DIABOLIK LOVERS MORE,BLOOD LIMITED V EDITION - PS Vita
- アイディアファクトリー
- Amazon.co.jp ・ゲーム
- / ISBN・EAN: 4995857093687
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
悲しい事にストーリー、主人公の性格、その他どれをとっても統一性がなく深みに欠けるのはこのシリーズのお約束ともいえるものになってしまっています。が、フルコンしました。
一番最初の無印で沼に嵌まった人にしてみれば悪いゲームではないと思います。
ただ以前は物語終盤で分かるような盛大なネタバレがあっさりと序盤で説明され主人公もそれを知っているという土台からして謎展開ではあります。が、その辺が省略されている分彼らと主人公の距離感が縮まって尚且つストーリーも進む…
「続編」というよりも「ちょっと違う選択をした(ついでにキャラも増えてる)別のディアラバ」といったパラレルワールドのようなノリでやるのが一番表現として近い気がします。
まず逆巻兄弟達についてですが、無印と比べるとかなりデレ比率が多いです。
かつて理不尽な扱いを受け、意味の分からない言動に真顔になりつつも謎のスルメ感に絡め取られ沼に沈んだユーザー方は恐らくこちらをプレイすると途端に「一体お前に何があった」とツッコミたくなる程度には主人公に対して刺が減っています。
以前は皆無に等しかった「乙女ゲーム」としてのアイデンティティーが感じられ若干感動を憶えるレベル…しかし時々思い出したかのように理不尽モードに突入しキレてくるので迅速に心を切り替え対応してください。
あと、無印では名前程度で流されていた父親がビジュアルにボイス付きで頻出してくるのでなんとなく真相が分かりそうな空気になりますが結果的にどのルートでもあまり分かりません。基本的にまだ続きがありそうなことを匂わせて終わらせるスタイルです。
次に無神兄弟達についてですが、彼らは最初から何不自由ない身分であくまで家の中で一悶着あった逆巻側と違い、どのキャラも程度は違えど底辺から這い上がってきた壮絶な生い立ちを持っているのが両兄弟の大きな違いの一つです。
主人公が感じる苦痛などを自らも知っているからこそたちが悪いのが彼ら。
…かといってその過去があるからって主人公への扱いをプレイヤーが容認できるかと言えばそうではないですがw
正攻法な乙女ゲーならトラウマ持ちに対して主人公が歩み寄り傷を癒していく丁寧な流れがあるんでしょうが基本無神兄弟達も勝手に言葉攻めして勝手に主人公に惚れて主人公もたまに見せる飴対応でいつの間にか絆されています。
ちなみに逆巻兄弟側のルートでは大体噛ませ犬として頑張っていて、いっそ良い奴なんじゃね?というオーラを放ちユーザーを騙しにかかってますのでその印象の差も見所かと思います。
正直言ってこのシリーズをプレイするのであればどの作品をやるにしてもシナリオの深さを重視する人にはお勧めできないのは相変わらずです。
やはり声優さん、もしくはイケメンに吸血されるっていうシチュエーションが目当てな人じゃないと駄目だと思います。
個人的に驚いたのはいわゆる「グッドエンド」と銘打たれている終わり方がちゃんとしっくりくる感じに纏まっていたこと。そして以前は徹頭徹尾ぶつ切りでイライラしかなかったシチュエーションパートとストーリーパートの二つに僅かながら繋がりがあったこと。
一体無印のやりとりはなんだったのかと喉まで出かかりますがなんだかんだその辺の話も一応必要な流れではあるので決して無駄ではないです。
もしお時間あれば好きな方は無印から順番にやってみてください。