FRANK フランク [DVD]

監督 : レニー・アブラハムソン 
出演 : マイケル・ファスベンダー  ドーナル・グリーソン  マギー・ギレンホール  クリス・コイ  スクート・マクネイリー 
  • 東宝
3.29
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104083609

感想・レビュー・書評

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  • 映画館

    「才能とは何か」を皮肉的に描いた作品。バンドをやっていれば起こりそうなアクシデントを、ものすごく大げさにして詰め込んだ感じ。
    フランクの母親が「この子の音楽の才能は元々あったのよ。精神疾患とは全く関係が無いわ」と言ったのが印象的だった。

    UKサウンド(USバンドだけど)に包まれてカオスの中に入り込めれば良かったんだけど、映画の中の人達クレイジーすぎてちょっと置いていかれてしまった。

    あと、テキサスのライブで主人公がオリジナルソングを突然やったのには、スクリーンを飛び越えてドン引きした…

  • シュールでクレイジーな作品に見せかけて実際のところすごい繊細。評価が難しい作品。
    ひょんなことから実力派のバンドに入ることができたジョンはとにかく才能がない。努力だけでどうにかなる問題でもないのだ。そんなジョンが入ったバンドには常にしっかりとした被り物をしているフランクがいた。フランクは紛れもなく天才。バンドメンバーはどこか壊れていて社会性に乏しく、ジョンは精神的に健康ではあるもののやはり才能が皆無。
    バンドでやっていくにはどちらもが大事で、その有能と無能との差を実に巧妙に描いている。

    フランクが舞台上でぶっ倒れて、ジョンにお前の歌クソだなみたいに言い放つシーンはなかなかのクレイジー。クララもおかしいし、ジョンの前のキーボードの自死も。

    ラストがこの映画のすべてをまとめている。被り物がとれてしまったフランクがみんな愛しているって歌う静かなシーン、好きだな

  •  ふとしたことから実力あるバンドに一員になることができた主人公。しかし、そのバンドの中心人物フランクはずっと被り物を被り続けている奇妙な男だった。

     才能ある(?)が病んでいるバンドのメンバー達。主人公はそこまで病んでないが全く才能がない。だから彼らの間では実は常に断絶が起きている。
     才能があっても社会性がなければ売れない。社会性があっても才能がなければ売れない。じゃ、両者が組めば売れるかといえばそうでもない。
     フランクが病んでる理由が特になかったり、ラストに何も起きなかったりするのは返ってこの映画のいい味になっている。
     心地よい宙ぶらりん感の映画。

  • 繊細な映画だった。
    決してバンドやろうぜ的なポップな内容ではない。
    フランクは本物の天才で、ジョンはやっぱりただの凡人で、天才と凡人の苦悩の描き方が素晴らしかった。
    天才は生まれ持った才能故に繊細で、とても壊れやすい。創作活動をしている人が観たら色んな事を感じる映画ではないでしょうか。

    アルバム製作中に他者が訪れ、フランクとくるくるまわってるのとてもほのぼのした。
    あとフランクが即興で作った立った糸の歌も可愛かった。
    フランクのほわ〜っとした癒し系なキャラがよく出てるな〜と。才能がある人に限ってこんなギャップがあるのはずるいと思う笑
    個人的に音楽の事はわからないけれど、劇中で流れている音楽どれも好きだった。

    ラストシーンも素敵だった。被り物をしていない状態で、みんな愛してると歌うフランク…。とても純粋で感受性の豊な人だからこそみんなに愛されているのだと思う。バンドのメンバーも「お前フランクか!?」とか「心配してたんだぞどこ行ってたんだ!?」みたいな無粋なものなくフランクの言葉に曲をつけて、音楽を作り上げていってたのが、音楽の素晴らしいところなのかなと。
    ジョンが去っていく終わり方も個人的にはしっくり来た。
    うん、ジョンは音楽の才能がなかったね…。

  • 最近観た映画の中で、断トツに面白かったのが本作です。
    張りぼての被り物を決して脱がない、ミュージシャン・フランクのお話なのですが、このフランクの被り物がなんとも妖しくユーモラスなので、どんなコメディなんだろうと思って観たのですが。。。
    ただのコメディだけでは終わらない奥深さのある作品でした。
    コメディである反面、とても真面目で真摯であったり、とても切なかったり。

    何とも言えない不思議な魅力があって、どこがどう良いとうよりかは、直感的に「好き」と感じる作品でした。

    (2014年 イギリス/アルランド)

