選挙2 [DVD]

監督 : 想田和弘 
  • 紀伊國屋書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215114981

感想・レビュー・書評

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  • 2013年 日本
    監督 想田和弘

    山内和彦、山内さゆり、山内ゆうき

    いやぁ、面白かった。私的には前作より面白かった。
    前作のときはあんなに監督の声が入ってなかった気がするんだけど、気のせいかな?

    前作では政治のド素人の山さんが周りに叱られながら教えられながらなんとかかんとか縁もゆかりもない川崎市の市会議員補欠選挙に出馬するお話。
    もう操り人形そのもの。

    今回は311直後に行われた川崎市会議員選挙に無所属で出馬するお話。
    1期、議員を務めて政治のこともわかり、選挙のこともわかり、なので自主性があるってか無所属だもんね。

    でも、全く選挙活動しない。
    唯一選挙日前日に防護服を着て駅前で短い演説、誰も聞かない。

    そう、ポイントは選挙が311直後だったってこと。関西と関東では空気感が全く違ってたそうなんだけど、4月の時点で「脱原発」って声高に言ってる山さんに誰も見向きしないって点が摩訶不思議。
    脱原発も市民の心には響かなかったのね。

    面白かったのは自民党の県会議員持田文男さんと川崎市会議員の浅野文直さん。
    このお二方、カメラを向けられることを非常に嫌い、写すなモード満載。
    前作にも出てて、たぶん、描かれ方が気に入らなかったんでしょうね。
    全く記憶にないんだけど、どんな描かれ方したんだろうなぁ
    浅野さんのスタッフの女性がめっちゃきれいな笑顔とめっちゃきれいな声でめっちゃ露骨に個人情報がどうのこうのだとか拒否りまくってたけど、想田さんが全くひかずに戦っていた。
    そして、今作は山さんの選挙活動映画っていうより、選挙活動のありようを撮った形になった。

    お二方のイメージは奈落の底へ落ちた。

    まぁ、こんな映画観る人限られてるからそんなに影響ないか(笑


    山さんのお子ちゃまゆうき君が超かわいかった、郵便局で「ジュース」って駄々こねて寝転がったり、一回こっきり山さんが演説してる横で派手に遊んでたり。
    いいねぇぇ、自主性がある。
    党に操られて活動してる選挙とは違う。いいわ、いいわ。

    でも結果は惨敗。
    そう、選挙ってこんなもんなのよ。

  •  前作で当選したが自民党を離れた山さんが、今度は完全な独立候補として大震災直後の川崎市議選に怒りの出馬。
     11年の川崎市議会議員選挙を追った想田和弘監督の観察ドキュメンタリー。

     選挙運動といっても今回はポスターの剥がれを直して回って、後はハガキを出すだけ。想田監督は山さんと話したり、他の候補者を追ったりするのだが、これがめちゃくちゃ面白い。
     選挙運動ってほとんどの人が見てなくて聞いてない。でもそんな唯一聞いてるのが他の候補者達なのがおかしい。公道での演説を撮影しないよう訴える候補者や選挙法の縛りでこういうことしかできないとカメラに訴える候補者などなど、とにかく面白い映像がてんこもり。
     最終日に一回だけ防護服のコスプレで演説する山さん。自分への投票ではなく選挙への参加を訴える山さんと、その横でそんなの関係なくアチョーアチョー踊る息子のゆうき君。このラストは今までの想田監督の作品の中で一番絵になるラストシーンだった。
     私はこの映画を見て選挙ってむなしいなと思った。でもすごく笑えて、最後に希望が残った気がする終わり方だった。

     想田監督の観察映画の中で一番好きな一本。 

  • 立候補はしているのだけれども、前作と違い、選挙色は強くない。
    前作は日本の古典的なドブ板選挙に付き合いながら翻弄される山さんを撮っていたが、今回はひとつ高い視点から山さんは立候補しているのだ。
    311後の原発をなんとかしないといけない気持ちから、誰もその話題に触れようとしないことにも腹を立てる。
    最後は防護服を着ての演説。
    今作は山内家という一市民を通して世相を見るような作りに感じたし、次世代についての思い入れも強く感じた。
    前回よりも問題提起や皮肉は少なく、山さんの良い人ぶりが際立ってました。

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著者プロフィール

1970年、栃木県生まれ。映画監督。東京大学文学部宗教学科卒。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒。台本やナレーション、BGM等のない、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。監督作品に『選挙』『精神』『peace』『演劇1』『演劇2』『牡蠣工場』『港町』『The Big House』『精神0』等があり、海外映画祭等での受賞多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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