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Amazon.co.jp ・電子書籍 (520ページ)
感想・レビュー・書評
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めちゃめちゃおもしろかったー。
火星にひとり取り残された宇宙飛行士がなんとか生き延びようとする、って話で。NASAの宇宙飛行士なのでそれはそれは頭がよく、科学的知識もそれはそれは豊富なので、水つくったり、酸素つくったり、土つくったり、ジャガイモつくったり、ベッドルームつくったり。最初は、宇宙に取り残されたというのに、ひたすら淡々と科学的な説明をしつつ酸素や水をつくっていくっていう日記で、これが最後まで続いたらどうしよう、と一瞬思ったのだが、その淡々としてるけどユーモアたっぷりの文章にどんどん引き込まれていって。
とにかくひとりぼっちで火星で死ぬかもしれないのに、まったく、かけらも、絶望や不安や悲壮感がなくて、日々仕事して、あれこれ工夫してお風呂入ったり、仲間の残していった70年代ドラマ見たり、なんだか火星でひとり生活楽しそう、って思ってしまうような感じで。
わたしは理系に非常に弱いので科学のあれこれ宇宙のあれこれはまったくわからないんだけど、少しはわかったらもっとさらに楽しめるのかも。
地球側の人たち(最初、だれも出てこないでほんとに火星の人の日記で終わるのかと不安だったけど)もみんなユーモアがあって楽観的で、そしてみんないい人で、人間まだ捨てたものじゃない、って気になるし。
もちろん、宇宙モノらしく、手に汗握るようなページターナーなハラハラドキドキ場面もあるし。
SFって、けっこう地球滅亡とか人類の危機とか、そうでなくとも気が遠くなるような年月とか考えてしまい、読むとなんというかすごく不安な気分になることが多い(のはわたしだけ??)のだけど、これはそういう気持ちにならないところもすごくよかったな、と。
こういう話をもっと読みたいー。 -
最近、家庭学習の中で中学1年生の息子に火星関連の動画を結構見せているので、この本もどうだろうと思って再読。火星に取り残されたワトニーの様子は、ロビンソン・クルーソーのようだ(状況は更に過酷だが)。生きることを諦めず、抗い考え動き続け(たまには怠け癖が出たって見逃そう)、ユーモアを失わずにいるワトニーから、息子には色々と感じてもらいたいもんだ。
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エンタメとしてはマット・デイモンの演技が好きなのもあって映画に軍配を上げるのだが、原作が面白いからこその実写化だなーと。
電子書籍は、その作品の新版が出ると旧版のダウンロード先がストアから消えることが良くある。ダウンロードできなくなるのではといつも心配になる。この作品もストア掲載が消えていたのでヒヤヒヤする。 -
プロジェクト・ヘイル・メアリーが面白すぎたので、過去作に遡って読んでみた。トラブルに巻き込まれて火星に残された主人公が、自身の科学の知識を元にトラブルを解消し、なんとか生き残っていくという話でした。いろんなトラブルが発生するけど、とても前向きに対処している姿が非常に印象的でした。小説も面白くはあったけど、映像で見てみたいなと思う作品でもあるので、映画版である「オデッセイ」もそのうち見てみたいな、と思ったりしました。
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おもしろかった。胸が躍るような気持ちで読み進むんだ。
宇宙飛行士がトラブルで火星に立った一人残される設定は、昔懐かしい「ロビンソン・クルーソー」を思わせる。ただし、文明から切り離されているとは言え空気も水も野生動物も存在し、近くを船が通ることすら期待できる無人島と、火星とでは生き延びる困難さがまったく異なる。火星へ数回の探検隊が送られている世界が舞台だが、そのテクノロジーは現代とほとんど変わらず、地球から火星に行くのにも年単位の時間がかかるのである。そんなところにたったひとりで取り残されたら死ぬしかないと思うのだが、限られた資源を最大限に生かす工夫と不屈の精神、そして何よりもユーモアで生き延びていくのである。
