東大教授が教える独学勉強法 [Kindle]

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  • 草思社
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感想・レビュー・書評

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  • 志望ゼミの教官が著者だったからパラ見してみた。
    やっぱり学問に携わる人は批判しながらテキストを読むといった力に秀でている。
    なんでも無批判に受け入れがちだから直さなきゃな。
    自分の主張があまりないからなと思っていたが自分の意見と違う=批判ではない。
    本当にそうなのか?と常に疑問符を浮かべているのが大切そう。

    一回目は内容把握・二回目はひたすら疑問をぶつけるという本の読み方が紹介されていた、試してみたい。

  • これから資格試験の勉強が本格化するし、と古本屋で見かけて気になった一冊。若干方向性は違ったけど、さらさらと読了。
    受験失敗してから、暗記するだけの勉強では成績にも興味にも限界があることを痛感した。そこから、本書で言っていることと似たようなことを感じていて、疑問を押し返すこと・まだわかっていないかもと自問自答しつづけることは大切だなあと改めて思えた。
    自分は悪性の完璧主義もあるので、ゆるくていいやーの気持ちを忘れずに、根詰めずに楽しむようにしたい。冒頭の「少し自信をもって決められるように勉強する」はとても刺さっていて、判断力と合わせて実学になるような活きる勉強がこれからは大事になるはず。AIに取られない仕事をしたいし、そこを評価されたい。
    読み始めて、トラウマ掘り返すかもと思ったけど改めて一人反省会できてよかった。これから受験とかの人ではなくて、長く学び続けたい人とかにおすすめです。

    本を読んだら、要約メモも作ってしまうし、どの本も二回読んでたら進めないので、これも自分の押し返しということで。いいやり方を見つけていきたい。


    メモ
    ・少し自信をもって決められるように勉強する
    ・学びを現実世界に活かす、応用する
    ・理解のスピードは人それぞれ
    ・独学はいい加減なくらいがちょうどいい
    ・勉強したことに対して常に疑問を押し返す、わからないことは何か
    ・資料は走りながら揃える
    ・普遍化、関連付け

  • 「教養を身につけるための勉強」について学ぶつもりだったが、書いてあるのは「答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強」についてだった。

  • 高校に通わず、通信制大学に通い、見事東大教授になった経済学者の独学術。

    自分がしらいない事柄や分野にどうやってはじめの一歩を踏み出してくのか。一番最初に読むべき本の基準、専門文野への広げ方を教えてくれる。

    単純に独学のノウハウを教えるだけでなく、これからの勉強のあり方、受動的な勉強から能動的に勉強することの重要性を説いてる良い本。

    多々単純に本に書かれてることを鵜呑みにするのではなく、本当に書かれていることが正しいのか?批判的な捉え方で読んでいくことで、受動的な勉強から能動的かつ批判的に勉強することができる。

    AIが発達し、ChatGPTが台頭したいま、能動的に勉強することの重要性を説いた良い本でした!

  • 2014年に書かれた本だが、現在のAIが台頭してくる現代においても進めたい勉強方法だった。著者は独学を進めていて、それは人、それぞれ自分のパターンによって勉強方法が違うと言うことだ。独学は自ら理解し考え、アウトプットできる点でとても活用ができる。勉強するときにすぐに始めると言うよりは、自分のタイプに合わせて考えペースをつかんで勉強進めていくことが書かれている。参考になった。

  • これから必要なのは「応用力」と「創造力」

  • そんなに目新しいことは無かったけれど、頷ける内容だった。

  • ●位置: 193
    そうした状況から見ても、考える力や選ぶ力というものが、ますます重要になっていることがわかります。  情報を選ぶには、そのための基準が必要です。その基準を与えてくれるのが学問です。ほとんどの学問は実はそのためにあるんだと思います。情報をうまく選ぶための基準を与えてくれるのが学問であり、ここに学問を学ぶ基本的な理由があるのです。  

    ●位置: 278
    学者に限らずどんな人でも、日々、情報を選んだり、編集したりという形で、情報を加工しています。直接的に何かを発信しなくても、自分の選択や判断、行動というのは、自分の中に取り入れた情報や知識や理論を加工した結果、出てきているのです。  その加工をする際、大切なのは、自分の中で「熟成させる」という過程です。ここで「熟成させる」というのは、自分の中でしっかりその情報を吟味して、その意味を考え、自分のものにする作業です。それには多少の時間がかかりますが、私はこれが、学ぶことにおける一番大事なプロセスだと思っています

    ●位置: 287
    こういう時代だからこそ、相対的に大事になってくるのは、得られた情報や知識を自分の中でどう加工するかをじっくり考え熟成させることです。入ってきた情報を使って、じっくり時間をかけて考えたうえで、自分なりの考えを生み出し、行動に移すこと、それが大事ではないかと思うのです。まさに、そこに「独学」という、一人で行う勉強法の有効性と意義があると考えるわけです

