ペンギン鉄道 なくしもの係 [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • 「ペンギンが電車に乗る」なんて、ゴリゴリのファンタジー小説かと思いきや、とても心が温まる素敵なお話でした。
    死を受け入れることは辛いし、生きることも辛い。
    だけど、生きていればきっと良いことがある。と思わせてくれます。

  • 短編集3+1という構成です。
    それぞれの主人公はそれぞれ生きづらさを抱えた人たちです。
    1つ目は分かりづらいと思いますが、動物を飼っているのに
    健康状態をチェックしないなんてのはクズ中のクズです。
    話の中では許された感じになってますが怒りを覚えるレベルです。
    その後は、いわゆるひきこもり・無気力で嘘つき・いわゆる老害と続きます。
    ただみんな善人で前を向くことは忘れていません。

    そこにふんわりとペンギンと赤毛の青年(なくしもの係)が
    妖精のような空気感をもってよりよい未来へと誘導してくれる。
    最終章ではその妖精達も現実としっかり交わりハッピーエンド。

    読後感は少し物足りなさも。もしかして対象年齢は低め設定なのかも。
    ただペンギンと守保青年の存在と柔らかな空気感と情景の美しさが
    きらきらとしていて癒やされます。

  • 表紙に惹かれてポチッと。アタリでした。

    ペンギン鉄道と呼ばれるローカル線の、いちばん先っぽの駅にある遺失物保管所を訪れる、忘れ物をした人たちの4つの短編集。少しずつ繋がっている物語。

    読む前に、ちょっとレビューを読んでしまいまして、「最後まで読むと謎が解ける」的なことが書いてあったんですよね。いったい、何がどうわかるんだろう!?あれがこうなのか?これがああなのか?いやいや、もっとファンタジーな世界だったりして!?とか、いろいろと考えを巡らせながら読みました。なるほど、そういうことか。想像していたのとは違ったけど、最後の話がいいお話で、読んで良かったなぁと。

    続きもすでに出版されているようなので、読んでみよう。


    ところで、この著者さんの他の作品はどんなのかな?って調べてみたら、小説だけではなくて、ゲームのシナリオなども書かれているようですね。テイルズシリーズとか!久しぶりにテイルズシリーズ、やりたくなっちゃったよ。

  • とある駅に集まる「なくしもの」と、それにまつわる人々の話。短編集。
    キーパーソンは、駅員の赤髪の青年、守保。そして、彼が駅で「飼育」しているペンギン。
    ペンギンは何故こんなところにいるのか、そして、守保青年は何者なのか。
    読み進めていくうちに守保青年の謎が少しずつ明らかになっていく。
    ペンギンが可愛くてほっこりして、そして少し切ない。だけど読後感は温かい一冊。

  • 大和北旅客鉄道波浜線遺失物保管所、通称なくしもの係。
    なぜかペンギンが乗り降りしているため、この路線はペンギン鉄道と呼ばれている。
    このペンギン鉄道で落し物をした人たちへの対応をするのは、なくしもの係で働く赤い髪の職員「守保」。
    なくしものが届けられ、落とし主へ返却するときに守保が決まって言う言葉は、
    「なくしものはお返ししますか? それとも、お預かりしておきますか?」

    遺骨・小学生の頃にもらったラブレター・履歴書
    それぞれをなくした人々のそれぞれの事情や、その後の彼らが新しい一歩を踏み出している様子が各章で綴られ、最終章のペンギンがいる理由や、守保の返却の時に確認する言葉の理由に繋がっていく。
    最後は涙なくしては読めない。
    病院の順番待ち中に読んでいて泣きそうになり、先生の顔がまともに見られなかった(汗)

  •  ペンギンが電車に乗ってあちらこちら移動するって所に、目を瞑ってください。駅員の髪が赤い所も。

     いい話です。ちょっとうるっときます。ペンギンもかわいい。

  • 駅に併設された「なくしもの係」の青年と、そこに住むペンギン。この2人をメインにして最終的には何かファンタジーなことが起こるのだろうと予想したものの、まったく違った。

    全4章で、前3章が最後の1章につながる。本編は最後の章なのだと思う。なぜペンギンなのか。なぜ「なくしもの係」の青年が世話をしているのか。

    やさしい読後感。
    そしてペンギンがすごくかわいい。

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著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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