存在と時間II (中公クラシックス) [Kindle]

  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  •  難しい。すべてわかって読んでいますなんてとても言えない。でも原典読んで良かった。哲学的用語で突き詰めて理解しているわけじゃないけど、「そう、そういうのわかるわ、ハイデガーさん!!!」という感じで結構一気に読んだ。すっごく丁寧に認識しているもの、自分と思っているものについて順序立てて書いてある。難しい。でもそれ読んだら自分も人間だから「心当たり」があるんだよな。そうそうって。そういうのわかるよ。そう思うことあるよ。ああ、自分が思ってることを言葉で表現したらこういうことになるんだ!というような。自分は専門家でもなんでもないからこういう読み方でもいいやと思った。

     現存在を貫いてくる呼びかけについて自分は時剋の極促を思った。「良心」とか「気遣い」とか「責めある存在」とかハイデガー的言葉の使い方はあるけど、もう真宗の二種深信の話をしているとしか思えないところもあった。そんなのなんでも真宗に引き当てて考えんなよって思うけど無理しないでも出てきてしまうくらいなのだ。
     人間ってすごいよね。自分は時間も場所も人種もすべて越えてハイデガーと同じ人間なのだと思った。そう思っただけで読んでよかった。
     不安、死をどう認識するか、死を認識して生きていくということ。こういうことがずっと丁寧に書かれている。人間がどうやっていきていくのか。絶対的にある死を知りながら。なんかね、まるっとわかりやすく納めた解説の本を読むのもいいけど、原典読んでよかったと本当に思う。全部わからなくてもハイデガーさんに触れてよかったと思う。

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