NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2015年 5月号 [雑誌]

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 4910068470553

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  • デトロイト。
    かつては自動車産業の拠点として繁栄を誇った街である。
    この地が傾いてきたのはいつからか。巨大なアメ車が日本車に押されて衰退したイメージがあるが、実は都市としての斜陽が始まったのはそれよりずっと以前、1950年に高速道路が整備され始めた頃だという。交通網の整備とともに、郊外へ流出する住民が続出、そして1967年のデトロイト暴動を機に、白人層が一気にデトロイト中心部に見切りをつける。
    1970年代からは日本車の台頭でその没落には歯止めがきかず、ついには2013年、財政破綻に陥る。負債総額は180億ドルといわれ、財政破綻した自治体の負債総額としては全米一の規模となった。

    個人的な話になるが、かれこれ20年ほど前、デトロイト近郊に数年住んでいた。
    普段はデトロイトには縁がないのだが、大都市であるし、日本領事館もあるし、観光に、事務処理に、何度か訪れる機会があった。
    ルネサンス・センター、タイガー・スタジアム、グリーク・タウン、少し離れてフォード・ミュージアム。そう、空港も使うのはデトロイト空港だった。
    そうしたスポットは、それなりに都市の賑わいもあり、楽しい場所だったのだけれど、ひとたびそこを外れると、広がるのはスラムであり、廃墟だった。
    ガソリンスタンド併設の売店に入っても、レジは防弾ガラスで囲まれ、お金の出し入れはカウンターとガラスの間、数センチの隙間から。ATMも人通りの少ないところは危ないから近づいてはいけない。
    一度、TOEFLの試験を受けに行ったのだったか、1人で車を運転してデトロイトに行ったときのこと。帰りに道に迷った。閑散とした街。軒並み割れている家々の窓ガラス。色あせた"For Sale"の看板。人影が見えると逆に怖いと思うよな荒れようだった。

    その街が今、再び立ち上がろうとしているのだという。
    今号、最後の記事「デトロイトを取り戻せ!」。
    ナショジオならではの説得力ある写真には、胸を張る何人もの人々。
    生まれ故郷だった地に戻ってきた人。別の都市にない刺激を感じて外国からやってきた人。ずっと住み続けている人。そしてこの地に根ざし、裁判官になって市民生活に貢献したいと考える若い人。
    皮肉と言えなくもないが、この街では、衰退そのものが1つの原動力である。少ない資金で家や土地を手に入れることができ、大きなことができる「可能性」を秘めているのだ。
    失うものがないことはある意味、強さなのか。
    中の1人が言う。「デトロイトを救うんじゃない。自分がデトロイトになるんだ」。
    気概を持って立ち上がる人々。数年後、数十年後のデトロイトを見てみたい。
    不思議な感動を呼ぶ記事である。


    *雑誌のレビューは日経サイエンスだけにしておこうと思っていたのですが、あまりの懐かしさに(^^;)。

    *「希望のミツバチ」、「ダム建設に揺れるメコン川」も、続報が知りたいと思わせるよい記事でした。表紙のイルカもかわいい(^^)

  • 表紙拝借

    フロリダで座礁した小型鯨の群れ
    ソナーとシャチ
    トンガのクジラ観光

    48. 救え!クジラの危機
    発売日:2007年7月25日 / DVD収録時間:全プログラム53分
    クジラは大量捕獲が禁止されてもなお絶滅の危険にさらされ続けています。クジラの群れが突然、海岸に打ち上げられる現象の謎はまだ明らかにされていません。また漁網や軍事用の水中音波探知機がクジラに与える影響も指摘されています。クジラたちに安全な海を確保するための保護活動に熱心に取り組む人々の姿を北極、ワシントン州ピュージェット湾、フロリダキーズ諸島、南太平洋のトンガから伝えます。[制作]2004年

  • いるかと話がしたい。
    いるかさん、助けて。。

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