この「ユーモア」というところがとっても素敵で、いつの間にか主人公が大好きになる。取り残されたことだって、やむをえない、仕方がないと分かっていても、自分の命のことだから、どうして見捨てたんだと恨みの一つも言うのが普通であると思う。しかし、彼はそうしない。合理的・科学的な分析をすることで自分を宥めつつ、ユーモアと優しさを忘れずに、自分を置き去りにした人たちを思うのである。まいったなあと思う。
そういう主人公の凄さが、結末のとても大きな幸せ感につながるのだろう。テクノロジーの勝利でもあり、人間の持つ意思とかアイデアの強さもとても感じるけれど、その背後にあるものがグンと出て来るラストはある意味思いがけず露骨で、だからこそ強く胸に迫ってきた。うまくいったか思えば次の困難がやってくるという繰り返して、胸を躍らせはらはらとしながら読んでいったが、このある意味「おめでたい」ラストはとてもよかった。
いい本を読んだと思う。さて、映画は観るか? -
NASAの火星探査プロジェクト〈アレス3〉に参加した宇宙飛行士のマークは火星で事故に遭い、彼は死んだものと思った仲間たちは地球への帰路についてしまった。NASAともロケットとも交信するすべのない状態から、マークはいかにして生き延びるのか。火星サバイバルSF。映画「オデッセイ」原作。
初っ端からめちゃくちゃハリウッドっぺー!しかも90年代っぺー!ので、映画化されたのも納得。“アメリカ人が理想とするアメリカ人”的なマークのキャラクターと、NASAの面々が地球で繰り広げるジョークの応酬がマジで30年前の映画っぽいのでなんなんだよと思いつつ、ここまでポジティブな小説を読むのも久しぶりだなぁと思った。
マーク本人が「NASAに頼らず一人でなんでも決めてたころが懐かしい」とこぼす場面もある通り、NASAのターンよりマークの一人語りの方がずっと面白く、通信不可能になるたびに喜んでしまった。マークのログは火星でのHow to サバイバルになっていて、それが全然知らないキャンプ知識を語っているユーチューバーの動画を見るような楽しさなのだ。
キャラクターはルイス船長とフライトディレクターのミッチが好きかな。マークと同じく二人ともリスクをとって生存に賭けることができ、他人を信頼し自分の責任をきっちりとれる人物。ルイスみたいなキャラが70年代ディスコのファンだと面白い、って感覚は古臭すぎると思うけど。ヨハンセンが若くて可愛いという理由で男性陣からハラスメントを受けるのも嫌。
そんなわけで、小説としてはノリきれないところもありつつ、空想科学読本としてはとても楽しかった。作中、「火星にくること自体、不必要な危険でしょうが」とルイスが言う通り、そもそも宇宙に行こうなんて思わなければ火星でサバイバルすることだってない。NASAのプロモーションかよ、と鼻白む気持ちもありつつ、やっぱり宇宙飛行士は人類の夢を背負っているのだなぁと思いました。 -
停電中にkindleにて読了。冒険譚。
映画にもなったし評判も良かったので選んだ。火星に取り残されて、死にたくなるような状況でも明るく目の前のすべきことをする人の話。時には怒りに暮れてわめいたり物を壊したりする(アメリカ人らしい)ところもあるが、すっきりした後は、できる事を手を付けて、道が開けていく。見習うべきヒーロー。感動もあって、星五つ。 -
終盤あたりで「これはガチ宇宙オタクの火星にいったらとうするかのシミュレーション小説だな」と気づいた。
インテリの本気を是非読んでほしい。 -
初版本。火星でロビンソン・クルーソー。息子が中学生の時に、読書感想文のネタ本にした。結構なボリュームがあるのだが、よく読んだなあ。生きるために、知恵を絞り努力するところが自分と比べて…。そんなをこと書いていた。
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主人公のマーク・ワトニーがとにかく素晴らしい。楽観的だけど慎重。悲観的だけど大胆。あらゆるアイディアに対して検証と妥当性確認をこれでもかと言うほどに丹念に繰り返すエンジニアの鑑。知識とユーモアの歯車による推進力。マーク・ワトニーが素晴らしい。
