Kindle Storeで年末セールで安かった(100円だったかな)ので購入。別に妖怪ウォッチにおもねったわけではない。。。
正直、妖怪のことについてちゃんと書かれているのかと思って期待していたのだが、少々期待外れ。
まず絵がイケてない。小学生くらいの子供向けの本だと思うのだが、中途半端に怖くしている。低学年くらいだと怖くて手に取らないだろう。逆に高学年だとチープすぎて興味を持ち辛い。もう少しちゃんとした絵に出来なかったのか?なぜこんなに楳図かずおの出来そこないみたいな絵なのか?これなら鳥山石燕の『画図百鬼夜行』の絵を引っ張ってきたほうが遥かにマシだ。
そして解説もダメ。半ば無理やり存在意義をつけようとしているが、そもそも妖怪は存在意義を与えられたものと与えられていないもの(ただ存在だけしているもの)の2種類あるというところを理解していない。その最たるものは『豆腐小僧』だ。豆腐小僧が「腐った豆腐を食べさせる」とか書いてるけど、これはおそらく後世のこじつけ。そんなことは一切行わない。無理に豆腐小僧に役割を与えようとして失敗している例。こんなのが散見される。
ぬらりひょんが妖怪の総大将とか、ゲゲゲの鬼太郎の影響受けすぎですよ。
ただ、豆腐小僧を取り上げているところは素晴らしい。まあ京極夏彦が小説にしたから、ってのもありそうだが。
そして河童のところ。内容にそれほど不満があるわけでもないが(尻子玉については触れてなかったようだが)、出来れば遠野の河童について記載してほしかった。赤い河童については、書いておいてほしかった。河童=緑じゃないんだよ、ってね。
まあ子供向けだから、と言って目をつぶることも出来るが、子供向けだからこそしっかりとやってほしい、と思うところもあるのよね。
妖怪ってのは、面白おかしいだけのものではなく、間違いなく日本人が今までに築き上げてきた文化の一つでもある。だからこそ、大切に取り扱ってほしいし、新しいものをどんどん追加して、進化させていくべきもの、だと思っている。
ただ本書は、マイナなものも含めて結構多く取り扱っているので、その点では評価できる。竜は妖怪じゃなくて聖獣だよね、とか、人面犬とか100キロババアとか、その辺を妖怪に含めるのはいかがなものか、と思うけどね。こっくりさんも妖怪か?首をかしげるところが多いところも残念だな。
そういうのを差し引いても、まあそんなに悪い本ではないんじゃないかと。これだけで終わると宜しくないけど。
やたらと長くなってしまった。どれだけ妖怪好きなんだよwww
そして、ついつい石燕の『画図百鬼夜行』も買っちゃったよ。