サスペクト 哀しき容疑者 [DVD]

監督 : ウォン・シニョン 
出演 : コン・ユ  パク・ヒスン  チョ・ソンハ  ユ・ダイン  キム・ソンギュン 
  • ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
3.62
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本棚登録 : 53
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4548967151657

感想・レビュー・書評

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  • 哀しい復讐者。
    男は復讐のためだけに生きていた。

    〈あらすじ〉
    韓国の都会の片隅で孤独に暮らす男チ・ドンチョル(コン・ユさん)。彼の正体は北朝鮮特殊部隊の元エリート工作員。生きる目的はただひとつ、愛する妻子を殺して韓国に逃亡した犯人への復讐。
    運転代行業の傍ら、犯人の行方を追っていたドンチョル。
    ある夜、唯一親身にしてもらっていたパク会長の殺害現場を偶然目撃し、死の間際にあった会長から「これを必ず埋めてくれ」と、ある遺品を託される。
    その瞬間から、ドンチョルは復讐に燃える「追跡者」だけではなく、会長殺しの「容疑者」として対北情報局室長キム・ソッコ(チョ・ソンハさん)と“国家の狩猟犬”ミン・セフン大佐(パク・ヒスンさん)から追われるという二重の運命を背負ってしまう。


    まず目を奪われたのはコン・ユさんの肉体美。
    3ヶ月間、過酷なダイエットと減量をして作り上げた体は芸術品のよう。でもそのシーンを見て、キャッキャッしたりうっとりしたり、そんな気持ちには絶対なれない。それは、コン・ユさん演じるチ・ドンチョルが、どれだけ過酷で凄絶な人生を生きてきたか、これから命懸けで生きようとしているのかが映像から強烈に伝わってくるから。 

    そして派手なカーアクションや、ほとんどノースタントで挑んだという激しいアクション。
    システマという武術も取り入れ、北朝鮮の軍人たちが使う、主体撃術という近接格闘術も習得したというコン・ユさんのアクションシーンは、本当に手に汗握る見ごたえのあるものでした。ふぅ、すごかった……。
    でもこの映画で心が動かされるのは、このようなハラハラする場面だけではありませんでした。

    復讐者であるけれども、孤独や悲哀、悔恨、そして亡き妻子への思慕。そういったものがチ・ドンチョルを淋しく見せていたように感じました。
    寡黙な男なので彼の感情は目から伝わってくるんです。
    ドンチョルにとっては殺人の無実を証明することよりも、やっぱり妻子を殺した犯人への復讐がいちばん大切なことなんだと思います。だからこそ、その目的が達成出来るのならば彼は命を投げ出すことも厭わないでしょう。
    けれども、もしも。もしも、彼に生きていなければならない口実が生まれたとしたら……。

    娘に1度も会ったことのなかったドンチョルが、唯一笑顔を見せたのは夢の中でした。
    お腹の大きい妻が笑顔でドンチョルに話しかけます。
    「お腹にいる赤ちゃんにお父さんの話をしていると、初めて会った時にわかるんですって 」
    だからいっぱいお父さんのことを話しかけてるのよ……。

    映画ではチ・ドンチョルと関わる人物たちがとても魅力的に描かれていました。
    特にドンチョルとの因縁があり、彼を「容疑者」として追いかけるミン・セフン大佐には痺れます。
    獰猛なんだけど情も熱い、男気溢れたミン大佐。
    彼の登場シーンはかなり衝撃的なものでした。
    軍の降下訓練中に非常事態が起こり、部下に命の危険が迫るなか、彼は躊躇する間もなく助けに空を飛びます。
    このシーンには思わず惚れてしまった。訓練中、どれだけ大佐にしばかれても、蹴られても、きっと最後に信じられるのは、この人なんだわと思ったもん。パク・ヒスンさん、こういう役がよく似合うよね。

    もうひとり、チ・ドンチョルを追いかける記者のチェ・ギョンヒ(ユ・ダインさん)も好きでした。
    ドンチョルに関わる唯一の女性。特ダネを手に入れて大手メディアに返り咲きたいという本音も含めて、彼女の行動力と勇気、信念を貫く姿はまっすぐで格好いい。
    周囲の男たちがドンチョルを復讐に燃える「追跡者」、会長殺しの「容疑者」として見ている中で、彼女だけがドンチョルの内面を慮る。
    「彼は復讐して死ぬつもりだ」と。
    事件が収束するなか、ドンチョルとチェ記者が視線を交わす場面があるのだけど、きっとそのとき彼女は彼が生きていてくれたことが本当に良かったと思ってたんじゃないかな。

