三日間の幸福 (メディアワークス文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 「人生って最後の数日まで何が起こるかわからない」
    「自分なら人生の最後の数日を何に使うだろう?」
    「近くにいる大切な人をきちんと認識して、言葉に対して大切だということを伝えよう」
    「人を大切だと思ったり、自分がこれが好きだということを思うだけではなく行動に変換しよう」
    こんなことを感じました。

  • こんなに簡単に人生は売れないだろうな。クスノキとミヤギの思い切りの良さに驚きです。あと3日間、お幸せに。

  • これまでいいことがなかった主人公。昔の子供の頃の思い出にすがり、それがかなえられると思っていた。そんなとき不意に立ち寄った店から人生を買い取るお店があるときく。ここから短くても長い本当にやりたかった人生が始まる。人生のつきるであろう日までの思いや葛藤、自分でもこうだろうなということも考え思い悩んでいく。タイトルにある三日間が気になって、一気に読み進みました。この三日間は人生のなかで最も充実したものになったでしょうか。読んでみて感じ方はそれぞれでしょう。自分の人生があとこれだけ、と宣告されたら何を考え行動しようとするのか。「自分は幸せになれない」と思い込んでしまうことが「しがらみに捕らわれ不幸を招く」ともある。果たして救いはあるのか、幸福とは何なのか、展開に引き入れられずにはいられない物語です。

  • 控えめに言って最高。
    ネット小説っぽい小気味よさと主人公の厭世観と、現れたミヤギの不思議な存在感。
    読み進むほどに切なく、あったかく。
    また読む。ぜったい。

  • 自分の未来にどれだけの価値(値段)がつくのか。
    本当にこれを知ってしまったら
    生きていけなくなるような気もします。
    無意味に長く生きるのか
    今の幸せを優先して寿命を縮めるか。
    他人からはそれが正解に見えなくても
    自分が満足できるかどうかが
    大切なんだろうなと思いました。
    主人公は、最後の最後に
    自分の命を削ってても助けたい人が
    見つかって良かったなと思う。
    最後にすごいミラクルが起こって
    寿命が延びたりするのかと思ったけど・・・
    悲劇的な結末に思えなかった。
    元の人生よりも、幸せに過ごせたなと思った。
    若い人向けの作者かなと思ったけど
    他の作品も読んでみたいなと思いました。

  • 長くなりそうなので、要点ごとに感想を言って、最後にまとめようと思います。

    【あらすじ】
    自分の人生に値段を付けるとしたら、いくらになるだろうか。

    生活費と授業料を払いながら中堅大学に通う青年クスノキは金欠が続き、ろくなものも食べないでバイトをしていると案の定、倒れてしまいます。 生活費をどうにかしようと、人生と折り合いを付けるために利用していた古本やCDの大半を売りに行きますが、それでも大した金にはなりませんでした。 しかしクスノキは古本屋とCD屋の両方で奇妙な話を聞きます。

    「寿命・時間・健康を買い取ってくれる店がある」

    最初は信じていなかったクスノキですが、結局はその店に行って自分の人生を査定してもらうことにしました。 その結果はなんと一年につき最低金額の一万円×三十年でしめて三十万円。 自分は将来、成功するんだという漠然とした期待を持っていたクスノキはその数字に絶望、自分の人生を三ヶ月残して売り払ってしまいます。

    家に帰る道中、自棄酒をして二日酔いになります。 そして誰も来るはずでないアパートの一室に監視員を名乗る女の子がやってきます。 寿命が一年を切った利用者の元には暴走を防ぐために監視員がつくとのことだったらしい。 クスノキと監視員のミヤギの三ヶ月がスタートする。

    【主人公】
    主人公のクスノキは、小学生の頃に成功体験をして、自分は将来、成功するんだと信じて疑わないまま二十歳になった青年で、いわゆる陰キャラに属する人なら誰もが共感できるキャラクターだと思いました。 最初は自己中心的で、後述する監視員のミヤギを押し倒そうとしたりする最低の人間ですが、物語が進み、色々なことに気付き、自分を客観視できるようになっていくうちに自己犠牲のリスクを負ってでもミヤギの負債を返そうとするといったような成長が見受けられ、遺憾無く通俗の主人公らしさを発揮します。
    個人的に絵の才能があり、それを自負にしていて、それを否定されると一気に失望してしまうという点に私は強い共感を覚えました。 譲れない趣味を持っている人間ほど、彼の物語を追っていく内に彼のことを好きになれることでしょう。
    また、ヒメノという幼馴染との十歳までの思い出、彼女とした「十年後の約束」を希望に生きています。

    【監視員】
    寿命が三ヶ月を切ったクスノキを監視する為に派遣された監視員のミヤギ。 彼女は最初、クスノキに辛辣に現実を突き付けたりしてきます。 しかし、それには事情があり、本来は優しい人物で、とても魅力的なヒロインだと思いました。

    と、ネタバレを極力避けた結果、淡白な感じになりましたが本編は読んでのお楽しみということで笑
    この本には☆5評価に値する価値があると思います。

    この感想を目にしたユーザー様へ、いい読書がありますように。

  • 寿命をお金で売った主人公と監視人ミヤギの話。30円の価値しかなかった寿命が、ミヤギと出会うことによってすごい価値になるんだけど互いが互いのために3日間だけ残して寿命を売るのね。その3日が、これまでの、これからの人生のどの一瞬よりも意味のあるものっていうことだろうね。

  • 文章も読みやすく、ページ数もそこそこで凄く引き込まれるのであっという間に読めた。
    最後にタイトルの意味がわかり、凄く幸せな気分になってよかった!

  • 知人の紹介にて

    私は人生をドブに捨てているので
    これほど明るい世界は、少し眩しい。

    しかし、まるで当事者にのような気分になれる。
    避け続けている優しい世界。情緒が乱れる。

  • どのような人生を過ごしても等しく訪れる死を前に、自分にとって世界はどんな風に見えるのか?
    幸いにもまだ寿命はある(と信じている)ので、幸せに生き続けようと思える、そんな本。

    web小説が元らしく読みやすかった。

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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