冬の巨人 (富士見L文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 歩き続ける巨人「ミール」の上に暮らす市民。ミールからの熱や埋もれている石炭で、下層と上層に生活している。ミールの研究をしている教授のもとで働くオーリャは、ある日気球を使って、上層からミールを観察することになる。今にも止まりそうで、寿命を迎えそうなミールでの生活は続くのか…。

    ライトノベルなんですかね。電子書籍でこういうのもアクセスはしやすくなったと思う。一般の本屋でも、古本屋でも、売り場がだいたい分けられてるじゃないですか。

    ここんとこ、海外SFを除いて、日本的でない名前に戸惑いつつ読みすすめる。正直なところ、教授とその周りの人の名前がごっちゃのまま終わった。大丈夫だったけど。

    ミールの熱を使った生活という辺は良く考えられているものの、実際のところどうやって家を立てたとか、スケール感とか、いろいろと SFというにはメカニズムの構築が足りていない。ファンタジーの領域だからと言われてみれば、それはそれで良いのだけれども。

    後半~終盤にかけても、いろいろなことが有ったなあというのをゆるく感じるものの、クライマックス感なども感じないままの結末。結局、ミールの下の大地とは何だったのか。

    あまり長い話でもないので、かなり軽く読める1冊だ。

  • かなり久々の古橋秀之。
    ブラックロッドシリーズ以来かな。
    バリバリのライトノベルである。
    なかなかに面白かった。読みやすいし。
    巨人と天女が何者なのかというのは全く説明はされませんが、まあそれはそれ。
    そういう世界なんだと思えばいいことである。
    巨人に住む人間は巨人に害しか与えていないのだろうか?
    共生ではなく単なる寄生なのだろうか。
    それとも何か人間が存在する必要性があるのだろうか?
    再生のために破壊が必要で、その破壊のために人間が存在しているのだろうか?
    などとまあ色々考えるのも面白い作品であった。

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著者プロフィール

第2回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞。『ブラックロッド』(電撃文庫)でデビュー。著書多数。

「2017年 『ある日、爆弾がおちてきて 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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