東京の自然史 (講談社学術文庫) [Kindle]

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  • 東京の土地がどのようにできたか、というのを語る地学のテキスト。東京都立大の学生向けに書かれたという。

    初版が1960年代なので情報がいくらか古いが、それでも多くの部分は現在も通用する。

    今の地質の入門書はプレートテクトニクスにも言及しているが、この本の頃はそこまでは書いていない。『日本沈没』が流行ったのはプレートテクトニクスがあの頃の日本にはそれだけ真新しい理論だったのかもしれない。

    関東平野は地殻の造盆地運動で沈降を続けていて、そこに時代ごとに堆積物が重なって今の大地が作られている。造盆地運動は今の視点だと、沈み込む海洋プレートに引っ張られているせいと理解できる。同じ理屈で琵琶湖は古代湖として存続し、大阪湾や瀬戸内海もできあがった。

    仕事柄ボーリング柱状図はよく見るが、平地の層構成は意外とどこも似ている。それは堆積の作用が多少土地が変わっても同じだから、というので理解できる。もう少し学べば、今までただの意味のない文字列だと思った各層の名称も、歴史の一ページとしてイメージできるようになるかもしれない。

    ボーリング柱状図は今では国土交通省がkuinijibanというサイトで公開しているので、誰でもそれを見て、土地の成り立ちを研究することができる。驚くべき時代である。

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著者プロフィール

貝塚 爽平(かいづか そうへい)
1926年-1998年。東京大学理学部地理学科卒業、同大学院特別研究生前期修了。東京都立大学教授を経て、東京都立大学名誉教授。専門は地形学。理学博士。
著書に、『日本の地形 特質と由来』『空から見る日本の地形』『富士山はなぜそこにあるのか』『平野と海岸を読む』『発達史地形学』、『新編日本の活断層』(共編)、『世界の地形』(編)などがある。

「2014年 『富士山の自然史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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