寄生獣 DVD 通常版

監督 : 山崎 貴 
出演 : 染谷将太  深津絵里  阿部サダヲ  橋本 愛  東出昌大  岩井秀人  山中 崇  オクイシュージ  池内万作  豊原功補  大森南朋  北村一輝  余 貴美子  國村 隼  浅野忠信 
  • 東宝
3.34
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本棚登録 : 487
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104096463

感想・レビュー・書評

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  • まずひとつ。今の邦画によくある「エフェクト感バリバリのトーンを暗く落とした画面」「クラシック調の荘厳風味のBGM」こういう、シリアスな感じを出したいが為のクソ演出はもうやめてくれ!日テレ映画によくあるパターンだけど。デスノートと造りがまっっったく一緒。でもまだ2万歩くらい譲ってデスノートの方が、作品に愛情があった。こっちは酷いもんですよ。

    まずキャスティングに難がありますよね。
    まぁ実写モノのキャスティングにイメージ違うとか似てないみたいな難癖をつける気はないんですが、まったく原作のキャラクターを理解できてないというので気になりました。

    染谷君は嫌いではないですが、原作のシンイチとはあまりに雰囲気がかけ離れている。シンイチはもっと明るくて元気でどこにでもいる普通な青年。寄生獣の、シリアスな話なのにどこかのほほんとした雰囲気を作っている重要な要因の一つがこのシンイチのある種の「ポップさ」で、だからこそ母親が殺されてからの真面目な感じが生きてくるんだと思うんです。
    映画のシンイチは、最初からやや厭世感を持つ暗い青年に描かれていて、これがすごく違和感がある。というか、今の若者はみんなちょっと闇や狂気を潜めてるよね?的製作陣の浅はかな考えまで読み取れて、非常によくなかった。それに輪をかけ、映画の短い中に詰め込みすぎた演出のせいで、シンイチがミギーに寄生されても、人が死んでいっても、ゲームのようにそれらをすんなり受け入れていってるサイコパスのような雰囲気になってしまってる。現に、原作でもシンイチは人間としての感情を失っていってしまうのだが、最初から無いのと、だんだん失っていくのでは全然意味合いが違う。
    映画ではシンイチにまったく感情移入できなかった。これが一番残念なところ。

    村野里美は、クラスのマドンナでは決して無く、クラスでもちょっとからかわれるけど愛嬌があって幼馴染的に健気に支えるキャラじゃないですか、原作では。だからこそ人間の道を外していくシンイチに寄り添えたし、母親代わり(これが大事)になって、愛情を注げたはずなんです。
    橋本愛ちゃんも嫌いではないんですが、まず美人すぎますよね。それにあのクールな雰囲気なんで、オカンみたいに支えるどころか、童貞クンにちょっかいかけてるイケイケの女、みたいな雰囲気になってるんですよ。絵を崩すシーンとか正に、ですけど明らかに上からの構図になっている。(染谷君の暗ーいキャラも相まって…。)

    だから寄生獣のストーリーを追ってくという意味では、メインキャストにあまりに人間味、心がないんです。本来、心が無いのはミギーだけなはずなのにミギーの方がまだ人間味があるよ!
    わざわざ二部作にしてるくらいなんだから、その辺の人間としてのやりとり、ドラマは時間をかけてもきちんと描くべきだったと思います。

    ミギーはグロくて怖いけど愛嬌があって、ってのは良いんですが、原作では心がまったく無い生物として描かれ(ているはずなんだけれど…?という重要な意味も込められている)、シンイチを保身として利用してるじゃないですか。だからこそ、協力してシンイチがミギーを信じ始めても、たまに怖さが見える。
    そこに、寄生生物と人間の相容れなさを感じるわけだし、ラストのシンイチの消えてしまうミギーへの愛情も深くなるんです。
    映画でも、ミギーは人間を利用していると描かれていますが、あまりに映画が駆け足なのと染谷君が何でも受け入れてしまうが故に、ミギーの異物感が削がれ、人間をサポートしているようにも見えてきてしまってるんですよ。人間が面白い、というミギーの身勝手な興味から、徐々に「心みたいなもの」を人間らしいシンイチを通して得ていくものなのに、この過程がまったく描かれていないのは、この作品の旨味を何一つ描けていないのと同じだと思います。

    完結編はDVDですら観たくもないですが、一応観たらまた合わせてレビューします。この映画を原作を未読の方の意見は少し聞いてみたいですね。

  • 普通の高校生・泉新一(染谷将太)は人間を捕食する新種の寄生生物(パラサイト)に突如襲われた。新一の脳を奪うことに失敗したパラサイトは、右手に寄生してしまい共同生活をする。やがて一大組織を形成し人間を補食するパラサイトたちと戦う。
    主演は染谷将太、橋本愛。
    岩明均の大ヒットコミックを『永遠の0』の山崎貴監督が実写映画化。

    ミギーが新一から人間について学ぶコミカルなシーン、体の一部を武器にして戦う奇想天外なアクション、新一とミギーの友情、新一と母親や里見との絆、人類の意義、熱い感動を呼ぶエンタメ映画に仕上がっています。

  • 2014年 日本 109分
    監督:山崎貴
    原作:岩明均『寄生獣』
    出演:染谷将太/阿部サダヲ/深津絵里/橋本愛/東出昌大/北村一輝/浅野忠信

