この闇と光 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (242ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 森の奥の邸宅で軟禁状態で暮らす「盲目の王女」である主人公は敵国の意地悪な「使用人の女」と「兵士」に睨まれ外に出ることは叶わぬものの優しい父王である「おとうさま」にドレスと物語と知識と愛を惜しみなく与えられ甘く幸せな日々を送る…が、しかし。

    衝撃の展開があるぞ、すごいどんでん返しがあるぞ、との触れ込みだったので身構えて慎重に読み進めたので真相は9割くらい当たり。兵士の存在だけは読みきれませんでした。

    ミステリとしてはその誤認トリックとホワイダニット物でしょうか。中盤で主人公は唐突に闇から開放されて光を得たものの思い描いていた美しい世界とは全く違う凡庸さと醜さに幻滅し、終章で「おとうさま」と再会しその深い闇に再び取り込まれるような形で幕引き。おそらくそこまでが計算の内なのでしょう。

    なるほどこれがメリーバッドエンドってやつですか。

  • 最初こそ、盲目の王女とお父様の関係が素晴らしく見えた
    中盤になると徐々に謎が出てきて、「???」だらけ!
    読み終わる頃には思ってたこととは180度違って不思議な感覚になった。
    読んでよかったと思った、新しい感覚を覚えた

  • 中盤あたりからは驚きっぱなし。先入観を打ち砕かれた面白い作品。

  • どんでん返しがあるっていう情報だけ持って、読み進めていったけど見事に騙された!なんかおかしいなって思うところもあったけど、結局分からなかったし、思ってたよりも早めにどんでん返しがくるんだなと思いました。ラストの父の反応も予想外でした。真実を話すと思ってたのに知らないふりをするとは…

  • Kindle Unlimited版読了。

    Kindle Unlimited対象作品になっていたので、話題の作品を読んでみる事にしました。

    物語を読み始めていくと、どうやら主人公は「盲目の少女」で、身近な人間は「元国王の優しい父親」と「意地悪な世話係の女性」と「別荘を守る兵士」しかいない狭い世界で生きている事が分かります。
    「別荘」の外の世界を何も知らない「盲目の少女」の存在自体が謎だらけです。


    ※【ここから作品のネタバレ感想になるので、未読の方はご注意下さい】


    耽美な世界観の前半と真相が分かってからの後半の格差が、夢と現実の差のように激しかったです。
    物語の舞台は外国ではなく日本で、主人公は実は9年前に誘拐された「少年」だったという種明かしにはそれ程驚きはしませんでしたが、少女の周囲にいた「父親」も「意地悪な世話係の女性」も「見張りの兵士」も同一人物が演じていたという事が一番衝撃的でした。
    少年を誘拐した犯人も何処か心が歪んでいて、二重人格者のように「意地悪な世話係の女性」が表面に現れていたのかもしれません。
    全ての謎が解けてからまた読み返すと、違う印象を抱くかもしれません。

    主人公が「生理」になった時の「父親」の対処方法(下着を取り替えて終わり)に疑問を感じて、主人公の性別を疑いました。(^_^;)

    ラストが「え、これで終わり?」という終わり方だったので、少し物足りなく感じました。
    結局、犯人は捕まらないという事でしょうか。

    タイトルは「人間の内なる闇と光」を表しているようです。

  • 読み始めた時にはこんな展開になるとは思わなかった。

  • 意外な展開と、美しい描写。
    カテゴリをミステリとしたけど、ミステリとしては読まない方が正解な気がする。

  • 妖しい耽美的なミステリー。他国に占領された王国の王と盲目の王女の話と思わせておいて・・・。こういう小説は、たぶん女性が好きなんじゃないかと思うが、ややしっくりこなかった。

  • 少しずつ情報が明かされていくので、読んでいるこちらも、目が見えなくなったように感じました。感覚が一つないにもかかわらず、幻想的な世界に引き込まれました。
    前半の美しい幻想の世界と後半の醜い(真実)の世界。その対比が面白いです。

  • 視覚で認識できない世界だからこそ他の感覚を動員して、あり様を想像する。そうして出来上がった世界は憧れもあるだろうけど、限りなく美しい。だから確認してしまうと、「視える」ということに感動を覚えるが、実際の世界に落胆もしてしまう。現実はいつだって残酷。そして願ってしまうのだ。帰りたい、と。

    …文章から漏れ出る、甘く切ない感じ。これが耽美、か。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部まゆみの作品

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