    映画はドンチョルの復讐を持って結末を迎えるわけではありませんでした。
    思えばミン大佐との因縁はお互いが軍人同士だったからというよりも、幼い娘を持つ父親同士だったから結ばれたものなんだと思う。だとしたらこのドンチョルの未来も、もしかしたら顔も知らない娘によって導かれたものなのかもしれません。
    チェ記者の信念が、ミン大佐の情が、ドンチョルの妻の愛が、ドンチョルに生きる希望を与えてくれました。
    哀しいの光がちゃんとみえる。
    こんな終わりかたされたら堪りません。見事にまた韓国映画の術中にハマってしまいました。

    • hiroさん
      地球っこさん、おはようございます。
      『トガニ』『82年生まれ...』はまだ観ていないので また観てみたいです。
      地球っこさんのコン・ユさんへ...
      地球っこさん、おはようございます。
      『トガニ』『82年生まれ...』はまだ観ていないので また観てみたいです。
      地球っこさんのコン・ユさんへの好き度がとても伝わってきます。
      情報を有難うございました。
      2021/06/24
    • みちとこうさん
      地球っこさん、コメントありがとうございました♪

      アクションだらけの映画でしたけど、地球っこさんの言われるように、根底には愛がありましたね。...
      地球っこさん、コメントありがとうございました♪

      アクションだらけの映画でしたけど、地球っこさんの言われるように、根底には愛がありましたね。わたしも光を感じました。

      地球っこさんの感想を読ませて頂くと、たくさん気づきがあります。わたしなんてスルーしてることばかりですが、作品がずっしり重くより感慨深くなりました。ありがとうございます♪

      わたしのコンユ熱はいつまで続くかわかりませんが、まだ観ていない作品もあるので、楽しみです。また教えて下さいね。
      2021/12/05
    • 地球っこさん
      みちとこうさん、コメントありがとうございます♪

      ふふふ、わたしも「追いかけたい俳優さん」って、上のsmaphiroさんへのコメントに書いて...
      みちとこうさん、コメントありがとうございます♪

      ふふふ、わたしも「追いかけたい俳優さん」って、上のsmaphiroさんへのコメントに書いてますね。みちとこうさんと一緒です♡

      はい、未来はひとまず置いといて、コンユ熱が続いている間は、お互いにコンユ作品を楽しみましょうね。

      ちなみに、わたしは韓国ドラマを観る度に、ときめく俳優さんが増えていきます 笑。
      今はそのなかでも特にコンユさんとあと2人の俳優さんに熱をあげてます(多いですか 笑)。ひとりに絞れません……

      こちらこそ、みちとこうさんのレビュー楽しみにしてます。
      2021/12/05
  • コン・ユのノースタントアクションに痺れ、その魅力に魅了された。また脇が申し分なく良い。パク・ヒスンのワイルドさにも痺れるし、チョ・ソンハの悪役ぶりにも痺れ、キム・ソンギュンの存在感にも痺れっぱなし。巻き込まれた陰謀が喜劇的でその点だけはマイナス要素かな。新年からいいものを見せてもらった。

    • hiroさん
      wakeさん、こんばんは
      コメント有難うございます。
      ホッコリしてしまうのは コン・ユのあの優しげなまなざしのせいでしょうか?
      表情を作るの...
      wakeさん、こんばんは
      コメント有難うございます。
      ホッコリしてしまうのは コン・ユのあの優しげなまなざしのせいでしょうか?
      表情を作るのがとても上手い俳優さんだなぁと観ていていつも思います。
      レビュー、参考にさせてもらっています♪
      2021/09/12
  • 脱北して家族を殺した犯人を追いかける男のお話。筋肉・カーアクション・人体破壊。もうおなかいっぱい。

    主演のコン・ユって、作品ごとにまったく見た目もアプローチも違うなあ。新感染とかトガニとかソボクとか。昔は恋愛コメディもやっていた気がするんだけど。
    本作品の彼は、見た目もキャラクターも、もはや別人。

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