読書力 (岩波新書) [Kindle]

著者 :
  • 岩波書店
3.73
  • (9)
  • (8)
  • (14)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 158
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (176ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 気軽に読める、読書のすすめ。巻末に「文庫百選」つき。
    『ネット断ち』の次のブックガイドとして。

    いまは大学の教師も、ここまで降りて行って学生を迎えにいかなくてはならない時代なのだ。サービス業だな。

    「フランクルの『夜と霧』を読んだときは、自分のそれまでの辛い経験などがすべて吹っ飛んだ気がした」(P.90)とあるが、たかが読書でそんなに健全に生きられたら幸せだと思う。

    自分は、読書は体験とはなりえないと思う。活字が人生を救ってくれるとは思えない。が、想像力を鍛えるきっかけとはなりうる。そして想像力を鍛える場は、読書にかぎらない。

    その意味において、「本は読まなくてもいい」と思う。

  • 読書することでどれだけ素晴らしい教養を自分の身につけられるか。
    ということを斎藤先生が熱く、丁寧に語ってくださいます。
    巻末にある先生のおすすめ100選は、どれも全部読んでみたくなりました。
    ほんと、つまらないネット記事なんか読んでる暇があったら、ある程度の緊張感を保ちながら、噛みごたえがあって心の滋養になるような本を1ページでも多く読みたいと、改めて思いました。

  • (audible)
    斎藤先生の読書に対する考えおよびより良い読書のやり方についての本です。
    面白いのは読書スポーツしてとらえているところと読書をして変化を起こす具体的な数字を上げているのは面白い(根拠は斎藤先生の経験値らしいです)
    後は三色ボールペンなどよく知られているメソッドです。
    1つ疑問なのは売れている本イコールいい本みたいな事言っていますが、必ずしもそうでないと思います。(いい本ど絶版になる傾向があると感じます)
    読書をするきっかけにはいい本です。

  • ・読書はコミュニケーション力、思考力の向上になる
    ・著者が長年の熱量を込めて書いているものを自分だけに語りかけてくれるように読む
    ・時には飛ばし読みがあっていい
    緩急をつけて読む、精読か多読のどちらかがいいということもない、恐れずにたくさん読む

  • 世の中には驚くべき速度で著作を世に送り出す人がいます。本書の著者もその一人でしょう。
    そういった著者のたいていに共感を覚えることはありませんが、唯一齋藤さんには共感めいたものを感じるのでよくその作品を読ませてもらっています。
    この方の何が違うかというと、日本人の知性やそれを鍛える習慣・伝統の衰えを憂うとともに、これを改善するための具体的な提言を行っていこうとする本気の姿勢がある点でしょうか。
    前者の「憂い」についてはその他の著者も抱えるところですが、そこにとどまっている感があります。そこに自身の優越性の誇示が垣間見られ、増上慢な感じを受けて好きになれません。ただし齋藤さんには教育者としての気概を感じます。

    こちらの作品も日本の読書文化・出版文化の衰えを懸念して、その改善のための提言が詰めこまれています。
    読書と言っても、ここで取り扱われる読書は単なる気晴らしで行うそれではなく、「精神の緊張を伴う読書」を対象としています。そのため多少難解な作品や重いテーマを取り扱った作品を読むことの意義から始まり、その手法についても言及されています。
    前述のとおり、著者は憂いのみ語るだけの「お高くとまった知識人」ではありませんので、あの手この手を用いて読者に「読書」にのめりこんでもらおうという意図が、その章立てから透けて見えます。

    「私は学生に「ここは部活だから」という言い方をする」、このフレーズが個人的に印象的だし、象徴的に思います。
    「精神の緊張を伴う読書」を身に着けるためには部活のような努力とトレーニングが必要になります。これだけだととっつきにくさを感じるため読書になじめないでしょう。しかしこれを身に着けた暁の「恩恵」についてもふんだんに盛り込まれています。それを綜合すると、若者にとっては「自己形成」であるし、全生涯通じての「コミュニケーションを中心とした自分の可能性の伸長」だと思います。
    私は企業の採用面接官を担当する機会がありますが、著者が述べる「読書しない人の特徴」にドンピシャであてはまる人が多くいたことを思い出して変に納得してしまいました。

    社会人として、またそれにとどまらず一人の人間として生涯を通じた豊かさを、読書からどのように享受できるのかを平易な文章でまとめた良書だと思います。

  • 読書の楽しさ、意味、効果などを教えてくれる本。
    今まで読書をあまりしてこなかった、私のような人が考える「なぜ本を読むのか?」「本を読んだ方がいいってのは聞くけどなぜ?」などの疑問に答えてくれる本である。

    著者の齋藤孝先生は「読書力」なるものを本著で定義している。この本を読むことで「読書力」を向上させたい!と感じ、どんどん本を読んでいってしまう..

    ちなみに、齋藤孝先生がおすすめする文庫本100選が載っている。それだけでも一読の価値が有るだろう。

  • 読書は必要だ。エネルギーを使う読書だ。自分から捉えにいく運動をする。たくさん本を読むということは、頭をよくするというよりも、思考の可動領域を広げていく。現実場面で柔軟な思考を働かせられるだろう。多少ストレスや思いと違う文章を読み入れることで、人は大きく柔軟になっていく。そういった自分を変える必要のある読書は、多用的な思考を育むことができる。自分に合った本を読むのではなく、状況に合った本を読めばいい。そうしたら読書は人生を生き進むのに役に立つ。自己弁護の役に立てても状況に互換する力はつかない。

  • 読書しない人が増えている現状等、読書に関する全般的なことが描いてある本。また、読書力を高めるために、定期テストでも読書力を図る(本を読んで要約するなど)を取り入れた事例等の記載があり、読みやすかった。

  • 若者の読書離れと読書の大切さを説き、どのような本がおすすめか、どのような本を読んでほしいか等が書かれていてまたその推し方が分かりやすい。

    本読みたいけど何読めば良いか分からない人やいろんな本を読んでみたい人におすすめの一冊。

  • 真面目な内容を語った後の最後の終わり方がステキだと感じた。新書を読むという習慣がなく、推理小説に偏りがちのため少し見直す必要があると感じた。「本との出会いを通じて、価値観を広げる」。そして自己と比較して、自己形成する。これらを目指し、質の高い読書をしようと、この本を読んで決心した。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

齋藤孝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンデシュ・ハン...
ミヒャエル・エン...
ジェームス W....
D・カーネギー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×