- Amazon.co.jp ・電子書籍 (279ページ)
感想・レビュー・書評
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子育て中のリアルなキラキラした感情や情景がいっぱい詰まった本だった。私も二人を育ててきて、そうそうそう、この気持ちとかこの情景ぴったりはまる!と思った箇所がたくさんあった。トモが踊りを見せてくれた後に聞き間違いして言い間違いするところとか、胃腸炎で粗相しちゃった後にオムツを履きなさい!おねしょシーツもするからね!っていうぐちゃっとした感情のシーンとか超リアル。
そんな文章の積み重ねを読んでいる中で、改めて、子どもたちの貴さを実感し、貴重な日々の時間や掛け替えのない日々のやりとりを大事に大事に過ごしていきたいなとジーンと染み込むように、心の中心が遠赤外線で温かくなるような本だった。
セラピーを受けてスピリチュアルな経験をするとか、偶然に雑誌の写真で見たAID上の父の子に、そして偶然に巡り会えるなんていう奇跡的なことも、不思議なことにこの本ではわざとらしく感じなかった。普段の私だったら「そんな偶然あるわけないじゃん」とサーっと気持ちが引いてしらけてしまうだろう内容にも、全く違和感なく読んでいけたのは、この本に流れている、子どもへのキラキラした感情と、それに共感した私の気持ちが、違和感を感じることなく読めたんじゃないかと不思議に思う。
ただ、最後の最後でコウタ君が死んでしまう場面、あれはあれで一つのエピソードとして親から子どもへの思いが凝縮されていて、いろんなものが詰まった部分になっていたが、でも、死んでしまう必要はなかったと思う。死なないほうがよかった。死ななくてもそれでも十分、この本は子育てのキラキラを伝えられたのに、残念だった。
とはいえ、とてもいい本だった。