とても面白かったです。
壮大かつ不思議な世界観で描かれるファンタジー小説といったところでしょうか。
「星見のヒソク」である幼い妹の代わりに王宮に上がり、「青の王」の側女となった少年セージ。
どこか冷酷な青の王アジュールに翻弄されっ放しのある日、「赤の王」であるギュールズと出会う。
優しく穏やかなギュールズはアジュールとは真逆で、2人は次第に惹かれ合うようになる。
だが、「5人の王」の中で最高権力を持つ「青の王」の所有であるセージがギュールズと恋を語らう自由は許されなかった。
しかし、妹を守るために身代わりとして王宮へ上がったはずなのに、妹ヒソクは攫われ瀕死の状態で見つかる。しかも、ヒソクこそが「緑の王」であるという残酷な真実まで突きつけられることになった。
ー自分は妹を守れなかった。
妹の死に打ちひしがれるセージに今度は「緑の王」の徴が現れる。
「王と王が抱き合えば、呪いとして両方、もしくは片方が死ぬことになる」。禍々しい呪いゆえに、「5人の王」の1人と認められたセージはギュールズと想いを通わせることはできない宿命だ。
だが、自分が妹を守ったはずなのに、逆に妹に守られていたーと知ったセージはもう二度と「大切な存在」は持たないと誓う。
そのために、心ならずもギュールズに気のないふりをするのだった。
、、、と、大体、こんな内容なんですが、一見、冷酷に見える青の王が実はセージの「真実の運命の相手」ではないかとー「匂わせ的」な伏線描写があります。
となると、ギュールズとの恋はどうなるのか?
また死んだはずの妹ヒソクが死に際して「蘇り」を予言したので、一体、どういう形で再びセージの側に現れるのか。その辺りも気になります。
なかなか興味深い物語で、この勢いで続きも読もうと考えています。