her/世界でひとつの彼女 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
- ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4548967129793
感想・レビュー・書評
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AIが人間を超えるという話はよく出てくるモチーフだがどこか奇をてらったところがあったように思うが、ここでは全く人間と同じ水準でAIが登場する。SFというよりは新しい恋愛映画のようである。肉体を持たないことが欠点のAIが肉体だけを提供する人間を探し出したり、また亡くなった有名人の全部の著作などを資料としていれることで、AIとして成長をしており、AI同士の親交、さらにマルチタスクならでのたくさんの恋愛関係など、後半は人間が取り残されていく。
将棋ですでに対人間ではなくとAI同士の対局に焦点が移ってきているのに似ている。取り残された人間が仲良くなったりしている。
前の奥さんとの回想シーンなど映像が瑞々しいのも恋愛ドラマの格調を感じる。これはアリだなと思わせる作品でした。
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脚本や演出が素敵なのは今更言うまでもない。
特筆しておきたいのは、静謐と表現したいほど静かかつ孤独な音づくり絵づくり。
テーマはきっと、「わかりあえなさ」。
それが「男と女との」、と、「人間とAIとの」、にずれたり重なったりするので、テーマがぼけているともいえるし、深みを増しているともいえる。
また恋愛に必然的に伴う占有と、現代社会を成り立たせているシェアの感覚は、どうしたって両立しない。
だから結局は訣別。
というより、AIの側がシンギュラリティを越えて「去って」しまう。
ここで途中匂わされていた、「このAIはローカルじゃない」という特徴が最終的にミソになるのも、よくできている。
サマンサの気持ちになってみたら、それはそれで別の物語も見えてくる。 -
肉体を持たないOSとの出会いにより、何時しか彼の心に灯りがともり始める。
好きで愛し合って結婚をしたのに、別々の道を歩く事を決めた矢先の出来事でだった彼。
寂しさを埋める矛先がなく。
甘えたいけれど理性が邪魔をして。
男の人の弱さを垣間見る事が出来たとも思いました。
どんな時も。どんな自分も。どんな彼も彼女も。ありのままの姿で。
弱さも強さも。
研ぎ澄まされた感覚は。
耳を通して感じる世界は愛で溢れていて。
相手の息づかいや鼓動。唾を飲み込む音さえも愛おしくて。
今日は何食べたの?
今日は誰と会ったの?
今日は何をして過ごしたの?
知りたい気持ちが溢れんばかりで。
あなたの世界を教えて、と。
喜びも憂いも共に。
2人の間には温かくて。
思いやりの心で溢れていて。
誰かを想う気持ちに溢れ。
心解ける瞬間は、とても居心地が良いものだ。という事を改めて感じました。
愛する喜びを知った彼は。
愛を知った彼は。
愛を通して心を通わせる事を知った彼は。
これからも愛するという事に全力で向き合っていける。と思いました。 -
あまり期待せず観たんですが、前半がとても面白くて「★5にしよう」と思ってたら、ラストでがっくり……いやもうちょっとやりようあるんじゃない?俺だったらメーカーにクレームつけますが……。あと、ラストで主人公がしたことも、中盤で本人の中で結論出てる(主人公が成長できている)ことだと思ってたんで、それをラストに持ってくるのも「???」となってしまった。
それと、他の方のレビューを読んで気づかされたけど普通はVRに行くだろ!というところが実はあまりリアルじゃないし、フィジカルじゃないんですよね。そういうのが作品のテーマなはずなんだけど。
この映画観てて思ったのは、やっぱり『2001年宇宙の旅』だし『火の鳥復活編』なんですが、それらはもう古典だから引用云々は別にしても現代的にちゃんと面白いものができるはずです。でもVRじゃないオナニーをしてる限りじゃ、『火の鳥復活編』の魂が溶け合うセックスを越えてないですよね。
この映画はSF恋愛映画だけど、ストレートに攻殻機動隊にして子育て映画にしたのが『チャッピー』で、どちらもAIものだから根っこは同じです。どちらかと言うと、好きなのは『her』の方なんですが、『チャッピー』はオチが予想通りだったんでどっちもどっちかも。
SF的な要素を除いて、「二次元の女が好きなキモオタと一緒じゃん」と言う方いますが、それとはちょっと違うと思う。相手はAIなんだから、どちらかと言うとSNSでの恋愛に近いです。序盤のエロチャットつうかテレフォンセックスとあんまり変わらん気はしますが……まあそこがセックスのみと恋愛の違いなのかも。
キャストについて。
「男の夢?それはスカヨハとヤることだ!(キックアス2)」をまさに体現したような。それとは別に、今まで観た中で一番エイミーアダムスがかわいい映画でした。
あと、最初のテレフォンセックスの相手ってクリステンウィグなんすヨォォォオ!!あそこ笑える。 -
2013年公開
監督 : スパイク・ジョーンズ
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妻との離婚に心を傷める手紙代筆家が、PCのOS人工知能と恋に落ちてしまうお話。
自己とは、他者との関わりの先に初めて見えてくる、外界との境界線なのかもしれないと、サマンサをみていて感じます。まあ見えないのだけど。人格とは何か、人が人を想う気持ちとは何かというのを、端的に浮き彫りにした、佳作。人は想いを何で信じるのか、独占か、犠牲か、それとも無条件で信じられるのか。
描写の全てが、なんだか非現実的なパステルな霞に包まれたような風合いで、色彩がとても美しく、スパイク・ジョーンズだなあと。彼の作品の中では一番、主題がクリアで見やすくそれでいて美しく哀しい、好きな作品。 -
OSと恋? 何だよ結局、そこに人間を見てるんじゃん。って。OS優秀だし、人以上に気遣いもできるけど、結局ね。
まぁ人同士の恋も、結局、OSとの恋と変わらない部分もあるな、って思えたのは面白い。相手の全てではなく、知りたい部分から知ってんだよね、とか。 -
なんかバーチャルな彼女って事で
ま~今迄にもこの手の話って
あったよな~とか思いつつ観た。
評判がいいのは知っていた。
だから、期待も大きかった。
だからね~もっと何かを得れるのかなって
そう思ってたんだけど、結局なに?
って、そんな思いがよぎった。
全編通して、近未来の感じが
素敵だよね。
洗練されてる未来だ。
そのあたりは非常にオシャレ。
社会風刺にもなってないから
ありきたりの映画ともちゃうね。
なんだろう…
不思議な映画…
そう言いながら、
結構引き込まれた事は確かだ。
結果、コミュニケーションが
一番大切なんだってところか。 -
会話劇として、セリフを丁寧に積み重ねていたり、劇中曲がさりげない静かな曲なのに印象に残るなど、繊細で計算された作りが、人と声だけのAIとの恋愛という設定に、現実感を持たせています。まあ、スカーレット・ヨハンソンのハスキーボイスは聞いているだけで恋心が芽生えそうですが。
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