太平洋奇跡の作戦 キスカ [東宝DVD名作セレクション]

監督 : 丸山誠治 
出演 : 三船敏郎  山村聡  佐藤允  中丸忠雄  志村喬  平田昭彦 
  • 東宝
4.22
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988104096746

感想・レビュー・書評

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  • 1965年東宝。監督は丸山誠治で、特技監督は円谷英二。白黒作品です。
    主演は戦争映画に欠かせない三船敏郎。そのほかに山村聡、中丸忠雄、稲葉義男、田崎潤、藤田進、土屋嘉男、平田昭彦、佐藤允、西村晃、志村喬などが物語の主要登場人物です。『ウルトラマン』でお馴染みの黒部進、二瓶正也も登場します。
    これといった女優陣が登場しないのは戦争映画だから仕方がないのかもしれませんが、ちょっと寂しいですね。(>_<)

    ミッドウエイ作戦の支作戦であるアリューシャン列島のアッツ島、キスカ島の占領であったが、ミッドウエイ海戦の敗退にもかかわらずアッツ、キスカは日本軍に占領されたままであり、むしろ孤立した状態となっていた。そして、アメリカ軍侵攻によるアッツ島守備隊の玉砕。いまやキスカ島の守備隊はアメリカ艦隊の大軍に包囲され、その運命は風前の灯であった。ここに、キスカ島守備隊5,200名を救うべく第五艦隊第一水雷戦隊の大村少将に救出命令が下される・・・。

    太平洋戦争で負けがこんでいた中期以降の作戦で、非常に困難な撤退作戦を見事に成功させるという燦然と輝く実話に基づいたドキュメンタリーぽい物語です。しかしながら、本作に出てくる人物名は微妙に変えられていて、もしかすると実話からの脚色もある程度あるかもしれません。
    当時のキスカ島守備隊の参謀や軍医長も本作の監修に携わっているとのことで、特典映像の裏話も面白かったです。
    上司であり同期でもある山村聡扮する第五艦隊司令長官と、部下となり困難な作戦を命ぜられた三船敏郎扮する大村少将のやり取りは、これぞ組織の暖かみと醍醐味ということでとても見応えがありました。また、大村少将と第一水雷戦隊の面々とのやり取りもこれぞザ・仕事ということで(笑)大いに満喫できたと思います。やっぱり指揮官役に三船敏郎はとても似合っていますね。普段はのんびりしているようで、仕事をやるときには敢然と決断し状況に応じて最善の判断を下す!という役にぴったりだったと思います。(本作品のもととなった実在の木村昌福少将もアメリカ軍からの評価が高かったとのことです)
    アメリカ軍の包囲の中で、濃霧をついて作戦を決行するという方針をブレさせず、最初の決行は霧が浅くなったため引き返したり、撤退準備のため守備隊が湾に集合しながらも何度もスカされるということを繰り返しながら、最後には日本艦隊がアメリカ軍の包囲を無事突破して、湾に突入したあたりは、やはり分かってはいてもとても爽快な気分になりました!(^o^)
    少しの難を言えば、憎まれ役が軍令部作戦部長役の西村晃だけで、物語をもっと盛り上げるために海軍内部からのパッシングがもっとあっても良い気がしましたけど。(笑)
    そして本作で忘れてはならないのが、円谷英二の特撮です。爆撃のシーンや、潜水艦の突入や艦隊の操舵などのシーンなど当時の特撮の技術を凝らして撮影したと思われて、現在の技術からは比ぶべくもありませんが、それなりの迫力があるシーンであったと思います。個人的にはB24リベレーターとかP38ライトニングとか旗艦・軽巡洋艦「阿武隈」とか、模型ながらも割とこだわりながら再現されていてこれもなかなか良かったですね。
    実話に基づく「奇跡の作戦」を見事に映像化した作品であり、戦略面だけでなく人道面においても日本軍が成功した数少ない作戦として映画化にもぴったりの娯楽作品であったと思います。

    あ~、しかし女優の出ない映画はやっぱり寂しいなあ~。(笑)

  • 広漠たる太平洋
    そこに点在する幾多の島に
    かつて 日米両軍の凄惨な死闘が
    繰り返された
    洋上に孤立した島に立てこもる
    日本軍守備隊が
    常に同じ宿命をたどったのは
    全員 戦死
    “玉砕”とは すなわち非情無残な
    皆殺しの戦いである

    ガダルカナル島 
    戦死 24,000

    マキン、タラワ島
    戦死 5,400

    クェゼリン、ルオット島
    戦死 7,900

    サイパン、テニアン島
    戦死 39,000

    グァム島
    戦死 19,000

    硫黄島
    戦死 20,100

    そして 北太平洋の
    アリューシャン列島に
    昭和18年5月29日 アッツ島守備隊
    2,400名が玉砕した

    それより更に東へ120海里
    キスカ島に立てこもる5,200名の将兵も
    やがて同じ運命をたどることは
    避けるべくもなかった



    戦争映画を観ることを、私は一種のライフワーク的に行っている。と言っても戦争映画ばかり観るわけにもいかないので「なるべく観る」程度だが、今年の8月は戦争映画・戦争関連番組をほとんど観られなかった。というわけで『太平洋奇跡の作戦 キスカ』をレンタルしてきた。

