時計館の殺人〈新装改訂版〉(下) 「館」シリーズ (講談社文庫) [Kindle]

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  • 他の人にとってどうだかは知らないけど、ワタシには「ミステリを読む」という行為には『その世界にどっぷり浸かって、なおかつうまく騙してほしい』という願望がある。

    これを文句ないレベルでかなえてくれるミステリは実はそう多くはないのだけど、『時計館の殺人』は文句なしに「だましてくれてありがとう!」と言えてしまう作品なのである。残りのページが徐々に少なくなっていくのが惜しい。だって「もっと長く騙してほしい」っていう気持ちがあるから。

    いろいろとこの作品でもツッコミを入れたい部分はあるんです。たとえば3年前に強烈な記憶を残す体験をした江南が、なぜ「時計館は中村青司の作品」だということを知識として知っているのにもかかわらず、最後の最後までそこから導き出される推測をすっかり忘れていられるのか。これなんて、飲料水に睡眠薬が混ぜられていただけでは説明がつかない。だって3年前の事件は、彼のその後の人生を変えるほど強烈な体験だったんだよ?

    まぁでも、この未完成な部分がまた良い味を出している、というのはあるかもしれない。だってこれ、「当時の綾辻行人」だったからこその作品だと思うからだ。多分今お願いして全部リライトしてもらっても、おそらく全然違う作品が出てくるのではないかと思う、それはそれで読んでみたい気もするけどさ。

    衝撃度は『十角館』が上だけど(だってシリーズ第1作だし、あの最後の衝撃は忘れられない)、完成度としては『時計館』の方が高いような気もする。

    グダグダ感想を書いても、やっぱり実際に読んでみないとこの面白さは伝わらない。未読の方はぜひ。

  • 下巻の前半で犯人は大体見当がついた。だって明らかに怪しんだもん。
    その人が犯人だと考えれば、トリックはある程度予想がついた。
    動機だけがまったく判らなかっけどね。
    しかし、すごく面白かった。

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プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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