理か不合理化はさておき、ここに挙げられた事項はいずれも人の行動に影響を与えるので、上手に利用すれば他人をコントロールすることにも使えるだろう。実際、マーケティングなどの分野でも巧妙に利用されている。他人からコントロールされることを快く思わない、あるいは密かに不利益を与えられることを避けたいなら、こういった情報に目を通しておくことはかなり有益だと思う。

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