    『キスカ』は名作としてとても有名な映画。ようやく観ることができて嬉しい。1965年公開、当時の東宝オールスター俳優たちが全員出る。黒澤明、本多猪四郎(ゴジラ)、岡本喜八作品など東宝映画のファンにとっては、知った顔の人が全員集結しているので、こんなに嬉しいことはない。

    監督は丸山誠治さんという方で、私はこの人の映画を初めて観る。黒澤明や本多猪四郎と同じく山本嘉次郎の門下生だそう。『連合艦隊司令長官 山本五十六』『日本海大海戦』『大空のサムライ』などを監督。うわぁーお。よく考えたら、東宝の戦争映画はあまり観ていないことに気づく。84年の『零戦燃ゆ』ぐらいしか観てないわ。サニトラが走り回るという変な映画でしたが。やっぱ84年頃はダメだわ。

    ストーリーは、キスカ島撤退作戦の話。史実を知っていたらどうなるかもわかるので、大して面白くない。しかし史実自体が面白く、考えさせられる点が多い。アッツ、サイパン、硫黄島、沖縄戦、どれもそうだが、戦陣訓がなければここまで人間が死んでなかったのではないか?と。アメリカ側からすれば、天皇を中心とした宗教に支配されている国だと見なされていたそうだ。

    玉砕して多数の戦死者が出る中、キスカ島だけは日本兵たちを撤退・脱出させる作戦を行うことになった……という、それだけのお話。
    戦争というのは一旦始まってしまうとなかなか止められず、延々と暴力が続いてしまう……というのは2022年の我々が観ると、大いに共感できてしまう点。
    その中で、では命を生かすためにどうすれば良いか?と働いた人々の話で、これはけして美談ではない。戦争という悲劇の裏返しで、コントラストがより強くなる。『ハートロッカー』と近い傾向の映画。

    特撮パートも丁寧に作られていて良い(もちろん円谷特撮の有名な方々全員参加)。考証的には違う部分もあると思うが、三船敏郎が作戦の司令官に任命され、南方から北上するシーン。飛行機を正面から撮っているカットの機体をちゃんと変えていて、とても細かい!そして時間と距離の経過をちゃんと感じさせる。

    白黒映画だが、この頃の特撮の場合、白黒の方が特撮のアラが目立たずに、よりリアルに見える。米軍から爆撃されるシーンもドッカンドッカンやっててすごい。

    キャストについては多すぎるので、少しだけ。
    ・まず西村晃さん。当然、怪優時代です。黒澤の『悪い奴ほどよく眠る』は、西村晃さんがいなかったら成立してないとすら思う。怪優時代の西村晃さんは、嫌な奴の役がホント多かった。

    ・二瓶正也(イデ隊員)と阿知波信介(ソガ隊員)の共演!!

    ・あまり有名じゃない方で、すごく見覚えのある顔だなあ…と思ったのが、木曽艦長の伊藤久哉さん。ウルトラQのトドラの回、ウルトラマンのゲスラとメフィラスの回、セブンのメトロン回など、印象的な回に出演されている。

    ・映像特典に出演されている、キスカ島生還者の近藤敏直さんが「山本五十六に憧れて…」と仰っていたが、新潟出身だった。

    ・撤退作戦後、キスカ島に上陸した中にいたのがドナルドキーン。先日『映像の世紀』でやっていたボルダーボーイズ。キーンやオーテスケーリなどボルダーボーイズのメンバーの話は『アメリカ素描』にも出てくる。司馬遼太郎と同世代。

    上映時間も1時間45分ほどで短くて良い。軍事作戦の話なのでこれぐらいが良い。そして、キスカを観るとドラマ映画としては物足りなくなり、2年後の『日本のいちばん長い日』をまた観たくなってしまうのだった……。

  • 戦争映画は基本的に興味はないけれど、本作は"戦闘"ではなく実際にあった"救出劇"。
    なのでこれの見どころは、様々な困難があるなかで、三船敏郎演じる司令官が指揮を取り、キスカ島の日本軍を救出にゆく艦隊が、霧の中を危なっかしく進んでゆくところか。つまり、特撮の部分…。
    とはいえ、東宝特撮のお馴染みの俳優さんがたくさん登場して、戦中の雰囲気を感じさせるモノクロ映像で活躍するところは面白く、あっという間に見終わってしまった。
    まぁ当然だけど、女性はひとりも出てこない。いや、案外珍しいかも。

  • 史実のキスカ撤退作戦を題材にした映画。ちょっと脚色されて第五艦隊司令が有能過ぎるが
    派手さは無いが撤退作戦という緊張感のある雰囲気が出ていて楽しめた。

    パッケージはカラーだがモノクロ作品でした

  • 太平洋末期の戦争ものというと、精神論を振りかざした非理性的で理不尽な上官が…、というイメージがあったのですが、これはそれをまったくもって裏切ってくれる映画でした。
    これが史実を基にしているというのだから、爽快感もひとしおです。

    個人的に、最後に犬二匹のみキスカ島に残るというシーンが、なんとなく神話っぽくて好きです。

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