満願 [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • どれもミステリーというより、軽くホラー。
    タイトルのストーリーよりも『柘榴』や『関守』に余韻が残る。
    『柘榴』は大きな犯罪が起きるわけでもないのに、語り手として出てこない人物の幽玄な色香に毒される気持ちに…。
    『関守』は安っぽかった噂がオカルトじみてきて、気づいた時には巻き込まれてしまうという、さも起こり得る恐怖にぞっとする。
    なかなか凝った短編集

  • ミステリの短篇集。どの作品にもどんでん返しがあり、楽しめる。短篇集というところからも、気軽に手にとる事ができると思う。
    ミステリにも色々と種類があるけれども、これは本格なのかな、と思った.読者も、注意深く読んでいれば犯人や動機を当てる事ができそうだ。
    勿論、その難易度は作品によってさまざま。
    個人的に、最も面白かったのは『関守』。だんだんと事件の全貌が明らかになってくるところもスリリングだし、結果も「まさかの」展開で、ホラー味もありました。

  • 6編の短編は、
    どれも、巧妙に練り上げられていて。
    それぞれ ずっしり心に沈んでゆく。

    特に3編目の「柘榴」。
    女を食い物にする 無能な父をめぐる 母娘の物語では、
    行間に潜んでる恐怖感に 打ちのめされた。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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