- Amazon.co.jp ・電子書籍 (235ページ)
感想・レビュー・書評
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「神様の御用人」シリーズの第1作。
野球以外はすべて人並み,その野球推薦で大学に進学し,強豪社会人野球のチームに進んだ萩原良彦。
だが,練習中の怪我で右膝の半月板を損傷。さらに,チームを持っていた会社の業績悪化で野球部は廃部が決まった。
会社内での居心地が悪くなった良彦は,入社わずか半年で退社,その後フリーターでアルバイトをしながら,宙ぶらりんな生活を続けている。
そんなある日,良彦が一人の老人を助けたことから,一冊の冊子を預かることになる。
これは,宣之言書(のりとごとのしょ),神様からの御用を聞き届ける書であった。
良彦は,神様の御用を聞き,願いを叶える役目を担うことになった。
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古都,京都を中心に,神々からの願いを聞き届けるために奔走する良彦。
神道への造詣も人並み程度の良彦が,もふもふの狐神・黄金と一緒にあちこちの神社に行き,神様からの御用を賜る。
フリーターで生きていく目的もよく見えずに頼りない良彦。その良彦が,神様からの様々なお使いを通じ,少しずつ成長していく感じがいいです。
境遇から,ちょっと投げやりだった良彦が,神様から物事を頼まれるようになって,だんだん自分に自身を持っていくんだろうなあ。そんな中で生きる意味とか,人間と神様の関わりとかを考えていくのかなと感じました。
また,古事記や民話に出てくる神様について,こんな神様がいるのか~と,信仰心も薄く古典が苦手だった自分には知らないことだらけでした。
でも,それらの神様がなんとも生き生きしていて面白いです。
個人的には,とにかく狐神の黄金が可愛い。めっちゃツンデレ感があってめんどくさくって,でもスイーツ好きの神様って,なんかほっこりする。
また,一回読んだあとに,プロローグとエピローグ部分である「語り部」を読むと,まあ,なんともエモい。そうかあ,良彦はそういう人なのかと。
このあと,シリーズは10巻まで続いているので,ゆっくりと読んでいきたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
失業中の元野球青年、萩原良彦は、いきなり変な老人から緑色の冊子(宣之言書)を渡され、宣之言書に「浮き出る神名に従って社を訪ね、そこに坐す神の御用を聞く」御用人の役を仰せつかってしまう。「昔は神祭りという行為により、人から感謝の心を奉納されることで神の力は補われていた」のだが、人々の信仰心が薄れ、すっかり力を削がれてしまった神々。そんな情けない神々に代わって良彦が用事を仰せつかる、という設定だ。
抹茶パフェが食べたい食い意地の張った狐神(方位神)だの、引きこもりゲームオタク中学生神(一言主大神)だの、腰痛持ちの片想い龍神(橋姫)だの、登場する神々が人間以上に人間臭い。そしてその御用というのも他愛のないものばかり。
漫画チックで、単純に楽しめる作品だった。ほのぼの系。 -
膝を壊したアルバイター(ニートではない)青年が、神様の御用人に選ばれてあちこちの神様の御用をいいつかる連作。
もう3巻まで出てるのね。
方位神の黄金(もふもふ)がかわいい。こういうフィクションから八百万の神に興味をもつと楽しいよね。 -
ほのぼのとしたお話で安心して読めました。
どちらかというと、子供むけかな?
大人の場合は、刺激のないお話を読みたいときに良さそう。
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『神は人の敬いによって威を増し、人は神の徳によって運を慕う』つまり、「元来神と人とのかかわりとは、お互いがお互いを高め合い、支え合うものであった。」
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神様たちの御用を聞いて回る人間──“御用人”。
ある日突然御用人を仰せつかった良彦。
なぜ神様が人間にお願い事をするのか。
納得のいかないまま巻き込まれ、神様のパシリとなる。 -
学校図書館の蔵書としては問題なし。ただ、ありがちな話で、大人には退屈。
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神と人間は、お互いに相手に影響を与えていた。
神が、その威光をはなてるのは、人間の信仰心がかてであり、それで得た威光で、神は、人間の願いをかなえるのだ。
と、いう新説設定で話しは始まる。
今時の青年と、古来神である狐(黄金)のコンビが素敵である。
そして、神様にも悩みや願いがあるのです。 -
設定がはっきりしており一話完結の形式で読みやすい。所々にある語りや伏線により次への関心がさそわれる。友情・恋愛・仕事・ファンタジー等、様々な面で楽しめる。自分が一気読みした本であり、年齢に関係なく読める本だと感じた為選んだ。
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祇園の拝み屋さん、寺町三条ホームズに次ぐ京都モチベーションを上げる本として選んだのですが、少し毛色が違いました。
まだ1巻なので、続きを読んでいきたいと思います