木暮荘物語 (祥伝社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 祥伝社
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感想・レビュー・書評

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  • 木暮荘という2階建ての安普請の古いアパートに住む人たち。
    独身の女性や会社員女子大生にこのアパートの大家の親父と6世帯あるアパートに4人がここに住んでいる。
    それぞれの生活やその日々と、木暮荘の近くに住む近隣住人やアパートに住む4人の友人や勤め先の人などが絡み合ってそれぞれの視点から書かれたオムニバス形式の一冊。
    古き良き時代のアパートの物語(実際は今の時代だが)建物自体が古く古いがままの家賃でそこに妥協して住んでいる彼らの日々がものすごくノスタルジックで私の琴線に触れる一冊でした。
    私は図書館で借りたので文庫本ではなく初版の物を読みました。

  • 出先で読み進めたため、思いのほか性的でうろたえた。
    登場人物がそれぞれ少しズレてて愛おしい。
    テンプレではない愛のカタチに妙に納得する。
    嫌みのないあたたかい物語。

  • 小暮荘の住人や他の登場人物、みんなに愛着が湧く。面白かった。

  • 古いアパートに住む、ちょっと風変わりな人たちと出来事からなる短編集。作者のまなざしに温かさを感じる。

    そして、性を日々の営みとして書かれていて嫌味がない。但し、男性にとっての性の描き方はどうなんだろうと少し疑問を感じる点もあった。それ以外は、読んでいて日々の暮らしがいとおしくなるような作品だった。

  • 古い木造の2階建てアパート「小暮荘」にまつわるお話。
    住民や近隣の人々の生活が描かれる

    性にまつわる話など、リアルなものも多いが
    何故かサラリと軽快な語り口。

    明日へ向かって行こうと思える1冊

  • どの登場人物も少しいびつながらも魅力的で、そこそこ楽しくさらっと読めるが、心に響く何かがあまりない。

  • 記録
    2020/9/29

  • 小暮荘にまつわる人々の物語。短編集。
    題材は性にまつわることが多いが、いやらしさは感じない。

    三浦しをん作に出てくる登場人物はいつも、読み終わった時に寂しさを覚えるほど愛着が湧いてしまう。
    のらりくらり、飄々と、時には図々しく、でもどこか憎めない。どこか陰りがあったり、完璧ではない人間臭さがある。

    小暮荘物語は、決して"ほっこり"という話ではないけれど、小さなことでくよくよせず、前向きに頑張ろうーという気持ちになれる話だった。

    そしてやっぱり、読み終わったことにちょっぴり寂しく思った。

  • 読んだのだいぶ前で詳しく覚えてない。
    けど一つの家に色んな人が住んでて、それぞれ人生があって、一箇所のアパートで交わり合うのいいなって思った。

  • 小暮荘に暮らしたり、関わる人を主人公にした短編集。題材にはセックスを扱ったものが多いが、人の人情が暖かい話ではある。シンプリーヘブン、心身、柱の実り、黒い飲み物、穴、ピース、嘘の味。

  • 死ぬ前にセックスがしたい!でもきっと妻は応じてくれない。誰とすればいいんだ!?と悶々と悩みデリヘルを頼んだ老人。老人の話し相手になる隣の部屋の女子大生。女子大生の部屋を天井の穴から覗き見する男。柱から生えてくる謎のキノコ。元カノをストーカーするカメラマン。どの話もぷっと笑えて面白かった。一番好きなシーンはデリヘルの女の子が「ままよ」とばかりに隣の部屋に入っていくところ。

  • 私にとって適度なエロさが、どんどんページを進めさせる。
    正直同じ環境で二階に住んでたら、覗かない自信はない。つうか覗く。男だもの・・・。

  • 世田谷代田駅徒歩5分のおんぼろアパート「木暮荘」に住んでいる人々の話。オムニバス形式で描かれている短編集。
    性にまつわる描写が多いが、いやらしい感じはあまりせず、他人とどこかで繋がっていたいという寂しさでもがいている人々という印象。二階の会社員と一階の女子大生の何とも言えない関係が意外と興味深い。

  • 三浦しをんは毎回面白い。

  • 小暮荘という古いアパートに関わる人々それぞれの視点からつづったオムニバス形式の短編集。玉石混交の感はなきにしもあらず。私好みだったのは巻頭の不思議な三角関係と巻末の不思議なめぐりあわせの二人。女子大生と2階の住人ふたりの関係性もおもしろかった。

    いずれも、ひとと関わるということについて、いろんな角度から描いているような気がする。

  • 僕がきっと毒の多い人間なんだろうな(笑)。きれいに書かれているなぁと思ったけど,ぐさっとくるところがなくて,まあそれを言うなら三浦しをんを読むなよってことなんだろう。しかし,キョンキョンの推薦文と筆者のサインに惹かれたのだ。やむを得まい。(済まん,これは感想に属するのだろうか。。。)

  • 収められたどの話も性がからんではいるが、どろどろベタベタしている訳ではない。おんぼろアパートが舞台なので、「人情味あふれる、ちょっと泣けてほっこりできる話」かと勘違いするが、そんな陳腐な短編集ではない。男女がテーマではあるけれど、人としての生き方そのものについて考えたくなってしまうような、奥深さがある。

  • 先日読了した中島京子さんの本もアパートが舞台だったけど、こちらも同じようなそこに住む住人たちの短編というスタイル。老人の性問題あり、浮気問題あり、のぞき問題あり・・・と普段すまして生きているときにはできるだけ目をそらすとかそんなこと考えるなんて汚らわしいとか、そういうことが普通の人たちの日常として描かれる。性にまつわる描写が多いんだけど別にエロじゃないしそれは生の問題なんだと受け止められる。意外とね、深い問題提起をしてくれている本だなこれは。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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