読書 [Kindle]

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  • 2015年1月10日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 「書物を読むということは、自分の思想がそこまでいかねばならない。一脈相通ずるに至れば、暗夜に火を打つが如く、一時に全体が明となる。偉大な思想家の思想が自分のものとなる。」という文章に目が留まった。

    万人が認めるような人物の本をたくさん読んで、少々難しくてもチャレンジして読みなさいと言われているが、この文章は、読むには自分のレベルもある程度アップせよと言われてるようだ。

    一脈相通ずるレベルまで自分をもってくる必要があると。

    確かに偉大な人の書というのは奥行きが深く、一回目読んだときと二回目読んだ時とは見えてくるものが違うように感じる。読むこちら側の境涯が少しでも高まれば、偉大な著者のさらなる深みが見えてくるように思う。前回気付けなかったことに気付けたというように。

    そして、全体がパッと明らかに見えて初めて分かったと言えるのだな・・・。

  • 京都学派の哲学者、西田幾多郎の個人的な読書論です。
    全集等は持たず読まず、少ない読書で著者の思想や骨子を理解することの重要性と効率性が語られています。
    確かにそれによって他者としての思考が可能になりますが、読解力を有することが前提です。
    努力あるのみでしょうか。
    短い一冊ですが、今後の読書の参考になりました。

  • 例えば、アリストテレスならアリストテレスに、物の見方考え方というものがある。そして彼自身の刀の使い方というものがある。それを多少とも手に入れれば、そう何処までも委しく読まなくとも、こういう問題は彼からは斯くも考えるであろうという如きことが予想せられるようになると思う。私は大体そういうような所を見当にしている。

    哲学書を読んだときにどうしたら読んだと言えるのかの一つの目安が分かった。

  •  意外に思ったが、西田氏は多読ではなかったらしい。特定の人の書物を研究的に読むことはしなかったらしい。
     西田氏の読書論が短いけれどもなるほどの説得力で書かれているのでとにかく一読されたし。

  • その作者の骨を理解できたなら、細かく読む必要は無い

    細かく、というのはその作者の全集を買い込んで隅から隅まで読む必要は無いってこと
    骨を理解することが重要で、理解できたなら、というのが前提ですが

    実践的で身になる読書のススメ、という感じでしょうか?

    よく、何か知りたいことを身に付けるにはそのジャンルの本を最低5冊は読めと言われるけど、知りたい事柄の内容や、理解度によって必要な冊数は変わる。
    肝心なのはいくら読んだかでは無く、その本質をどれだけ知ることができたか。

    読書術の本好きでちょこちょこ読むのですが、その基本がもうこの時代にさらっと書かれている。というか普遍的なものだってことなんですね。

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