夏至南風 (河出文庫) [Kindle]

  • 河出書房新社 (1999年9月3日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 初の長野まゆみ作品。

    すごい描写力だ!!
    夏の暑さと腐敗していくものたちのベタベタするような気持ち悪さ。
    このベタベタ感は登場人物たちが終始ベタベタくっついているからかな。。。

    そこまで直接的に描かれてはいないけれど官能的ですね。
    この雰囲気好きだな。ちょっと『時の尾」を思い出す。

    ラスト衝撃だった。
    この不透明なもやもやするのも雰囲気に合ってるね。
    暴力的な(しかも性暴力)のは良くないんですが、
    沙丁魚(サンマ)を食べさせるところとか、
    同じく碧夏が韻の前で鈷藍の腕を切りつけるところとか
    セクシーで良いですね。

    「「人の話を聞いたりしゃべったりすることなんて、
    きみさえその気になればいつでもやめられるのに。」
    「どうやって、」
    「必要ぢゃないってことを、素直に認めるんだよ。きみはまだ迷ってる。」」


  • 町の雰囲気や人間関係など、どこを取っても腐っている。
    ベタベタと湿っぽくて粘着質な描写がずっと続くので、人によっては物凄く拒絶反応がでる作品だなと思う。
    最後のシーンで2人のどちらがより腐敗していたのだろうかと思った。

    どちらかと言えば「行ってみたいな童話の国」の方が好きかもしれない。カーチィベイはみんな行動に確信がなくて気持ち悪かったり、不安感に襲われる気がする。

  • みんなのトラウマかーちべぃ

  • 作者が一つの世界を物語の中で作り上げることの難しさが、この作品でとてもよく分かった。

    湿気が全てを腐らせていく蒸すような世界。東南アジアか、そのあたりを思わせるようなそんな設定の中に放り込まれたまるで人形のような少年たち。
    この作品は本当に賛否両論らしいけど、とってもよく分かる。はまれる人ははまれるかもしれないけれど、それ以外の人をドン引きさせること間違いなし。おそらくはまれなかった人のほとんどの感想は「気持ち悪い」だと思う。
    「テレヴィジョンシティ」を書いたのと同じ作者が書いたとは全く思えない。そういう作品の幅を作れるのは、作家としてすごい。
    でもどうしても、読み終わった後吐き気がした。それはやっぱり、こういう世界を拒否する人としての正直な気持ちなんだろうと。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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