2045年問題 (廣済堂新書) [Kindle]

  • 廣済堂出版
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感想・レビュー・書評

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  • この本が2013年に出版されたと思うと感慨深い。
    この後、2016年にアルファGOは囲碁のチャンピオンを打ち負かした。
    「サピエンス全史」が日本で出版されたのが2016年だ。
    そう考えるとこの本は先取りしている。
    啓文堂書店新書大賞の2013年度の1位ということだが、2013年当時の自分を思い返すとここまで未来への意識が行ってなかっただろう。
    当然に知識だって追い付いてない。当時この本を読んでいたらどういう感想を持っていただろうか。
    そもそもの知識レベルが低いために「荒唐無稽だ」と言って切り捨てただろうか。
    もちろんこの本の出版からすでに8年以上経過している訳なので、技術の進歩は止まらずに進んでいるはずだ。
    しかし印象としては、まだこの本に書かれた内容まで、社会は到達していないようだ。
    それは進歩が遅いのではなく、おそらく「表面化していない」というだけなのだろう。
    一般人が認識をするのは、あくまで目で見えるものが今までの常識を覆す進歩をした場合だ。
    たとえ表面化はしていなくても、着実にコンピューターは進化しているし、基礎技術もドンドンと進歩しているはずなのだ。
    この時期に大きな話題となった「Google自動運転車ウェイモ」「Googleグラス」も2021年の現在で実用化、一般化はされていない。
    だからと言って「これらの進化が止まった」とは言えないだろうと思う。
    まだこの本に書かれている内容が答え合わせできない状態ではあるが、むしろ「まだ道半ば」という感じか。
    この場でどうこうと結論めいたことは言えない。
    ただ、個人的な感想であるが、ここに予言している未来に向かって進んでいるのは感じる。
    確かに表面化はされてないが、着実に世界は変わっているし、コロナ禍で社会のオンライン化は一気に加速した。
    人々の生活は一変し、課題が可視化された。
    テクノロジーは確実に進化しているし、課題解決のソリューションも日々生まれている状態だ。
    今まで常識と思っていた「電車に揺られ会社に通う」「会社帰りに混み混みの居酒屋で酒をあおる」なんてことは遠い昔の出来事になっていくのだろう。
    「バブル」が「あったねぇ」なんて思い出話になっているかのように、「コロナ前」が「そんな時代があったねぇ」なのだろう。
    大体、東日本大震災だって、あの当時でまだまだスマホの普及率は低かったくらいだ。
    震災があって、インターネットを手中に収めるメリットが可視化されて、一気に普及が進んだと思う。
    当日は電話回線がパンクしていたが、ネット回線は生きていて、Twitterでのやり取りが唯一の連絡手段だったり。
    LINEが生まれたのだって、震災がきっかけだ。
    そうやってこの8年以上の期間を思い返してみると、技術の進歩が止まった何て絶対にありえない。
    つまりこれからの10年20年で未来を考えた場合、どういう社会が今後築かれていくのか。
    本書で書かれている通りに、人間とコンピューターの融合が進めば、確実に社会が変わっていくだろう。
    人間なのかサイボーグなのかロボットなのかはもはや区別の意味がない。
    さらにインターネットにつながったコンピューターが脳に埋め込まれたら、他人との差別化はどうすればいいのだろうか。
    そんな時に、国家という枠組みも意味があるのか、お金というものも意味があるのかは分からない。
    ただいつか訪れる未来と考えると、我々の人生の計画は大きく変わってくる。
    常識は覆る。これだけは間違いない。
    だからこそ、どんな風にひっくり返っても対応が出来るように、心の準備をしておく必要があるのだ。
    コンピューターには苦手なことを出来る人間になるために。
    そして他人との比較においても、その他大勢にならないようにするために。
    歳を取っても自分を鍛えるしかないということなのだ。
    (2021/5/4)

  • 有名なSF映画のストーリーを絡めて、人工知能に関するあらゆるトピックを取り上げています。最新の研究プロジェクト、人類と人工知能の関係に関する様々な考え方等、とても楽しめました。

  • 開始〜読了
    <u><b>所感</b></u>
    <u><b>文章表現/構成等について</b></u>
    <u><b>概要/ピックアップ</b></u>

