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- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910019750741
感想・レビュー・書評
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創刊700号記念特大号
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S-Fマガジン 2014年 07月号 [雑誌]
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“ようやく「機密」のスタンプが押された書類に対面できたと一息ついてみたものの、めくってみるとあとのページは空白だった。にこやかに表紙を戻した朝戸は、できるだけ快活に振る舞いながら、宿舎へと無事生還を果たし、緊急用にとアラクネからこっそり手渡されていたメモ帳の切れっ端にあった番号へアクセスしたが、アラクネが傍らにゆらめき現れる頃には丸三日が経過していた。
「おや、生きていましたね」というアラクネの第一声が冗談だったのかどうか朝戸には判断がつきかねた。
上を向いてあけられた朝戸の口を覗き込んだアラクネは、
「あ、これはいけませんね」
と一言いって、体のあちこちからなにやら異音を発し続けたが、ややあってから相手が朝戸だということを思い出したらしく、セキュア・インタフェースを通じて伝えてきた。「何気なく組み込まれていますけど、あなたの自意識とアイデンティティにかなり深く結びつけられています。引っこ抜くとあなたも一緒に抜けますけど、抜きますか」
朝戸は少し考えてから、やめておく、と答えた。”[P.263_エピローグ<3>]
「エピローグ<3>」円城塔
あみぐるみって、あれ……。
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