天地明察(特別合本版) (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • あるブク友さんが本作の熱烈なるレビューを載せていらっしゃって、私も随分前に読んだ時の感激を思い出しました。その時書いたレビューをブクログ本棚にも転載することにします。
    先ずその前に、私が『天地明察』の本を手にしたのは小説「しらない町」を読んだのがきっかけだったのを思い出しました。そのブログ記事を読んだ友人が「しらない町」に出てきた”算額”を旅行先で偶然に見かけ写真を送ってくれたのでした。”算額”とは、江戸時代の頃和算を楽しむ人たちが、数学の問題や解答を絵馬のように額に描いて神社仏閣に奉納して、お互いに問題を解きあったというもの。そこへコメントを下さったきみやすさんに『天地明察』を教えてもらってたのです。
    『しらない町』→算額→『天地明察』

    ☆彡下記のブログの私のハンドルネームはbambooです。

    https://blog.goo.ne.jp/33bamboo/e/0a8f4261a4c8634cd1134bd8e8caa053#comment-list

    その後、『天地明察』を読み下記のレビューとなりました。

    (2012年1月12日 記)
    昨年暮れに算額がらみできみやすさんに紹介されて読みました。とても面白くあっという間に読了してたのですが・・・。(読んだのは昨年です)

    暦が変われば、思いがけないところにまで影響が及ぶものらしい。現在カレンダーは無料でもらえるけれど、江戸時代までは地域別に寺社が作成し有料で売られていたとは知らなかった。時代物なのに描かれ方が現代風なので取っ付きやすく、晴海に最近の若者をイメージしながら読めた。焼け落ちた天守閣が再建されずに、晴海が新しい時代の息吹を感じ、かける物を目指す高ぶる気持ちがまっすぐ伝わってくるのが快い。
    「武士の家計簿」の主人公にもつながる要素を持っていて、当時は侍らしからぬ侍も意外と多かったのではないかと思った。まあ、今だってひとくくりできないから、今の時代を生きている私たちの偏見もたぶんあるのだろう。絵馬に数学の問題を出しその回答を返すなんて、何て粋な遊び心があった時代だったのだろうか。羨ましくさえあった。
    帰省した息子にも断然勧めました。オススメ度◎
    (映画化もされているらしい)

    • ひとみんさん
      ブログ拝見しました。ご友人が旅先で出会った算額を見られて嬉しかったです。そしてしずくさんの感想も!
      ブログ拝見しました。ご友人が旅先で出会った算額を見られて嬉しかったです。そしてしずくさんの感想も!
      2022/07/28
    • しずくさん
      余計なお世話かもと懸念しながら、本作を読んだひとみんさんに是非”算額”を観てもらいたくてレビューしました。
      喜んでもらえて良かったです。
      余計なお世話かもと懸念しながら、本作を読んだひとみんさんに是非”算額”を観てもらいたくてレビューしました。
      喜んでもらえて良かったです。
      2022/07/29
  • 暦がこんなに深いものだったとは。

  • 春海さん・・・いい子です!
    冲方さん・・・こんな本にしてくれてありがとう
    時代物は敬遠してたのですが
    最高でした

  • 前から読んでみたいと思いつつ、今になった。
    渋川春海、関孝和、水戸光圀、保科正之、
    面白かった。
    読後、岡田准一主演の映画(2012年制作)のDVDを借りて観た。
    当然ながら、原作の方が面白かった。
    原作では23年間が描かれているが、
    映画では若々しい春海で、十数年で事をなしたかのようだし、
    ま、人前で男女が抱きつくなんて、ありえないけど、
    この映画の5年後、本当に結婚。
    も一回、映画観ようかな。

  • 一冊が全て序章。下に続く

  • なんとか、最後まで読めた…時代物

  • 失敗とは恐ろしいものだ。
    それまで築き上げてきた信用は一瞬で瓦解し、以降どんな善行を積もうとも過去は拭えず、死後すらその失敗が語り継がれることもある。
    『天地明察』は三度の失敗を乗り越え、新たな暦を日本にもたらした渋川春海の物語だ。

    主人公と自分に共通点はほぼない。だがのたうちたくなるほどの恥と挫折を乗り越え、同じ道を志す先駆者に託された願いを支えに何度も立ち上がる姿には胸を打たれた。最終章ではこれまでの挫折があったからこその選択と行動を見せつけてくれる。
    ぜひネタバレ無しでご覧いただきたい。

