テナント/恐怖を借りた男 [DVD]

監督 : ロマン・ポランスキー 
出演 : ロマン・ポランスキー  イザベル・アジャーニ  シェリー・ウィンタース  メルビン・ダグラス 
  • パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
3.73
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本棚登録 : 29
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113832397

感想・レビュー・書評

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  • ポランスキーは好きなので、観る機会があれば必ず観るようにはしてる。『テナント』、観た結果好きな映画でした。
    作品って色んな評価軸があると思う。「面白いし好き」「面白くないけど好き」「面白いけど嫌い」など。「面白くないし嫌い」「どうでもいい」が評価としては最低かと。

    で、『テナント』はそこまで面白くはないけど好きです。というのは、この映画ってポランスキーらしさが一番よく出てると思うから。主演も本人だし。

    ポランスキーってずっと同じモチーフの映画を撮ってる。密室、アパートやマンションの一室の話。
    『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』『テナント』『おとなのけんか』……『水の中のナイフ』や『戦場のピアニスト』なんかもそうか。
    で、これはポランスキーの体験してきたことによる。
    ポーランドのユダヤ人で、ゲットーから逃れてフランスに行ったけどそこでもユダヤ人狩りに遭う。
    映画監督として成功したけど、アメリカでシャロンテート事件で奥さんを殺される。そして少女に対する淫行疑惑、その直前の映画が『テナント』です。

    この頃はまだアメリカ脱出前だけど、ポランスキーは根無し草みたいな人生をずっと送ってる。
    この映画でも、フランスに来たポーランドのユダヤ人、ポランスキーの行きづらさや孤独がものすごく出てる。
    最後の方にユダヤ人狩りを再現したようなシーンもあるけど、まるで魔女狩りのように描かれてる。

    面白さのピークは映画館のシーンで、あとは下がって行く。あそこが最高。メガネっ娘のイザベルアジャーニが最高にかわいくてエロい。ヌードとか一切ないけどエロい。
    映画館で『燃えよドラゴン』をふたりで観るけど、ジャッキーチェンが雑魚敵としてやられる有名なシーンで、ジャッキーの顔がはっきりわかるから面白い!

    この映画のキーワードは、たぶん無限後退だと思う。3箇所ぐらいその描写があって、ひとつめはアパートのトイレから自分自身を見るシーン。ふたつめは看板の絵。みっつめはラスト。
    なんでエジプトとかミイラなのかはよくわかんなかったです。原作はあるらしいけど。

    それと、この映画も『めまい』『裏窓』『サイコ』を混ぜたような映画です。ヒッチコック作品はもう、色んな人がフリー素材のように元ネタとして使いまくってますね。

  • 怖いというより生理的な嫌悪感を抱く。若い頃安アパートに住んでた頃を思い出してしまった。当時ちょっとした音に敏感になっている自称病弱のおばさんや嫌がらせされたと大騒ぎするおじさんなんかがいて、この映画にダブってしまってつらい…

    まあ個人的なことは置いといて、監督兼主演のポランスキーがいい演技してます。真面目で気が弱いのがよく分かり、だんだん病んでいくのがリアル。疑心暗鬼になった主人公目線だとどこまでが現実でどこまでが妄想か区別がつかないけれど、実際恐怖とかって当事者がどう受け取るかだからねぇ。真相は分からないけれど、物音一つ、視線一つにでも恐怖を感じれば周りがなんと言おうともその人にとっては死ぬほど怖いものです。

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