  • メンバーが離散し主人公が都合のよい贖罪を続けている中、どう物語が締まるのだろうと思っていたが、最後の歌で全てが解決した気がした。
    汚くて臭くて掃除をした方がいいトイレであっても、フランク達にとってはそれがいい。主人公は彼らの芸術性こそ理解していたが、もっと根っこの人間的な部分は理解できていなかった。
    仮に最後のステージにもう一台キーボードがあったり、主人公に音楽のセンスがあったとしても、あのアドリブには参加できなかっただろう。それまで参加できていたのは、ドンやフランクが蛇足的に歌詞を足して誘い入れてやったからだ。クララやその他のメンバーが我慢してやってたからだ。

    離散は主人公の自分勝手な行動やメジャー志向だけが原因ではない。
    約一年の共同生活を経てお互いに歩み寄ってはみたものの、人間の性質として違う存在なのだ。

    最後の歌は主人公にとってフランク達との決別となったが、フランク達にとってはもっと大きな、自分達以外の全てとの決別であったように自分は思う。

    ただの物珍しいバンドのいざこざではない。
    歌と、わざわざフランクの面をかぶって自殺したドンの存在がそれを物語っている。

  • イギリスに実在した被り物コメディアン(Frank Sidebottom)を元にしたドラマ。
    見た目からてっきりコメディかと思ったら痛い目に会うパターンの奴です。

    主演は仕事をしながらも作曲を続けつつ、自らの才能に行き詰ってる、的な青年ジョン。
    演じるはハリー・ポッターでロンの家の長男を演じたドーナル・グリーソン(記憶薄…)。

    彼がふとしたきっかけで、被り物をしたフランクというボーカリストを中心とした
    バンドに参加して、フランクの才能に魅かれていく。
    が、フランクの音楽は独創的で、世間ずれしていない物。
    フランク自体、ジョンが参加する前からのバンドメンバーにも顔を見せたことがないという変人。
    (医師の診断によってそれが認められている、という)

    フランクの世界に触れ、彼のようになりたいと思いつつ、
    自らの才能のなさに打ちひしがれるかつてのキーボードプレイヤー。
    3人目となったジョンは、フランクの音楽を世間に認めさせたいと、
    自らの野望も込め、暗躍するのだが…

    といった感じで、カリスマたるフランクとその周囲の面々、
    バンドの曲作りやレコーディングという
    ちょっとかじった人間にはなつかしく、ただカリスマ至上主義過ぎてちょっと
    日本赤軍(カルト)的なこわさをかんじつつ…とうのが映画のほとんどを占める。

    終盤はそんなフランクを市場主義の世界に立たせようとするジョンと
    意外なフランクの弱さによって、切ないエンドへ(しかしバッドエンドではない)。

    よくしらないんだけど、実際のFrank Sidebottomはクイーンやカイリー・ミノーグを
    ネタにして、コメディアンとしてちゃんとマスの世界に出ていたようなんだけどね。

    イギリス版「マン・オン・ザ・ムーン」的なものなのかもしれないね。

    仮面を被って自らの姿を隠して活動していた男をマイケル・ファスベンダー。
    X-MENファーストクラスなんかの、若マグニートーさんが演じています。

  • 対人恐怖症なのかPTSDなのかわからないけど、とにかくマスクを被ったままのボーカリスト。絵面がシュールですが、音楽もかなりシュール。なんだ、この暗い前衛プログレは…。

    映画としては、凡人が変人に振り回されて七転八倒するという、よくある話型です。いちおう感動的なラストなのでしょうが、あまりピンと来なかったなぁ。

  • サリエリとモーツァルトって感じかなあ。
    凡庸な音楽家の肖像。

  • Instagramで見かけてずっと気になっていた、しっかりした被り物をした彼のこと。
    同じような家が並ぶ住宅街、平凡で変わらないけど何かが始まることを待っている毎日。
    突然の出会いがあるなら、作り上げた先にある別れも突然。
    何やってもメンタルイルネスで説明がつくからそこが都合がよくって、すんなり見守っていられる終盤。(皮肉ではない)

    『音楽を作る』作品の中で、ONCEとBegin Againに続いて好きな1作。
    #nomnomnomを使いたい。
    フランクの「僕史上、最も愛される曲」で笑った人と友達になりたい。
    ところどころ変てこで、そこがとても面白かった。
    エンドロール後すぐに、Chris Sieveyのことを調べました。

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