「感染症パニック」を防げ!~リスク・コミュニケーション入門~ (光文社新書) [Kindle]
- 光文社 (2014年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (293ページ)
感想・レビュー・書評
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ビジネスの現場におけるコミュニケーションと同じ。目的を定めること、想像力を使うこと、、、そのまま自分の仕事に当て嵌まる。確かに医者こそコミュニケーション大事だな。
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タイトルは「感染症パニック」が大きく書かれているが、むしろサブタイトルの「リスク・コミュニケーション入門」が本題と言える。リスク・コミュニケーションは何らかの危機が発生した時に人々に行動を促すための手法で、感染症に限らず広い範囲のリスクについて応用できる。
第1章が一般的なリスク・コミュニケーションの解説で第2章が個々の感染症の説明だが、分量的には第1章が八割を占めており、プレゼンテーションテクニックのような解説がためになった。
パニック対策というほど急を要するプレゼンを自分が行う可能性は低いが、一般的なサラリーマンがやるようなプレゼンの場合でも、ここで紹介されているポイントを意識することは有効だろう。
リスク・コミュニケーションに関して気になったキーワードを並べておく。
「クライシス・コミュニケーション」時間が限られる緊急時のコミュニケーション。地震後の津波の来襲など、一刻を争う状況で人々をすばやく動かすための方法。
「コンセンサス・コミュニケーション」時間をかけて全体の合意を得るコミュニケーション。緊急ではないが重大な結果を招く危機に対して有効な対策を講じるための方法。
「社会構成主義的アプローチ」情報の発信者の持つ方法論と価値観でものごとや方針を勝手に決めて押し付けると受け入れられにくいので、受け手の価値観や感情も尊重したコミュニケーションを図ること。
「社会信頼アプローチ」情報の出し手と受け手が価値観を共有し相互信頼が生じると情報が信用されやすくなるという考えに基づき、適切な関係を構築することでスムーズなコミュニケーションを図ること。
これらの考え方を頭に入れておけば、日常生活や仕事の上で誰かに動いてもらう必要が生じた時に役立つだろう。 -
眼から鱗。専門家は一味違う。
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今話題の岩田健太郎氏による、文字通り感染症の際のリスク・コミュニケーションを語った一冊。
感染症以上に、リスク・コミュニケーションが大事なことがよくわかった。