街の本屋の逆襲 [Kindle]

  • 株式会社ボイジャー
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感想・レビュー・書評

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  •  海外にいると本屋巡りが楽しめないのが悲しいところ。昨今、読みたい本はたいてい電子書籍。電子書籍もずいぶん発達してきたが、見たい、読みたい本を探して読むには便利だけど、「なんかないかなぁ」と本屋の書棚を巡る、あの楽しみがない。圧倒的にない。本屋にはそんな楽しみがある。 それを、映画「羊たちの沈黙」のレクター博士の言葉(「欲望は自在するものではなく、それを満たすものが目の前に出現したときに発現するものである。」)を引用して、“本屋って欲望が言語化される場所なんだと思う”という所が、一番大きく首肯した場所(嶋浩一郎氏の言葉)。 読みたい本を探しに行くより、本との思わぬ出会いがあるのが本屋のいいところだ。

     ということで、街の本屋には、これから先も、いろいろ形態を変えながらも存在していって欲しいし、昨今の面白い展開っぷりは遠くから眺めていて楽しみだなと思っている。 本屋は何をやっても違和感がないスペース、つまりあらゆる分野と関連があるから、というのは納得(例として、八百屋でトークショーをやっても違和感あるが、本屋で野菜や農業をテーマにしたトークショーがあってもおかしくない、などなど)。 

    でも逆に、どの店でも、どんな場所でも本棚を置いてもいいんじゃないかなとも思った。 実際、本書の登場人物の内沼氏は、ブックコーディネーターとしてアパレルショップに書棚を設けるなどして、書籍と異業種のコラボという新分野を構築してきた人物だ。
     例えば、商店街全部を本屋にしてしまう。八百屋には農業や野菜、料理の本が並んでいて、洋服店にはファンション雑誌、美容関連の本。店主が猫好きってだけで、日本中の猫関係のありとあらゆる本が並んでいる豆腐屋(例えばの話)があってもいいんじゃないかと思った。
     既に数年前から山関係の本は、本屋で探すよりICI石井スポーツで買うことが多かったり、ラン関係の雑誌も最寄りのスポーツ店で買ってったけ。 そんな動きがもっともっと広がると実は面白いのかもしれない。

     ホントは「本の逆襲」(内沼晋太郎著)を読みたくて、間違ってダウンロードしてしまった本だったけど、面白かった。

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著者プロフィール

佐藤雄一(さとう ゆういち)
大手メーカー・レーシングチーム二輪車メカニックを振り出しに、20年間以上にも渡って海外レーシングチームのメカニックを歴任。現在は世界屈指の古典航空レシプロエンジン再生工場(米国)で、復元スペシャリストを勤める唯一の日本人。

「2022年 『傑作戦闘機とレシプロエンジン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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