- Amazon.co.jp ・電子書籍 (352ページ)
感想・レビュー・書評
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専門用語の羅列で退屈なストーリーになりそうな生保業界の合併・破綻劇だが、本書では2人の主人公を中心に人間ドラマも交えて展開されていくため、業界外の方にもわかりやすい内容でお勧めできる。
バブル期に横行した融資付きの一時払い変額終身保険など、業界の闇とも言える部分も詳細に描かれており、フィクションという建前ではあるがほぼ全てが実話と推測する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Amazonで開催されていた角川書店のkindleフェアで見つけて即購入。
あっと言う間に読み切ってしまった。
時間軸で言えば、真山先生の代表作である「ハゲタカ」よりは前の作品ではあるが、ご本人も言及されている通り、そのストーリーやキャラクター作りには、その特徴が出ていると思う。金融知識と危機を巡る人間ドラマは必見で、手に汗握りながら、一気に読める作品に仕上がっている。 -
デビュー作がこのレベルとは、恐るべし推敲したいところあるだろうが、緻密にプロットされた展開で、圧倒的な緊迫感である。ハゲタカに相通じる部分もあるが、キャラのたち方が半端ない。キャラを使い切るところも素晴らしい。
尻切れとレビューする人もいるだろう。しかし、ビジネスという土俵では落ち着くところに落ち着くまでがストーリーなのであり、プロジェクトXなのである。
顛末は平凡でも道のりは険しいというのがビジネスだと思う。
社名が露骨過ぎてちょっと違和感があるが、それでも十分読み応えありです! -
デビュー作だけあって、非常に力が入っているのがわかる。相当細かいところまで工夫が凝らされているうえ、人物造形も大変面白い。すでにこの頃に、ハゲタカの人物造形の基礎ができていたことがわかる。
プロットが余りに直球すぎるのが残念だが、これはこれで安定感があってよいとも思う。