ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ [Kindle]
- 東洋経済新報社 (2014年11月13日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (266ページ)
感想・レビュー・書評
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動画と組み合わせて見ると良い復習になった
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・議論の最終目的は「行動の決定」
・その過程で「より良い結論を導くこと」と「結論の納得感を高めること」が重要
┗これがないなら議論せずに誰か1人が決めて周りは従うだけでいい
・ファシリテーションには「仕込み」と「さばき」のスキルが重要
①仕込み(=議論前の事前準備)
・仕込みで行うことは3つ
1. 議論の出発点と到達点を明確にする
- 出発点:どこから議論を始めるか認識合わせする
例)キャンペーン実施有無から?実施は確定済で内容から?
- 到達点:どんな最終結論を出したいかを決める
2. 参加者の状況を把握する
- 参加者が「何を」「どれくらい」知っているか想定しておく
- 賛否の意見は「理由」「背景」まで聞き出す/イメージする
3. 議論すべき論点を洗い出し・絞り・深める
- 論点=意見の裏にある「問い」
- 論点の把握はファシリテーターにとって最も重要
- ただし1つの意見には複数の論点があるのが普通
例)売上上がらないから新商品開発しましょう
論点①:売上の上がらない原因は何か?
論点②:新しい商品を開発するべきか?
- 議論すると論点がズレていって混乱することがままある
- 事前に重要と思われる論点を整理しておく必要がある
②さばき(=議論中のスキル)
・さばきで行うことは3つ
1. 発言を引き出す
- 参加者の発言意欲を高め、発言内容を迷わないように誘導する
例)当社の現状をどう思うか?→売上低迷に関して◯◯さんの業務の中で思い当たる原因は何かありますか?
2. 発言を深く理解する
- 主張と根拠を整理する
- 分からない点は深掘りしていく
例)◯◯すべきかに対してYES/NOどちら?なぜそう思ったのか?
3. 議論を方向づけ、結論づける
- 論点を意識する
- 重要でない論点の場合は次回に回す(結構難しそう)
例)今日はキャンペーンのターゲットが論点なので、コストの話は一旦後回しにしましょう
- 話がまとまらなかった場合は、「何が合意できて」「何が合意できなくて」「どうすれば結論が出るのか」をまとめて終わらせる -
ファシリテーションについて丁寧に書いてある本。再読する。
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ファシリテーターの奥義は合気道にありという。会議の運営を司る者の頼りとなる本である。
会議の司会をするとき、自分の立ち位置にはいつも戸惑う。結論を急ぐのがよいのか、時間をかけても合意を得て、団結力を高めることに力点を置くべきか。
本書によれば、ファシリテーターは高所に立って議事を見わたす能力を求められるのだという。論理の流れを予測して到達点を見定めておく配慮がいるようなのだ。
言うは易し、でも何をやるべきなのかは行き当たりばったりになりがちだ。本書はそれを言語化している。目新しいことはないが、これまで手探りでやってきたことを類型的に整理できることでファシリテーターに近づける。そんな気にしてくれる本である。 -
今やっている仕事がまとめ役なので、焦って読んでみた。どうしたら参加者が『腹落ち』するかの方法について、いろんなタイプのやり方で図解してあり、文章だけよりも、振り返りがしやすくてよかった。
実際やってみて思ったのは、脱線なのか、有意義な自由な論議の延長ととらえるか。全体見てコントロールするのは難しいと思った。偉い人からあんまり知らない人までいるパターンなので、特にそうなのかも。
一通り読んで、毎回自分で試行錯誤に取り入れるしかないかなとは思う。実践あるのみ。 -
グロービスのファシリテーションの授業の内容を更に厚くした内容。