    増え過ぎた人類を淘汰するためか、人間に寄生し捕食する生物が生まれ、東京湾に上陸する。トカゲのようなその幼虫は次々と人間に侵入し脳を乗っ取り寄生していく。高校生の泉新一(染谷将太)は、その晩うたたね中に寄生されそうになるが気づいて防御したため右手に寄生されてしまった。その生物は自らをミギー(阿部サダヲ)と名付け人間の言葉や文化を吸収し、新一と共存し始める。

    やがて新一は、寄生された人間に次々遭遇。知恵を身に着けた寄生生物たちは独自のコミュニティを構成。新一の学校にやってきた教師の田宮良子(深津絵里)は探究心旺盛なタイプで、自らの体を実験台に人間の子供を妊娠中。彼女のお腹の子の父親である警官Aは寄生が中途半端な新一に殺意を抱き、彼を始末しようとするがミギーが勝利、しかしとどめを刺さなかったために、生きていたAは新一の母親に寄生してしまう。

    寄生された高校生の島田秀雄(東出昌大)は新一の学校に転入してきて、田宮良子と共に新一を監視しているが、新一のガールフレンド里美(橋本愛)の所属する美術部でモデル中に、寄生生物であることが発覚、女生徒たちを皆殺しにしようとし…。

    以前テレビで放送したときに見てとても面白かったのだけど、完結編は見ていなかったので、そちらを見る前に改めて。原作は未読だけど、これは実写化映画としてはかなり成功した作品だという印象。単純に寄生生物との戦いというだけでなく、人間を人間たらしめているものとは何かと考えさせられるところが良い。

    とくに母性愛についてクローズアップされており、新一の母(余貴美子)が寄生されてもなお新一を守ろうとするところ、田宮良子の母が、娘の異変に即座に気付くところ、そして田宮良子自身が妊娠することにより人間的な意識を持ち始める。一方で新一は一度警官Aに殺されたがミギーの治療で蘇ったせいで、細胞レベルでミギーとの同化が進行、人間らしい感情を失い始めながらも、里美を命がけで守ろうとする。

    寄生生物たちはどんどん人間への擬態能力を高め、ついに政治家になろうとする者(北村一輝)まで現れる。そしてラスボスらしき浅野忠信。彼らは、地球全体のために増え過ぎた人類を駆除することを目的・使命としている。寄生生物自体は繁殖できない。新一は寄生生物たちを全滅させるべく戦う覚悟を決め…というところで前編終了。

  • 1990年代に売れたマンガの映画化。この手の映画は先入観もあって本来は観ないのだが、染谷将太月間にしているので観てみることにした。設定的には大雑把でいい加減。
    SFスリラーのマンガとしては楽しめるが実写版にした難しさはあるのか、稚拙にも感じる。

    そこを染谷将太の存在感と声だけの出演だが阿部サダヲのコミカルさで成り立った気がする。映画は面白く観られた

  • 細かなアクションなど、物足りないところはありますが、原作をうまく消化して映像化しているように感じます。
    何より、ミギーのCGと阿部サダヲの声、無機質な演技に徹する深津絵里が秀逸です。
    余貴美子も◎。

  • 映像がリアルだった。しばらく挽肉無理だ。

  •  岩明均の原作は連載中にリアルタイムで読んでいたし、マンガ史上に輝く名作だと思う私である。
     しかしこの映画版は、うーん……、微妙。コミックスでいうと全10巻中の5巻分を一本の映画(前後編の前編)に無理くり収めてあるから、ドラマのダイジェスト版を観ているような感じで、話の進め方がなんともあわただしい。

     この映画の脚本作りは、5巻分の話を100分に収めるための“つじつま合わせのパズル”のようだったのではないか。
     「新一に母親しかいない設定に変えれば、父親を描く分の時間が節約できる」とか、「Aが新一の母親を殺す設定に変えれば、ここで10分節約できる」とか、そんな感じで……。

     なんとか整合性のある話にはなっているし、“パズル”をやり遂げた努力は買おう。ただ、原作を読まずに映画だけ観た場合、この物語の魅力の半分も伝わらないだろう。

     『寄生獣』はテレビアニメにもなっていて、先月まで放映されていたそのアニメ版(『寄生獣 セイの格率』)も、私は「GyaO」で毎週楽しみに観ていた。この映画版と比べれば、アニメ版のほうがはるかに出来がよい。

     まあ、アニメ版は全24話だからじっくりとストーリーを追えるし、内容も原作に忠実だったから、私のような原作ファンにはアニメ版のほうが好ましく思えるのも当然だが……。

     わずか2時間程度の一本の映画で描けることは、意外に少ないものだ。ゆえに、長編小説や長編マンガを一本の映画にする場合、駆け足のダイジェストになってしまうのは致し方ないとも言える。

     明日から映画版の後編(完結編)が公開されるそうだが、私は観に行く気が失せた。

  • 漫画は読んだ事ないけどアニメは観た派です。
    CGやスプラッター部分はクオリティが高く違和感なしでした。ストーリーも早足感も感じず面白かったけど説教くさい(環境問題とか)と見るの面倒になっちゃう

  • 漫画全巻持ってるが映像化されてもあまり劣化しなかった。
    割とよく出来てる。

  • 気持ちの変化に従って、鋭く変わっていく主役の染谷くんの表情が上手いなぁ。それとは対照的な東出くんのわざとらしい笑顔も忘れられない。
    新一の母親、田宮良子の母親、そして母となる彼女自身、しばしば母親という存在がクローズアップされていて、理屈じゃない愛情を考えさせられた。
    ミギーにも愛着が湧いてくるw

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