海上護衛戦 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 読み物としてはあまり面白くなかった。とにかく負けたという話ではあるのだが、どうするのが正解だったのかはちょっとわからない。そのとき生きてないし。

  • 第二次世界大戦における輸送作戦に担当していた人による本。第二次世界大戦とは輸送によってまけた戦いであることがよくわかる。この兵站軽視の思想は陸軍、海軍とわず日本海軍の悪癖。

  • 戦争のリアルさが伝わってきます。
    国規模の船舶の数値が具体的に出てきて、その大きさに圧倒されました。
    しかし、戦争といえど、組織内の葛藤は、規模や重要性は違えど、我々の製品開発における組織内の葛藤のそれと似た部分もあるんだなと思いました。

  • 名著と噂の海上護衛戦がkindleで108円だったのを見つけて速攻ぽちった。

    他の本で太平洋戦争中の日本の海上護衛の悲惨な状況を聞いてはいたが、その原典をようやく読めた。

    帝国憲法の欠点は権力の暴走を止める規定に欠ける点で、軍事に関してシビリアンコントロールが実装されていないというのもその一つ。海軍は決戦をやりたがるが、それでどう戦争に勝つかのビジョンがなく、海上輸送を護衛するという発想はさらにない。

    国民>国家>軍隊、という民主主義国家の普通にあるべき優先順位がないがしろにされていたという事実はつらい。これは一面では当時の日本国民がこの状況で問題に感じなかったという見方もできる。

    そういう意味で、先の大戦の問題はドイツみたいな独裁者が云々ではなく、むしろ軍部の官僚化と官僚化した組織の腐敗というべき状況に見える。どちらかというとソ連崩壊に近い気がする。

    戦後の自衛隊は本書に記されたような教訓がかなり意識されているように思える。

    むしろ、憲法のためには自衛の戦いなどせず死ねと言い出しかねない左派の方が云々。

    巻末に艦これの田中健介氏が解説を書いていて驚いた。なるほど各海域に6隻ずつ護衛艦隊を配備する仕様になっているわけだ。また、アニメの作品世界の理解がちょっと進んだ気がする。

    朝日ソノラマ→学研M文庫→角川文庫(電子書籍化)、という流れなので、他の朝日ソノラマの戦記物もぜひこの線で電子書籍化を願いたい。『不屈の鉄十字エース』や『ロケットファイター』が絶版というのは残念すぎる。

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著者プロフィール

大井篤
一九〇二年(明治三五)山形県鶴岡市生まれ。二三年(大正一二)、海軍兵学校(五一期)卒業。三〇年(昭和五)から三二年まで米国バージニア大学、ノースウェスタン大学に学ぶ。上海事変勃発とともに駐米大使館海軍武官室勤務となる。その後、中国沿岸警備艦隊参謀、華南沿岸封鎖艦隊参謀などを経て四三年から終戦まで海上護衛総司令部参謀を務める。海軍大佐。終戦後は、戦史研究家、軍事および国際政治評論家として活躍。九四年(平成六)没。主著に『海上護衛戦』、『大井篤海軍大尉アメリカ留学記 保科さんと私』(解説・阿川尚之)など。

「2022年 『統帥乱れて 北部仏印進駐事件の回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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