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「The Martian(火星人)」と題された原作と映画、日本では小説は「火星の人」映画は「オデッセイ」となりました。火星人だから面白いのに。
映画が公開されていますが、原作を先に読むという流儀に従い小説から。
とても面白かった。いろんなトラブルを知識と知恵で乗り越えて行く主人公に惹きつけられました。2時間の映画では、いろいろ端折られるんだろと想像できます。
プログラマーだった著者がもともとWEBで発表していたもの。評判を呼びまとめて読みたいと小説になったものだそうです。
科学的な裏付けに基づいた描写と主人公マーク・ワトニーのキャラクターもあいまって人気になったことが伺えます。理系の方でなくても読めるお話になっています。
宇宙戦争のような火星人は出てこないし、バローズの火星シリーズみたいに、プリンセスも出てこない。スタートレックのようにすました航宙日誌ではなく、チェンジログみたいな日記の語り口。Linuxベースのコンピュータが使われてるし、コマンドまで出てくる。
想像できる未来、リアルとフィクションをうまく繋いだお話、まるでキングみたい。
それにしても、NASAはすごい。科学万歳!
さ、映画観に行こう。 -
再読なのに、映画も観たのに、やっぱり何度も吹いちゃうし、掌に汗かいちゃうし、○○シーンでは震えがくるよ。おこもり状態の今読むと、マーク・ワトニーの懲りないユーモアに「イェーイ」です。
そうそう、火星に行く時はダクトテープを忘れずに。 -
火星探査中、砂嵐に巻きこまれた。
ミッションを中止し火星を離脱する直前に、植物学者でありエンジニアであるマークは大怪我。
死んだと思われ、他のクルーは火星を離れた。
奇跡的に助かったマークの火星でのサバイバルが始まった。
NASAの職員が偶然火星の衛星写真の変化に気が付き、マークが生きていることがわかった。
それから、マークを地球へ帰還させるためのミッションが始まる。
食糧なし
空気なし
水なし
そんな絶望的な状況を、超ポジティブなマークが生き残るために残された物資を改造していく。
ハラハラ、ドキドキ。
読み始めたらやめられない。通勤の地下鉄駅を何度も乗り過ごした。
☆10個つけたいくらい面白い! -
「火星の人」(アンディ・ウィアー:小野田和子 訳)[Kindle版]を読んだ。この愛すべきヒーロー『マーク・ワトニーに乾杯!小野田和子さんの翻訳も見事!これを書き上げた時アンディ・ウィアーは全身でのガッツポーズとともに心からの快哉の雄叫びをあげたに違いない。そのくらいの傑作です。
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もっと早く読めばよかった!と読み始めすぐに思った。
火星に取り残される+SFなんてとても暗い展開になりそう……と思っていたのに全然そんなことはなく
むしろユーモアのあるジョークで軽快に話が進んでいく。
翻訳者さんのセンスととても素敵だと思うし、原書はどんな風に書かれているんだろうと久々に英語で本を読みたい!と思えるような文章表現だった。
マーク・ワトニーは生物学者であり、宇宙飛行士でもあるわけで、専門的な知識があったからこそ、そして諦めなかったからこそ生き延びようとトライし続けた。
私が火星に取り残されるという機会は幸か不幸か人生において無いだろうけど、ここまでの絶体絶命のピンチにこんな精神的な余裕を持って対処することは可能なのだろうかと考えさせられる。
娯楽作品として見るととても楽しいし、前向きで、勇気を貰える。
けれど現実はなかなかうまくいかない。
だからこそ、完璧とは行かないまでも心のどこかに小さいマーク・ワトニーを住まわせたいと思う。
何かでしまった!と思った時、クソ!と思った時にまぁ待て落ち着こう、と気楽に構えられるようなそんな余裕が持てたら多分もっといろんな状況を楽しめる気がする。