    時代小説ではあるがそこまで堅苦しい文体ではなく読みやすい。また時代背景も過不足なく説明が入るので、普段時代小説を嗜まない方にもお薦めできる。

  • めったなことでは★5満点をつけることはないが これはもう文句なしに 圧倒的に ぶっちぎりの★★★★★

    映画ならともかく 小説で嗚咽するほど激しく感情を揺さぶられ感動したのは大学の授業中に読み終えた「アルジャーノンに花束を」以来かもしれない

    この10年間で読んだ小説のなかで「日本沈没」と並んでまちがいなく一番おもしろく ページを繰る手が止まらなくなり 何度も目頭が熱くなり感動した

    再読のときのために具体的な内容についてはメモを残したくない なるべく記憶を消して新鮮に再読を楽しみたい それほどまでに素晴らしかった

  • 冲方氏ほぼ初読み。たしかマルドゥックの短篇を読んだことがある程度。SF作家のイメージだったが、時代物もけっこう出されているのね。渋川春海を主人公に、江戸時代の算術と改暦というなかなかにマニアックなテーマながら、堅苦しさも無く大変読みやすい作品。若き頃の北極出地を起点とし、それまでの碁打ち人生から暦の改暦へと至る彼の生涯が描かれている。様々な苦難に遭いながら、どん底に落ちるメンタルの弱さも見せるが、彼の人生を変えた建部や伊藤、保科や酒井、そして関の想いを受けつつ這い上がっていく晴海の姿が印象に残った。

  • 職業系 夢を追いかける小説
    舞台が江戸時代というのが新鮮。

  • 幕府抱え持ちの碁打ちという仕事に退屈を感じていた春海は、ある日算術の達人関孝和の存在を知る。関の驚異的な頭脳に魅せられた春海は算術に傾倒し、勝負の世界へと足を踏み入れる。その一方、幕府は春海の能力を買い、改暦という一大プロジェクトに彼を登用する。初めは命じられるがままだった春海も、偉大な人物たちとの出会いによって己が使命を実感するようになる。算術と暦術、2本の柱が原動力となって春海を突き動かす。


    常人離れした頭脳と情熱を持って改暦に携わる春海だけれど、完璧人間ではなく、挫折したり立ち直ったり、恋に落ちたり、とても人間味に溢れていて、物語に入り込んで読むことができた。

  • 噂に違わず面白かった!
    暦を作るのが、これほどの大事業で、これほどの大きな意味を持つなんて。生まれた時から当たり前のようにあったものの価値を再発見。
    春海の様々な行動や気持ちが、全て伏線になっているようで、後半はそれらが着実に一本に合流して、ページをめくる手が止まらなかった。
    フィクションの割合が高いとはわかっていても、それでも彼の功績が変わるわけでなく。
    できれば、あの人にもあの人にも、共に讃えられてほしかった人達は沢山いて。
    そういう人達の名も伝えてくれたという意味においても、この小説の価値は大きいと思うのだ。

  • 爽快な読後感でした。

    失敗して、恥をかいて、なじられようとも、自分の非を認めて叱責を受け入れ再びチャレンジするーそのような姿勢を貫かないといけないとわかっていても、それを実際に行うことは本当に難しいです。
    この先、失敗して逃げ出したくなる時は、この本を再読して、春海に背中を押してもらおうと思います。

  • この時代の歴史小説は初めてで難しい感じや文字があったがなんとか調べながら読んだ。実際の人物渋川春海の改暦についての物語。暦ってこんなに奥深かったんだと感心した。

  • 改暦に挑む春海の情熱と苦悩に感動。歴史と学問の壮大な物語。【士気凛然、勇気百倍】!!

  • 数々の迷いや誤謬を重ね、立ち直れなくなりそうになりながらも、周りの支えや想いに助けられて前へ進んでいく。元々多才で実力のある人物でありながら、描かれ方は等身大の人間の姿であり身近に感じられた。そのため物語にすんなり没入できた。

  • 囲碁棋士で天文暦学者であった安井算哲の挑戦の生涯を描いた作品。孤高の天才算術 ・関孝和との知的格闘を通じた研鑽、時代の不合理や流れに飲み込まれることなく、使命を完遂しきるその姿にシンプルに感動する。社会規範に自分を同化させるのではなく、自分自身の羅針盤だけを頼りに人生を切り拓いていく姿に勇気をもらう。

  • 7%で挫折。
    映画も挫折。
    (家で観てたら住人と雑談が始まり見直す気がなくなった、という言い訳)

    いつかこの本を楽しめるかっこいい大人になりたい。
    なんて思いながら楽しむ具体的な方法に着手してないので本心ではないかもしれない。
    kindleのメモは「いつ」「何時」「どこ」とかそんなのばっかり。
    覚えた単語:誤謬(ごびゅう)

    冲方さんの本は「もらい泣き」という作品を読んだことがあって、とても面白かった気がするんだけど内容を全然思い出せない。
    Instagramの誰かの読書アカウントで「表紙で損してる」って書かれてたのが印象的だった。多分本屋で見かけても表紙買いはしなかったと思う。
    好きなページに付箋でひとこと添えてお母さんに渡したんじゃなかったかな。たしか手紙に関するお話もあったはず。また読みたくなった。

  • 最高かよ。青春群像劇的なやつは大好き。爽快。

  • 徳川4代将軍から5代将軍の頃のお話。
    主人公は算術が好きな碁打ち。この初期設定からだけでは想像もつかない方向へ話がどんどん進んでいく。
    最初はいかにも頼りない主人公が、最後に碁打ちならではの政治的布石を展開していく様は見事。
    平易かつ軽快な文章で読みやすい。
    読後の爽快感はまさに天地明察。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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