気にしない練習―――不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント [Kindle]

著者 :
  • 三笠書房
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  • 悩み事の「優先順位」を考えることの大事さを教えてくれる本です。
    多くの人が、いろいろなことで悩みますが、その多くは、実は放っておいても解決してしまうことも多いようです。
    しかし、それが頭でわかっていても、実際にはそう簡単に放っておくことも難しいもの。
    僧侶である著者が、仏教の説法に近い形で、その解決のヒントになる考え方を教えてくれる1冊です。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「人には生まれ持った才能もあるが、眠っている才能もある。呼び覚ますのに一番いい方法は努力だが、次に、うらやましい才能を持っている人にアドバイスを受けること。それがきっかけで、才能が開花することがある。うらやんでいるだけでは開花しない。」
    「話し方の基本は、『作らない・気取らない・えらぶらない』。自分の心を相手に向かって放つのが“話す(=放つ)”。放して相手を傷つけるような自分の心を持ってはいけない。心をいつも磨き、誠実な心を身につけて、誠実に伝える。たとえうまく話せなくても、相手に心地よく、きれいに伝わる。」
    「いいことも悪いことも縁の集合体なので、持続しない。いつか終わることを知っておく。縁は減ったり、増えたり、入れ替わったりして次々と変化する。大きな要因は時間経過、その次に社会状況の変化による、それを感じる人の心そのものの変化。」
    →わからないことは、それを知っている人から素直にアドバイスを受けてみる。どんな人とでも気さくに話せる。いいときには悪くなったときのことを考え、悪いときにはどうやってよくするかを前向きに考える。ビジネスで成功する人の多くが、こういった特徴を持っているような気がします。もちろん、ビジネスだけでなく、人生全般でも大事なことですね。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・人間は、人生の多くの場面で、カメラマンのように一部だけを切り取って印象づけるクセがついている。どれを自分の心というカメラにおさめるかは人により異なるが、写すべきでないものを被写体にする人がいる。気にすべきことは、自分を高め、他人を安心させること。そうでないことは気にすべきではない。

    ○もっと「鈍感力」を磨く
    ・人から嫌われたいと思う人はいないが、自分をどう思うかは相手の問題。相手の心はコントロールできない。しようとして、無理して“いい子”になろうとすると、結果として疲れる。自分のやりたいことを見つけて努力するほうがよい。
    ・目標がないと、我慢はできない。逆に言えば、目標があれば、我慢を気にせず我慢できる。

    ○それは「考えすぎ」
    ・人は人、自分は自分という考え方は、個性を発揮し、自立するための核になるものだが、他人に無関心でいいということではない。人に迷惑をかけなければ何をしてもいいと考えがちだが、迷惑かどうかを判断するのは相手なので、人に迷惑をかけないで生きることは不可能。
    ・何かを手に入れることが目的の人は、実は、まだ持っていない、いつか手に入れられるかもしれないという楽しみや喜びも持っていることを知る。欲望は、コントロールしないと、つらい日々が待っている。欲望を野放しにしてしまうと、イライラばかりがつのり、他と衝突することも多くなる。

    ○うつうつした時は、こう考える
    ・私たちの心は伸縮性を持っており、たまに落ち込んで縮こまることもあるが、大きくなろうと少し無理をすることで、心は大きくなる。しかし、“自分なんて”と卑下し続け、収縮しすぎると潰れる。“たかが自分、されど自分”と思い留まるために、一人で静かに心の内面を見つめる時間を持つことが大事。
    ・孤独とは、物理的に一人でいても、座禅している時などの心が充実していたり、結びついている仲間や家族がいる場合。孤立は物理的にも精神的にも他とのつながりが切れてしまった心細い状態。孤立して生きるのは、援助を求めず頼らないという大きな覚悟が必要。孤独でも、孤立しないほうが、心がおだやかに生きていける。

    ○比べない、責めない、引きずらない
    ・人には生まれ持った才能もあるが、眠っている才能もある。呼び覚ますのに一番いい方法は努力だが、次に、うらやましい才能を持っている人にアドバイスを受けること。それがきっかけで、才能が開花することがある。うらやんでいるだけでは開花しない。
    ・人をうらやんだ時も、自分への愛情が他に向けられるがゆえの嫉妬の感情が起きた時も、「今、幸せではないから比べたがるのだ」と分析する冷静さを持てれば、幸せの糸口が見つかる。

    ○人生をシンプルに変えるヒント
    ・話し方の基本は、「作らない・気取らない・えらぶらない」。自分の心を相手に向かって放つのが“話す(=放つ)”。放して相手を傷つけるような自分の心を持ってはいけない。心をいつも磨き、誠実な心を身につけて、誠実に伝える。たとえうまく話せなくても、相手に心地よく、きれいに伝わる。
    ・他人にキツイ人の多くは、自分を攻撃させまいと相手を威嚇する心根の弱い人たち。関係ない話題に話をそらすと、相手はたいがい戦意を喪失する。本当に他人のことを思って言っている場合は、とりあえず感謝して受け止めると、次からは優しい心を開いてくれる。

