- Amazon.co.jp ・電子書籍 (228ページ)
感想・レビュー・書評
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短編集はあまり好きでは無いのだが、この本に限ってはどれもノンフィクションなので面白かった。しかもノンフィクションなのに、不思議でゾクっとする話から抱腹絶倒してしまう話しなどどれもシュールで大変楽しめた。著者の思ったらあまり深く考えずに物は試しだ感でどんどん行動してしまうあわてんぼうなところと、怖いもの知らずのようで意外に世間体を気にしたりするところが人間くさくていい。それが高野秀行作品全体を魅力的にしている要素であると改めて思った。解説にもあったが、著者は永遠の小学生なのかもしれない。
気になるワード
#ザハルータ #アラブ独特の歓声
#ラキヤ #葡萄焼酎
#ガルシアマルケス #マジックリアリズム詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな大会が存在する、という驚きのマラソン大会がタイトルとなっていたので気づかなかった。
「本の雑誌」で見かけて気になっていた改名トライの話がここに入っていた!
軽妙な語り口で雑誌でみたときも思わず笑ってしまったので探していたので見つかってよかった。
著者の人生が濃密すぎて、こんな大きな話題も主要タイトルにならないのか、と思った。 -
#ブックサンタ2023
中学・高校年代の方に -
併録されている「名前変更物語」が面白い。
マイナンバーや年金でバタバタしているのを揶揄する前に、この話を読んだ方がいいね。
制度は多少緩い方が面白みもある。
(まぁそれによって個人が損害を受けたらダメだけど)
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謎のペルシア人いわく
「君の考えは間違っているよ。君は英語を十分に喋れる。だって、見なさい、私たちはもう1時間以上もずっとお喋りをしている。それで100パーセント完璧に通じているじゃないか」
「それはあなたがネイティヴじゃないからですよ」私は抗弁した。
「ネイティヴ? そんなものに何か意味があるのかね? なぜ私たちが英語で話をするのか。不思議に思ったことはないかね? 私たちはともにアジアの人間だ。アジア人同士がどうしてヨーロッパの言葉で話さなければならない?」
「……」
「それはね、英語が国際言語だからだ。イラン人には日本語がわからない。日本人にはペルシア語がわからない。だから、私たちは英語を使う。それは日本人とイラン人だけじゃない。インド人とイラン人でもそうだし、日本人とドイツ人だってそうだろう。聞くところでは日本語と中国語はだいぶちがうから、やっぱりビジネスをするときは英語を使うそうじゃないか。
これでわかるだろう。英語は国際言語なんだ。世界の人が意思を通じさせるための言葉だ。でも君はアメリカ人やイギリス人の言うことがわからないという。それは君のせいじゃなくて、彼らのせいだ。彼らの喋っている言語は方言なんだよ。アメリカ人の英語はアメリカ方言で、イギリス人の英語はイギリス方言。それは世界標準ではない。私たちが今話している英語こそ、世界の誰でも理解できる世界標準の英語なんだ。アメリカ人やイギリス人が私たちを見習う必要はあるが、その逆はない」
私は尾骶骨から突き抜けるような感動をおぼえた」 -
これは文句なく面白い。夜中に思い立った勢いで参加したアフリカでのマラソン記。
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西サハラ難民のキャンプ支援を目的とするサハラ砂漠マラソンに参加する表題作ほか、いわば短編集になっている。マラソンは、サハラ砂漠をマラソンするというインパクトが先に立つが、西サハラ問題の背景、そしてスペイン植民地からの独立運動という面でバスク地方からの支援が厚かったりというところを掘り下げていくのが面白い。そのほかは著者の旅の小話的な話で、ちょっと意外な面もあったりして面白い。
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中短編集。やはり長編の方が面白い。
itは怖いな〜