  • 長い間、読みたいと思いつつ、ようやく読み終わりました。
    贔屓目無しに面白いです、単に理系の話だけでなく、コンピュータとそれを取り巻く社会的環境といったところまで言及されています。

    スーパーコンピュータがどれだけ凄いか?というのも具体的な数値で、且つ比較対象を置きながら解説されているのでコンピュータに詳しくない人でもイメージしやすいと思います。むしろ、コンピュータに詳しくない人に読んでほしい一冊です。

  • コツコツと何かを作り上げて行くのが、ものすごく効率が悪いことなのではと疑ってしまうほど、これからの進歩に目を見張ってしまうであろう本。

  • ターミネータや、マトリックスのような世界について興味があったので本を読んでみた。
    ただ、前半の内容はコンピュータの説明ばかりでつまらない内容だった。
    後半から、実際のコンピュータが発達しすぎたあとの話になったため、そこからの内容は少し面白かった。
    面白かったのは、結局は英語がこれらかの社会を生き抜く力とかいていたところ。英語がわかるかわからないかで、10倍は情報量が違うからということであった。
    確かにそうは思うので、英語の勉強は進めていきたいと思った。
    自分のレベルを高めて、コンピュータ社会にのまれないようにしたい。



    松田卓也(まつだ たくや)
    神戸大学名誉教授、宇宙物理学者・理学博士。



    「完全なシュミレーション現実の内側にいる人間にとって、外の世界は存在せず、シュミレーション現実が唯一無二の世界であって、それがつくりものであることは原理的に感知できないのです。カーツワイルは、巨大なコンピュータができ、希望する人は意識を全部そのなかに入れて、そのなかで生活するようになるというのです。「マインドアップローディングと名付けている。意識をコンピュータにアップロードしておけば、その後、肉体が死んでも、コンピュータ上では生き続けることができます。肉体をもたないので、不死身の存在になれるわけです。」
    「人類が神になる。全宇宙がコンピュータ化した未来では、コンピュータが正解そのものなのですから、そのコンピュータをつくった人類は創造神とみなされる。」
    「テクノロジーが高度になると、「スイッチを切ればお終い」は単なる幻想にすぎません。」
    「第一は、人間がコンピュータに支配されるという暗い未来、意識をもった強い人工知能が人類に敵対するというシナリオです。デ・ガリスは、人類が滅ぼされるとしても、人工知性を生み出し、進化の頂点の座をバトンタッチするのが人類の使命であると主張しています。第二は、この非観説と対局をなす、カーツワイルの描く明るい未来です。巨大化したコンピュータのなかに、意識をアップロードし、肉体を失った人類はコンピュータのなかで生き続けます。」
    「安泰な職業はトップとボトムの仕事だというのです。トップの仕事とは、そもそもボットをつくるようなコンピュータ・プログラマーや、企業のトップ・マネージメントなどです。逆にボトムの仕事とは、家庭の掃除や家事、マッサージ師、美容師などロボットにできないか、ロボットにやってほしくないと感じる仕事です。」
    「英語とコンピュータが、これからの社会を生き抜く「生きる力」になる。」

  • 2045年、
    コンピュータが人間を超える歴史的な歳になる。
    そんなことがカーツワイルというコンピュータ研究者のかたがいてってました。さすが理系読みたい資料の目次が自分のふわんらに

  • 122

  • 2013年の本なので、近年相次いで出ている類書と比べるとやや技術面の記述がぼんやりとしており、SF寄り(≒“強いAI"寄り)な印象。

  • IMBの人工知能プロセッサーTruNorthの記事をみて購入。2045年に人間知能レベルを人工知能が上回るという技術的特異点(singularity)について解説した本。2001年宇宙の旅、マトリックス、攻殻機動隊など映画を引用しつつ、技術的特異点に向かって社会経済構造がどう変わって行くのか、わかりやすく解説している。個人的には物理的なアトムの制約の下でしかビットは生きられないと思う。コンピュータといえども電気なくしては動かない。それにしても、テンポがよく論旨明快。筆者のパソコン遍歴が自分とほぼ同期しているのも興味深い。この本、kindleで463円。お得!

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