宇宙空間での人体事情には詳しくないからわからないけど、無重力下において人は爪は伸びるのか、耳かきは必要ないのかということが素朴な疑問。
(映画だと髪の毛もヒゲも伸びてるので爪も伸びる気がする……) -
こんな前向きになれるメンタルを持ちたい。
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映画を見に行く前に原作を読みました。
大部分が主人公の日記形式で進行。
火星に一人置き去りという絶望的な状況なのに、とにかく前向きだし「一晩寝たらそんなに絶望的でもない気がしてきた」とか言い出すしで、このキャラのおかげでシリアス一辺倒になりそうなのにコメディタッチになっていてかなり救われる。
読んでて気づいたのは、ワトニーがストレスで眠れなくなったり、飯が喉を通らなくなったりという描写が無いこと。
毎日のように難題がふっかかってくるし、高確率で死ぬ状況なのに「やべーな、いい方法思いつかなかったら死ぬな。まあ、今日はとりあえず寝よう」で済ます。こういう図太さは極限状態で生き延びるのに大事な要素なのだろうなと。 -
映画になる、ということで読んでみました。
火星に取り残された宇宙飛行士である主人公ワトニーが、限られた資源の中でなんとか
生き延び、地球への帰還を目指す物語。
火星の風景や見たことのない機械がたくさん出てきますが、それを想像するのも楽しい。ワトニーの顔は完全にマッド・デイモンのイメージですがw
どんなやばいときでもユーモアを失わないワトニーかっこいい。機械にも植物にも強いスーパーマン。宇宙飛行士ってやっぱりかっこいいなあ。映画観るの楽しみです。 -
映画「オデッセイ」に向けて予習の為に再読。
いや〜、面白い!(でもなんでオデッセイ?)
2回目も一気読みです。マットディモン主演で映画化、12月公開と言う予備知識だけは有る。
あのシーンはどう映像化したんだろ?どのシーンをカットするんだろ?あの笑えるログは残してくれるんだろうか?何より泣かせてくれるんだろうね?
映画も2回見たいと思わせる出来に仕上がっているんだろうか?
興味のネタは尽きない。あぁ、早く観たい!
監督はリドリースコット、きっと期待を裏切らないでしょう!公開を待ってるぜ‼︎
P.S.
今ネットを見たら2016年2月公開なのね。
楽しみが先に伸びた!我慢ガマン。
アンディ・ウィアーの作品
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感想 :

この本すごく面白そうですね!
「NASAの宇宙飛行士なのでそれはそれは頭がよく、科学的知識もそれはそ...
この本すごく面白そうですね!
「NASAの宇宙飛行士なのでそれはそれは頭がよく、科学的知識もそれはそれは豊富なので、水つくったり、酸素つくったり、土つくったり、ジャガイモつくったり、ベッドルームつくったり。最初は、宇宙に取り残されたというのに、ひたすら淡々と科学的な説明をしつつ酸素や水をつくっていくっていう日記で、これが最後まで続いたらどうしよう、と一瞬思ったのだが、その淡々としてるけどユーモアたっぷりの文章にどんどん引き込まれていって。」
niwatokoさんのレビュのこの部分に心惹かれました。
その淡々とした感じ、ツボな気がします。
SFは難しい、こわい、というイメージがあってあまり読まないのですがその心配もなさそうな本のようなので年末年始に読む本のリストに加えたいと思います。
素敵なレビュありがとうございます♪
わたしもSFはあまり得意ではなく、同じく、難しいー、こわいー、と思っているんですが...
わたしもSFはあまり得意ではなく、同じく、難しいー、こわいー、と思っているんですが、これは最後までとても楽しく読めました! 水つくるのに酸素と水素がどうとか科学的な話もけっこう書いてあるんですが(でもそれほど難しい話じゃなく、かみくだいて書いてるんだと思う)、そのへんはさーっと流して読んで(笑)。宇宙がどうとか未知の世界がとか大げさなところがまったくなくて、そこが火星というのを忘れるような、狭いキャンプみたいなところであれこれやってるところが地味で楽しいです。読んでみてくださいませ。