    ○「今」「ここ」を大事に生きる
    ・いいことも悪いことも縁の集合体なので、持続しない。いつか終わることを知っておく。縁は減ったり、増えたり、入れ替わったりして次々と変化する。大きな要因は時間経過、その次に社会状況の変化による、それを感じる人の心そのものの変化。
    ・関心が持てれば、心が活性化して、生きているのが楽しくなる。外の世界をシャットアウトすると無関心で、スルーするのが気にしないということ。気にしなくてもいいので、無関心にだけはならないようにする。

  • ・一気に読むよりも毎日、見開き1ページくらいのペースで読んでいくのがちょうどよいかなと思った本。
    ・人間には「愛されたい、認められたい、役に立ちたい、褒められたい」の四つの願いがある
    →その中でも「褒められたい」は、前の三つを満たしたうえでの贅沢な欲求な気がする…という部分ははっとした
    ・「比べて喜ぶと他人を傷つける、比べて悲しむと自分を見失う」このフレーズを覚えておくと、比較しそうになった時に冷静になれるかも

  • 喧嘩 馬鹿馬鹿しい。つまらないからやめよう。
    喧嘩は売る側と買う側がいて成り立つ。どちらにしてもバカを看板にしているようなもの。

  • すごく良いことがたくさん書いてありました。
    印象に残ったベスト3

    1.仏教では、「いい人になりましょう」とは説きません。

    そうではなくて、「いつでも、どんな時でも、心おだやかでいられる境地」を目指す。
    心おだやかにいるために、遠ざかったほうがいい悪いことの十ヶ条
    (1)むやみな殺生、(2)時間を含めた盗み、(3)男女のよこしまな関係、(4)嘘、(5)きれいごと、(6)乱暴な言葉づかい、(7)人の悪口、(8)物惜み、(9)怒り、(10)誤った見方

    2.たくさん失敗した人は、優しくなれる

    失敗を恐れない2つの理由とは。
    (1)世の中はやらないとわからないことばかり。やれば失敗するのは当たり前。
    (2)失敗をすればするほど同様の失敗をした人に対して寛容になれる。

    3.小欲の鋤と、知足の鍬で心を耕す

    十の願いがあって二つしか叶えられなければ、幸せ度は五分の一の20%です。
    幸せ度を百%にする方法は二つ。十の願いすべてを叶えるか、願いを二つに絞り込むかです。
    仏教のアプローチは後者で、”小欲知足”(しょうよくちそく)という言葉で表されます。欲を小さくして足りていることを知れば、それで心がおだやかになります。

  • 言ってることはごもっともだけれど響いてはこない。相性の問題だろうか。説教じみていて説得力に欠ける。

  • 自分と周りの人たちを比べたり、他人の言動に左右されたり…
    「最近なんだか心が疲れたなあ…」と思った時に
    この本が読みたくなります。
    少し力を抜いて生きるための方法がたくさんあります。
    明日からまた頑張ろうと思える有り難い1冊。

  • 今、人生をどう生きているだろうか。いとおしさやかけがえのなさを感じるということは、丁寧に生きていることだというをもっと意識してみようと思う。それってすごく贅沢だから、過ぎてから思い返して気づくより、今きちんと感じていたい。

    心に響いた言葉。引用もあれば、要約もあり。

    人からどう思われているか気になって仕方がない人は、自分がやりたいことを見つけて努力してみてください。
    ものごとの最初に摩擦が起きるのはよいこと。笑顔でルールを擦り合わせよう。
    人生をしなやかに受け止めるには、力まず、先入観を持たずに、自然体でいる。力みを解消するには、心を静かにする時間を持つ。
    目標があれば、我慢できる。
    道を譲る余裕を持つ。自分の都合を優先すれば待っているのは、勝ち負け。
    人の心を知りたければ、心理学を学ぶのではなく、本を読みなさい。
    どうしてわかってくれないんだ!と思うとき、相手の気持ちを考えているか?誰かの心の応援団でいよう。
    人に好かれる近道は、自分がみんなを好きになってしまうこと。
    ものごとが自分の努力と他人の助力と、自然の力ががっちりスクラムを組んだ時にうまくいく。助けてもらって生きていることをしみじみ味わうのが豊かな人生。

  • 「こころ穏やかに過ごすために」と思ってページをめくると、意外と仕事にも役立ちそう。鈍感力から始まり、今を大事に生きるための説法が100あまり。

  • 主に仏教の観点から、気にしないことを説いた一冊。

    「言うは易し、行うは難し」の世界ではあるものの、勉強にはなった。

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著者プロフィール

●真言宗豊山派元結不動密蔵院 住職
1958年、東京都江戸川区生まれ。大正大学を卒業後、英語教師を経て、江戸川区鹿骨元結不動密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所研究員。真言宗豊山派布教誌『光明』編集委員。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。『気にしない練習』(三笠書房)、『ためない練習』(三笠書房)、『感情的にならない生き方』(PHP研究所)、『心がすっきり かるくなる 般若心経』(永岡書店)、『1日5分 朝の「般若心経」写経手帖』(ナツメ社)、『般若心経、心の「大そうじ」』(三笠書房)など著書多数。

「2017年 『看護師のための般若心経』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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