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感想・レビュー・書評
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天才カエサルの活躍、いかにローマ共和国を広げていったのかがわかります。
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カエサル、遅咲きの英雄。
ローマの共和政に幕を引き、世界帝国へと道をつけた天才は、いかにして生まれ、長じたのか。三頭政治から執政官へ。さらにガリアへ。カエサルの見た夢とは?
カエサルは少年期から才を発揮したわけではない。むしろ遅咲きだ。だが、40歳で三頭政治を企図し、執政官となり、ガリアへ向かう辺りから英雄として際立ってくる。
多分に青年時代から見ていた夢に状況が追いついてきたということではないか。
その見据えた夢を描くために、時が必要だったのではないか。 -
冒頭「指導者に求められる資質は、次の五つである。すなわち、知性。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。そして、カエサルだけが、このすべてを持っていた」という記述がある。
この巻-ルビコン以前-では、カエサルの人となりが書かれているが、特に「歴史の専門家でもない女性作家ならではの視点」で考察された「金と女」の章は面白い。カエサルの巧みな人心掌握術について「性別も数も関係ない」というまとめには納得する。
現状を冷静に分析した上で未来を見通し、人を惹きつけ、軍を率いればどんな不利でも勝利し、女性にモテながら恨まれず、スキャンダルを軽くあしらい、借金を意に介さず(というか「人の金と自分の金を区別しない」という的確な表現が)、その上運にも恵まれるという、なろう小説顔負けのヒーロー(しかも実在の!)は、何をなそうとしたのか。
塩野七生は「カエサルは『ヨーロッパ』を創造しようと考えていたのではないか」と書いている。
自分の考えでは「ヨーロッパ」は結果的にそうなったもので、カエサルが「創造」したかったものは、「人間が人間らしく生きられる領域」だったのかもしれないと思う。そのためにはローマの「法」が守られる必要があり、法を守るためには、法を守らない者に対する力の行使をためらわない。そして、力を正しく行使する制度として「帝国」を作った... 我々凡人に天才の考えを理解するのは難しいが。
前巻最終章、ラビエヌスのエピソードには涙した。 -
カエサル,恐るべし。
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「ビジネスに効く最強の『読書』」(https://amzn.to/2BORU6f)で紹介されていたので読んだ。
カエサル、名前は知っていたが、どんな人だか全くわかっていなかった。
政治も軍事もできて、天才的なリーダーだな。
著者のカエサル愛が強いので、若干割増されているかもしれないけど。
長編だが十分に楽しめた。
そのまま続編を読み始めている。 -
賽は投げられた…!