すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 登場人物みんながみんな、不愉快に感じられてしまい、あまり好みではなかった。人間なんてみんな独りよがりで自分勝手なものなのかもしれないけど、それがあまりに強調されすぎてて。。主人公も、繊細なんだろうけど行動があまりに以上なのに近寄ってくる三束さんも何かおかしいだろう、と思ったら案の定で。。まぁある意味リアルだったのかな。うーん。もやもや。。

  • 読み終え、なんとも言えない感情
    スポットにはならないような、目立たない主人公が
    仕事に恋愛に友情に感情を揺さぶられていく日々。
    成長していくのかと思いきや、お酒と出会い、
    アルコールが無いと好きな人ともまともに目を見て話せなくなるようになる
    どこを切り取っても綺麗なものではなくて
    誰もが経験するであろう人に話せないような恥ずかしいことも含め、全てがリアルだった
    自分で選んで生きてきたと思えば流されてきた人生なのかもしれない。
    でも結局その道を自分が選んでるのであって

    自分が軸となって選ぶ道も
    他人きっかけで繋がった道も
    どちらも真っ当だと思うな

    ご縁があったのだと思うな。

    聖は同性からは妬まれやすい性格だけど
    人にどう思われたりだとか
    好かれたり嫌われたりを気にしない性格で
    他人に幸せにしてもらおうともしない

    誰もが持ちたくても持てないような
    そんな芯の強さとか
    道を自分で切り開ける強さがある

    私の憧れの女性だった

    そんな対照的な主人公と聖
    どちらも違う意味で世の中に上手く溶け込むのは
    下手くそだけど

    その2人が涙ながらにぶつかり、心を通わせたラストは感動した。


    でもまだこの描写は、シーンは
    何の為だったのか、どういう伏線なのか理解できないところがあって
    また読み直したいなっておもった




  • 出版社で校閲の仕事をしていた入江冬子(34)は、以前同じ会社にいた恭子さんに誘われフリーの校閲者になると、日々を孤独に感じだし、アル中になってしまう。


    という話、です、今のところ。
    なんか村上春樹っぽいなーと思ってたらやはり著者は大ファンなのですね。文章はそれっぽいけど今のところ何も起きてません。会社居づらいしフリーでも年収変わらないなら、と思って独立したけど、安定しないし、年収変わらないと社会保険とか考えた時にはマイナスだって気づかなかった、やばいどうしようって感じです。
    急にアル中になってて、なん大事なことを読み飛ばしたのかと思って読み返してます。
    (やっぱり突然アル中になったのね。日曜の昼間のカルチャーセンターで酔っ払って吐いたり寝てる人って怖くないですか。)

  • とにかく、なんでもいいから、恋愛小説がどうしようもなく、読みたかった。

  • 私にはまだはやかったと思う。
    主人公の不器用さというか不甲斐なさというか、生きることの下手くそさにいらいらしてしまった。
    時々ある「何をしても上手くいかない日」が永遠と続いていて、それを読んでいるような感覚になる。全体を通してうっすら憂鬱なほか、読んでいて起こる感情の揺れがほとんど無く退屈してしまった。
    強いてあげるなら、恭子さんとお茶する場面と聖が家に来て話す場面は気持ちが動いた。
    表現や言葉が綺麗なのは良かった。

  • 表現 描写がとても素敵
    ただ 陰

  • すべて真夜中の恋人たち

    彼女たちにはいくつもの選択肢があって、いくつもの誘惑があって、いくつもの偶然と事件が折りかさなっていて、そのどれを選ぶかで人生の色あいが変化するような、そんな可能性に満ちているのだ。

    わたしたちはお互いにお互いを構成するものをすこしずつ交換しながら、わたしは三束さんの記憶につまさきをそっと入れてゆく思いだった。

    わたしは泣きながら、頭のてっぺんに手を置いてみた。手のぬくもりはもう、どこにもなかった。

    わたしは三束さんのことを思い出して息を止め、ふたりで話したことを思いだし、とてもすきだったことを思いだし、ときどき泣き、また思いだし、それから、ゆっくりと忘れていった。



    失恋から立ち直った主人公が「すべて真夜中の恋人たち」を書くまでの話。今までの気持ちをただ並べているように思った。

  • 冬子は自分の気持ちや考えを表現すること、自分で主体的に何かを選択することなく生きてきた。行きづらい人生を送ってきたがふと出会った男性に恋らしきものをして自分の気持ちをことばにしてから、遠慮しながら付き合っていた友人にも思っていることを口にすることができた。結局その男性は自分のついていた嘘を謝り冬子の前から消えた。しかし彼女の明るい人生はそこから始まった。これからは昼間の恋ができるのだろう。

  • ところどころ必要じゃないところまで平仮名で書かれてるのが、素朴さを打ち出すだけが純愛じゃねえぞってなった。三束さん実はフリーターってなに、しかももう会わなくなるオチひどい、綺麗でも何でもない。聖は私っぽいけど嫌い。

  • 初めて読んだ川上未映子先生の作品です。
    一言でこの本を表現するなら無味無臭です。後味はほとんどなく、それこそ人生の一部分の他愛のない恋愛話、それでいて確かな人生の一ページとして自分を構成する上で重要な経験、そういったものを濃縮した本であると感じました。

    正直申し上げて、登場人物はほとんど好きになれないものが多かった印象です。よくもわるくも登場人物の考え方が極端で、エゴの塊のような聖、優柔不断で酒に溺れ他人に迷惑をかける主人公や経歴詐称をする三束等
    個人的には相いれない登場人物が多かったです。結局のところ作者は物語を通して何を伝えたかったのかを考えると、それぞれの人間のエゴを描きたかったのか、はたまた純粋に口下手な主人公の恋愛ものが描きたかったのか読み終わったのちに疑問が残る作品でした。

    ですが、川上先生の文章力や表現は情景が浮かぶようで素晴らしいものでありました。登場人物の心情も繊細に表現されており、中には自分と重ね合わせ感情移入できる方もいるのではないでしょうか。

著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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