- Amazon.co.jp ・電子書籍 (388ページ)
感想・レビュー・書評
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どろりとした血と情念を感じさせるホラーの中編二本。
バラバラの短編が一本に収束していく形は上手いと思いました。怖いかどうかになると、得体の知れない土着的な怪談に恐怖を感じる人はホラーとして楽しめると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間のおぞましさにぞっとしつつ、でも結局は得体の知れないものの方が怖いのでは、との感想もありつつ。 今まで読んだ本の中でもかなり怖い。 絶版になっていて、図書館にも置いていなかったのでkindleで購入。 手に入らないけど面白い本が世の中にはたくさんあるんだろうな。
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読み応え抜群のジャパニーズホラー。人間の醜い部分や情念を煮出した如く濃厚なおどろおどろしさに胸焼けしそうな程だった。話が複雑に絡み合ったり後から人物同士の繋がりが判明する箇所が多く、すぐ巻き戻れるよう電子よりも紙で読めばよかった。和ホラーは読み終わった後も余韻が残る…。
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よく怖い話のジャンルで「人間が怖い系」ってあるけど、このお話も広義でそのジャンルな気がする。
いわゆるサイコパスのように人がそのものが怖い(「黒い家」みたいに)訳でなく、怪奇現象に人間の情念(しかもすんごいネガティブなやつ)が絡んでいる話。
御神体(神が宿るもの、宿る目印となるもの)の霊バージョンって何と呼称するのか分からないけど、そうした「御神体」に、生きた人間の情念(呪術廻戦でいうところの呪い)が集まるとめちゃくちゃ禍々しい。
そういう意味で澤村伊智さんの作品に通じるものを感じた。 -
繋がってしまう恐ろしい。
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得体の知れないもの、目に見えないものがこんなに恐ろしいと思い知らされた。
出来過ぎのようでいて、どこか納得してしまう縁。
読んでいる間の恐怖と読後の爽快感。
8月を締めくくるのに相応しい一冊だった。 -
読者がこの作品を読んで怪異に遭ったという曰く付きの一冊。その話は読んだ後に知りたかった!
(幸いに読んで居る最中に何事もなく読むことが出来た)
この本の中で繰り返し語られる「拝み屋とは地味な仕事だ」とは、前作や他の作品を読んで違和感のない感想だ。だからこそ、この一冊にまとめられた事件が、異様だということがわかる。
怪異の恐ろしさ、理不尽さもさることながら、ミステリ的な読み解きもできる面白い一作。ただ、楽しんでいい娯楽作品でもなく、理解してぞっとする類のものである。
どちらかというと、他作品のようなものの方が安心して読めるというか……この作品は怖すぎる。 -
「怪談始末」が面白く、その中のエピソードに繋がる長編ということで速攻で読んだ一冊。
本当にこんな事が実際に?と思うように怖いことがわんさか起こる。しかもノンフィクションと思いながら読むと、こちらまで悪いことがおこってしまいそうな不気味な気配がある。そして感情移入しすぎてはらはら泣いた。
最初はバラバラだったエピソードが、運命だったように繋がっていき収束するまでの読ませかたが上手く、あっという間に読みきってしまった。