池上彰と考える、仏教って何ですか? [Kindle]

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  • 飛鳥新社
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感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすい。
    一括りに仏教と言っても宗派によって全然異なるが、その根本の成り立ち、歴史が分かる。
    ダライ・ラマ法王との対談も実際にどんな考え方をすると良いか等具体的な考えが書かれている。

  • 輪廻転生。私が死んだ後、おそらく火葬にされるでしょう。煙になって、風に乗って、分子や原子レベルに還元されます。いずれ原子と原子がま結びついて新たな物質の一部になります。私を構成していたものは、消滅することなく残ります。命あるものになるかはともかく、原子・分子レベルで私は残るのです。

  • お葬式に出るとお坊さんが長いお経を延々と読んでいたりするが、その意味を理解できているかというとそうではなかった。いつか自分の身にも死が訪れることを考えると、仏教のことをもっと知っておきたいと思いこの本を読んでみた。実際に読んでみると、日本の仏教はブッダが作り上げたものとは大きくかけ離れているということを知った。本場の仏教を信仰するということはとてもハードルが高いものだと感じてしまうが、心安らかに生きていくための心理学として、仏教を一般教養として学んでいくというスタンスがあり、ダライ・ラマ法王もそれを推奨しているという点は非常に参考になった。仏教は寛大であり、科学理論とも矛盾しない。進化論とキリスト教の関係を考えるとこの点は仏教の最大の魅力と言っても過言ではないだろう。日本人にとっても受け入れやすいこの仏教から沢山の学びを得ていきたい。

  • 仏教の開祖はお釈迦様であると断言してしまうには、あまりにもかけ離れた日本の仏教感に違和感を感じて読みました。インドから中国にわたり、日本でまた新たな解釈がなされ、変化せざるを得なかったプロセスがわかりやすく書いてありました。
    日本の仏教は現在、13派の宗教に分かれたということですが、ひとつひとつの教えを学び、自分の性格にフィットする宗教を、「信仰」するのではなく、自分の思想や哲学の指南書としたいと思いました。
    世の中で起きる事象を宗教の観点から考察すると、どこかでつじつまが合わなくなります。その点、仏教は世界の宗教の中で、もっとも科学技術と相性のいい宗教なのではないでしょうか?とはいえ、仏教も完璧?ではないと思います。宗教の教えを盲目的に信じると、自分自身がどこかで無理につじつま合わせをしようとします。それはとても危険な考えだと思います。ですので、前にも書きましたが、あくまで自分の思想や哲学程度にとどめておくべきだと思いました。
    とてもいい本でした。読んでよかったです。

  • とてもわかりやすい。
    池上さんのフィルターを通ることにより、難解で複雑な仏教が理解しやすくなっている。
    そして、「あくまでも、池上彰のフィルターを通っているので、読者一人一人が考える必要がありますよ」というところまで示してくれている。

    唯一神の信仰ではなく、ひたすら自分の内面と向き合う仏教は、自分の性格に合っているなあと思った。

    日本で最も信者が多いのは浄土真宗だが、思えばこれは鎌倉時代、現世があまりに悲惨でせめてあの世に救いを求める庶民が、読み書き修行はできないけれど念仏を唱えるだけで極楽浄土に行けるということで広く普及したものだ。
    現代は、少なくとも鎌倉時代よりも生活は恵まれているし、誰でもお経の意味くらい調べれば理解できる環境にあるにも関わらず、何となく一方的にお寺側を「葬式仏教」などと揶揄してしまっていたなあと反省。

    また、何となく衆生救済の「大乗仏教」が「上座部仏教」より好きだなと個人的に思っていたが、ひたすら自分と向き合う上座部の考え方も良いと思った。

    私の認識している仏教は氷山の一角中の一角に過ぎず、ものすごく深くて幅広い解釈を持っている仏教。宗教というとスピリチュアルなものとして敬遠する人もいるだろうが、哲学的な側面が強く、とても興味深い。

  • 仏教入門。高僧とのお話パート長め。

  • 仏教のことだけでなく、日本の宗教観が世界的に見てどうなのか、池上彰さんならではの視点で書いている本。分かりやすい。

  • 仏教のなりたち、歴史を解説する内容。日本の仏教は葬式仏教と呼ばれるほど葬式でしかお世話にならない。自身も改めてどの宗派に属しているか葬式で認識したぐらいだ。檀家制度が江戸幕府のキリスト教禁対策の一旦であることは興味深い。また、カースト制度により、生まれながらにして職業や結婚相手など人生が決まってしまう仏教発祥の地インドでは『輪廻転生』思想により来世に期待して現世を生きぬく心の拠り所になっているのも面白い。死は衣服を脱ぐようなもので魂はまた新たな衣服(肉体)を手に入れるので恐れる必要はないのである。

  • 仏教の成り立ち、伝播、変化、日本に入ってからの変遷などがわかりやすく書かれています。
    宗教の一つである仏教について学ぶための入門書としてかなり優秀だと思います。

    いつかインドやチベットに行ってみたいと思いました。

  • 体系的に中立的に学べることを期待していたのですが、個人の思いや見解を述べる部分が多いように感じました。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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