老人と海 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 新聞に新訳が出た、と書かれていたので、そちらを、と思ったのですが読み放題になっていたこちらを読むことに。
    とはいっても2014年版なので、ほどほど新しいですが。
    ノーベル賞物ということもあって、いろいろと研究されています。日本語にない単数・複数の違い(shoulders)から、肩に手を回すシーンをイメージ、少年の年齢が20代前半だとするならこのシーンは説明できない、というところまで言い切れるところに、翻訳家ってすごい(ここは解説からね)。少年の年齢次第、老人の年齢次第でお話全体のイメージも大きく変わっきます。
    時代とともに解釈も変わってきた本なのかもしれませんね。

    ヘミングウェイは省略して描く人らしく、港がどんなところか、それは行ってみて肌で感じる必要がある、とまで言っています。確かに、今年出た新訳を行うにあたっては現地に飛んだ、とも書かれていました。
    そうかもしれないです。

    ストーリーだけでなく、老人が何度も口にする言葉「少年がここにいたらなぁ…」が意味するところはなにか、年齢が違ったらどんな印象になるだろう、と考えながら読むと楽しさが膨らむと思います。

  •  実は原文にチャレンジして、挫折しました。(時々入る元地語がわからず・・・)
     中盤の老人の戦いのシーンも良いのですが、個人的なおすすめは序盤と終盤の、少年とのやり取りです。あとは読んでからのお楽しみ。

  • 以前(30年程前)読んだのは、福田恒存翻訳のものだったかなぁ。再読とは言わないか。

     当時はやるせないというか、食物連鎖の波。諸行無常とはこういう事かと思った。

     自分も年を重ねてみると
    老人凄いなと思う。。。こんな話だったっけ?
    3日も綱引きできるものなのかしら?海の男とはいえ老人が???と思ってしまいました。
     獲物への尊敬が生まれながら、根比べは気が失うまで続く。なんと頑固で負けん気が強いことか。意地だ。
     だけれど、何度も「あの子がいたらなぁ」という言葉に孤独と人間らしさ(弱さ)と生命の危うさにリアリティを感じる。

    老人と少年に対して帰還してから名前を使うけど、急に対象が狭くなったのにはきっと「老人」「少年」の定義を超えた個の触れ合い
    を示したかったのだろう。

     少年は何度も泣くけれど涙はどういう涙なのだろう?老人を尊敬する優しい少年。
    老いを悲しむ同情?

  • なかなかの面白いストーリーだった。特に、個人的には、スペイン語で海をel marと男性名詞で呼ぶのかla marと女性名詞で呼ぶのかの下りは面白かった。

    • 松子さん
      こんばんは(^^)いいね、ありがとうございます。
      老人は海と戦うわけではないので海を女性名詞で呼ぶ場面ですね。お洒落な感性と感想ですね!
      私...
      こんばんは(^^)いいね、ありがとうございます。
      老人は海と戦うわけではないので海を女性名詞で呼ぶ場面ですね。お洒落な感性と感想ですね!
      私のお気に入りは浜辺を歩くライオン場面です♪
      2022/05/18
    • Yutaさん
      こんばんは。コメントありがとうございます!

      この小説、やっぱり文豪が書いているだけあって、文章が格好良いですよね。自分のお気に入り箇所...
      こんばんは。コメントありがとうございます!

      この小説、やっぱり文豪が書いているだけあって、文章が格好良いですよね。自分のお気に入り箇所が見つかります!
      2022/05/19
    • 松子さん
      フォローありがとうございます!
      また格好良い本があったら教えてください!
      英語の感想も勉強になります♪
      どうぞ宜しくお願いします(^^)
      フォローありがとうございます!
      また格好良い本があったら教えてください!
      英語の感想も勉強になります♪
      どうぞ宜しくお願いします(^^)
      2022/05/19
  • 老人がひとりでぶつぶつと物思いにふける
    感じがすごく共感できる

    さかなつり一回してみたい、楽しそう
    とか言ったら老人に怒られそう。

  • 老人を思うと、報われない気持ちになった。でも、老人としては肩の荷が下りたようだし、勝手な解釈だが、やり切ったって気持ちで、老人は漁師を引退するのかもと思った。少年の船でも魚は取れていたし、技術はしっかり弟子に引き継がれている。解釈の幅は広そうだが、自分で考察できるのが良いと思う。

  • 老人が“北の国から”の田中邦衛と被った。大きなというか、はたから見たら小さな野望(大物を釣り上げる)をコツコツと自分の身の丈に合った窮屈な環境で黙々と取組む姿。ヒーローじゃないし、たとえ釣り上げてもそこまでのヒーローには慣れない… 腕相撲のくだりもそれを際立たせてる。そして、釣れたのに、獲物を鮫に喰われちゃう…
    与えられた環境で、ささやかな野望を持つのは、広く一般受けするんだろうな。そして、厳しい自然環境に身を置く人間の原体験みたいな物も想像でき、ある意味ノンフィクションばりのリアリティーがある。(船釣りやボート釣りをしてる人なら感じられるだろう)
    ひたすら無垢に慕ってくれる弟子の姿も、家父長制と一線を画していて、孤独で地味な師匠の存在という関係性もしみじみと雰囲気あった。

    個人的には、ここからリベンジする老人であってほしいし、大物なんて、大したことないって言う心境まで行って欲しかった。

  • 老漁師の孤独な仕事と生き様が描かれています。
    海上での淡々とした手捌きと淡白な感情に、老人の人生に対する受容と葛藤を感じました。
    魚を釣るために努力し、その成果に歓喜し、そして現実の厳しさに直面します。
    この綺麗な物語の流れには、人の一生における盛りと黄昏が表現されているように思えました。
    味わい深い一冊。

  • ピューリッツァ賞取ったんだよね?
    この物語が好きだっていう人も大勢いる
    骨だけになった18フィートの魚は、老人の奮戦は、砂浜のライオンは、何かのメタファーなの?
    男の夢なの?ロマンなの?

  • 私の頭の中では、本作と『白鯨』がごっちゃになっているらしいことが判明。こりゃ『白鯨』も読みなおさなくちゃならんかな。(でも長いな。)ストーリーとしては単純でそれほど含みはないように思うが、負けない老人サンチャゴのキャラ、サンチャゴと少年との関係、が魅力的。結局サンチャゴも少年も年齢が明確に規定されてないのに、人物像がここまで浮かんでくるのがちょっと不思議。

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