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本 ・映画 / ISBN・EAN: 4988104096753
感想・レビュー・書評
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自分の置かれた環境において視野が加速的に狭くなり暴走してしまう人間の様子がモノクロの画面で描かれる。
善悪は別として「政治」という枠組みの限界も透けて見える。
名優たちが勢ぞろい。
笠智衆が淡々と時の総理大臣 鈴木貫太郎を演じる。
昭和の昔、よくホームドラマで見かけた名優たち。
山村聡、志村喬、加藤武、北村和夫、戸浦六宏、神山繁、高橋悦史、井上孝雄、島田正吾、佐藤允、田崎潤、平田昭彦、中村伸郎、小林桂樹、児玉清、加東大介、などなど枚挙にいとまがない。
いずれも役者としての威厳や知性、品があったなあ。だからきりりとした迫力を感じる。
仲代達也さんの語りも静かに暴走する流れを感じさせる。
「戦争反対!」と叫ぶだけではなく、人間の持つ視野狭窄の危うさ、それは特別な人だけではなく、私たち誰しもが持つ脆さとして客観視できたような気がする。
赤穂浪士の討ち入りも美談で語られてきた部分も多かったけれど、江戸も明治も昭和も同じ。そしてもちろん平成から今の令和も。
エンタメにも親しみやすさとか共感に重きを置かれるけれど、演じる役者の品や威厳尊厳、知性は大事だよなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「沖縄決戦」同様、登場人物をあれだけたくさん出しているのに、スピーディーかつわかりやすい。素晴らしいと思いました。仲代達矢のナレーション、笠智衆、志村喬、三船敏郎、加山雄三、黒沢年男、新珠美千代とキャストもやたら豪華。笠智衆の相変わらずのとぼけた棒読み口調がよい。にじみ出る人の良さが、切迫する状況を描く物語の中でのアクセントになっていると思った。彼がいたからこそ締まった作品になった。
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TVにて
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太平洋戦争終戦前夜の混乱を描いた作品。圧倒的に不利な戦況に御聖断が下り、ポツダム宣言を受諾することになったが、いまだ一部の軍人たちは敗戦を認めずに行動に出ようとしていた。その中でも近衛師団青年将校による宮城占拠事件を中心に据えてつくられている。玉音放送録音盤をめぐる騒動がこれ。そのほかの事件も描かれているのだけれど、史実を知っていないとあちこちで騒乱があったというイメージくらいかな。
それにしても一国の敗戦の混乱がこの程度で済んだというのは幸せなのかもしれないとしみじみ思った。 -
まだ100年経ってない。純粋な人は危うい、その後も起こった純粋な人が暴走した事件を思うと、真っ直ぐな人が少し怖くなる。一方、若い侍従の落ち着き、信念。同じく日本を思っているのに、何で。疲れた。まさにそれに尽きる。
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昔見たのだけど、登場人物だの背景だのがさっぱり分からなかった。
たまたま原作の本の方を読んでそこら編が分かったこともあり、もう一度見てみる。
分かった上で見てみたけど、つまんねえ。
顔芸を見る映画だと言ってしまえばそこまでだけど、「熱演と怪演でごまかさないでほしい」と思った。
韓国映画の「シルミド」を見たときも同じことを思った。国家と個人の相克とか、どうしようもなさとか、その舞台設定でそこまで引っ張っておいて、最後は情でべったべた。何でもかんでもアイゴーって叫ばせときゃいいってもんじゃねえよと白けまくった。
韓国人のアイゴーに相当するのが、日本人は切腹ってわけだ。そういうのでごまかさないでほしいねえ。 -
烏兎の庭 第六部 8.15.20
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/long.html -
2020/6/27
見ました。 -
ポツダム宣言受諾から玉音放送までの舞台裏を描いた映画。原作は半藤一利。
阿南惟幾役の三船敏郎の気迫が凄い。また、クーデターを起こした青年将校、徳に畑中少佐の眼力が半端なかった。
役所広司主演のほうの映画も観て、あっちはあっちで良かったが、本作のほうがリアリティさを感じた。