糞尿譚 [Kindle]

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  • 2015年1月10日発売
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感想・レビュー・書評

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  • ☆4.5 「坊つちやん」みたいな話
     汚らしい話かと思ひきや、糞尿汲取事業の話で、意外に描写もうまいし、語り口も滑稽で軽妙でおもしろく、相当の技量である。「坊つちやん」とはすこしちがふのだが、人物の造形といひ、最後の復讐といひ、どことなく坊つちやんみたいで、印象に残る、愛嬌のある作品だった。これは第6回芥川賞をとったが、つまらない芥川賞のなかでも珍しくおもしろい作品である。

  • 糞尿というのは、人間の真の姿を引き出すものなのだろうか?火野葦平は、実に”いいモチーフ”を見つけたと思う。
    主人公の彦太郎は、自分で起こした事業の糞尿汲み取り業に、愚直なまでに己のすべてを賭けている。経済的な危機を脱したい、というのもあるが、読み進めていくと、どうもそれだけではないことがわかる。なんというか、そこまでしてやるのか……、というものにほとんど出合ったことのない自分は、彦太郎を羨ましく思う。そして彼は、まさに愚直なまでに、お人好しで素直。こんな人、今いるだろうか。
    そんな彼が、糞尿によって”変わる”。真の己に気付く。そのラストが凄まじい。”黄金色に輝く“仁王のようだ。

  •  
    ── 火野 葦平《糞尿譚 1938‥‥ 小山書店 20150110 全国書房》Kindle
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00SB0Y7M8
     
    https://www.aozora.gr.jp/cards/001488/files/51168_53838.html
    ── 火野 葦平《選集 一巻 19580531 東京創元社》19380207 芥川賞
    http://prizesworld.com/akutagawa/senpyo/senpyo6.htm
     
    ── 野村 芳太郎・監督《伴淳・森繁の糞尿譚 19570521 松竹》
    https://movie.walkerplus.com/mv25104/
     
    ── 火野 葦平《黄金部落 1948‥‥ 全国書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JBO5U6
     
    …… 父は死し、叔父仁介があとのみかじめをしていたうえに。
     火野 葦平 作家 19070125 福岡 東京 19600124 52 /自殺 19720124 公表/籍=玉井 勝則
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B2%D0%CC%EE+%B0%B1%CA%BF
     
    https://ameblo.jp/seven7-eight8/entry-12214583092.html
     読み終わった日:20100507 七転び八転び!? 15分で1冊 
    https://twitter.com/awalibrary/status/1187863161220632577
     
    https://movie.walkerplus.com/mv25104/
     
    https://q.hatena.ne.jp/1571902489#a1272794(No.1 20191026 10:47:00)
     
    (20191026)
     

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著者プロフィール

1907年1月、福岡県若松市生まれ。本名、玉井勝則。
早稲田大学文学部英文科中退。
1937年9月、陸軍伍長として召集される。
1938年『糞尿譚』で第6回芥川賞受賞。このため中支派遣軍報道部に転属となり、以後、アジア・太平洋各地の戦線に従軍。
1960年1月23日、死去(自死)

「2016年 『青春の岐路 火野葦平戦争文学選 別巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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