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感想・レビュー・書評
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よきよき。
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決勝トーナメントでは強豪の石神高校と対戦する。火ノ丸は中学生相撲の国宝・沙田と対決する(川田『火ノ丸相撲 2』)。相撲の勝負は一瞬で終わるイメージがあるが、激しい攻防が展開される。激しい戦闘を楽しむという描写はバトル漫画でよくある。本作品は、その上を行く。勝利への執念があるならば笑う余裕はない。バトル漫画の新たな哲学を提示した。
文化祭では部員集めに精を出す。レスリングとの異種格闘技では相撲の特徴が良く理解できる。生徒会が相撲部廃部を目論む。学園物らしい展開である。
しかし、ヤンキーと生徒会がつながっている展開は萎える。自分の学生時代を振り返れば現実味を感じない。身内にヤンキーがいることは生徒会役員にとって恥である。
もっとも『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』の相楽左之助の郷里では権力と暴力の癒着が描かれた。現実にも警察官と依存性薬物売人の癒着があり、近時の少年漫画読者にとって現実味のある設定と受け止められているのかもしれない。
生徒会との関係以外も、ちゃんこを美味しく作る、道場を徹底的に綺麗にするなど、そもそもヤンキーらしくない。改心したとしてもヤンキーにできることではない。火ノ丸はヤンキー集団を数合わせで入部させていない。本作品はヤンキーを美化するものではなく、五條佑真は本質的にはヤンキーではないと位置付けても良いかもしれない。
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