    ●位置: 330
    私が本書を通してみなさんに身につけてほしいと思うのは、次の第3のタイプの勉強です。 3.答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強  本来、大学で身につけるのが3の勉強です。言うなれば、3の勉強こそが本質的です

    ●位置: 633
    私の場合で言えば、暗記科目が苦手なので、どうしても何か覚えなくてはならないときは、なるべく理論に引きつけて覚えるという勉強のコツを持っています。  歴史の勉強ならば、年号をただ覚えるのではなくて、歴史全体の動きやつながりを考えながら把握するわけです。例えば、産業革命が起こったために都市に人が集中して、それが新しい階層を生み出す原因となり、新しい経済環境を生み出していくというふうに、理論的に関連を考えていくわけです。そうやって考えていけば、無理やり不得意な暗記を何度もやるよりは、間違いなく頭に入ってきます。そのように大づかみしてから、細かく見ていくほうが理解しやすい等々、自分の頭のクセを理解したうえで、研究をしていきます

    ●位置: 667
    勉強をはじめる前にまず知っておいてほしいのは、本の内容を覚える必要なんてまったくないんだということです。読んだことや聞いたことをそのまま頭の中に入れるだけでは、それは、本当の意味で学んだことにはならないのです。  勉強や学びのプロセスとは、実は、いったん押し返してみることです。  偉い先生が言ったことを鵜呑みにするのではなくて、教科書でも本でもそこで得た知識をもう一度自分なりに組み立ててみる。場合によっては、著者である偉い先生とは違う理屈を自分なりに語れるくらいにしてみる。本当に正しいのかという反論も含めて頭の中で考えていくことが、学びの大事な過程なのです。いや、それこそが学びです。何度も頭の中でさんざん反論してみたあげく、ああ、やっぱりこの人の言っていることは正しいかと、自分で納得できたときに、初めてその内容がわかったと言えるのだと思います

    ●位置: 679
    私の場合を言えば、少なくとも自分の研究している分野のものだと、論文を読んでも、本を読んでも、そのまま素直に頭に入れるということはありません。1行読むごとにおかしいんじゃないか、間違っているんじゃないかと思って読んでいます。自分が勉強している分野以外でも、法学や政治学や医学の話でも、新聞などを読んでいても、書いてあることをそのまま鵜呑みにして信用することはまずありません。別の人から聞けば、別の話を言うかもしれないというぐらいの留保条件をつけて頭の中に置いてあるというような感じだと思います

    ●位置: 685
    まずは、何でも疑ってかかるクセをつけてみる。  本格的な勉強をしようと思ったら、それが勉強するために必要な基本的な姿勢です。極端なことを言えば、勉強は疑うことからしかはじまらないと私は思っています。学びたいという欲求は、何か疑問があったり反論があったりするところから湧き出てくるものです。ですから、学ぶクセをつけるには、教えられたことをただ素直に受け入れるのではなく、疑問を持つことが第一だと思うのです

    ●位置: 793
    少し抽象的な言い方をすれば、前項の話にもつながりますが、何の情報を知りたいかではなくて、それを使って何がわかるようになりたいのか、何をしたいのかという、情報の先にあるものを、できるだけ考えてみること

    ●位置: 819
    目標達成よりも重要なのは、きちんと理解度を高めていくことです。どこにどう時間を使ったらいいかは、目標や計画を立てるときには、ほとんど予想できないものです。そうであれば、あまり目標や計画を厳密に立てるよりは、実をとって、本当に理解できることを優先する。そのためには、場合によっては当初の計画が大幅に遅れることもありえる。そのような、ゆるいスケジュールのほうが、うまくいく可能性は高くなります

    ●位置: 1,138
    何かを学ぶというのは、考えるということです。つねに頭の中で自問自答しながら、立ち止まったり、行きつ戻りつしながら、徐々に深めていくのが学問の本来あるべき学び方だと思うのです

  • 答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強法は、疑いの眼差しを持って専門書を読むことで身につけられるという。もっとも著者は大検で大学に行くくらいの変わり者だから、万人に当てはまるとは思えないけど。

  • だいたいそうだろうなという内容でした。なんで買ったんだろう・・・笑

    メモ
    どこまでが一般化できる話なのか、特殊要因はなかったのか
    違う状況で考えたら結果は異なるのではないか
    疑いながら読む
    自分が仕入れた情報を自分の言葉でアウトプットする

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著者プロフィール

柳川範之(やながわ・のりゆき)東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)、『東大教授が教える独学勉強法』『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社)などがある。

「2023年 『東大教授が教える 「自分の頭で考える力」の鍛え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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