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感想・レビュー・書評
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ヴァリス三部作の二作目。
フラナリー・オコナーを読んで、キリスト教についてあれこれとあぶない人たちが語る小説がディックに似ていると感じて、読んだ。
あとがきによると随分中二病的解釈で、確かにセカイ系に通じるところもある。それともディックに影響を受けたひとたちがセカイ系の作品を作ったと考えるのが正解なのか。 -
ヴァリス三部作の第二弾。
前作「ヴァリス」の主人公であるホースラヴァー・ファットが書いた作品、ということになっている。
物語としては、エマニュエル少年とジーナという少女が世界を救うために悪魔ベリアルと戦う、というもの。
ディックの小説として読んでいると、ややチープな感じで、晩年のディックは腕が落ちたのだろうか、とも思ったが、ホースラヴァー・ファットが書いたということになっている、と聞くと、たしかに彼が書きそうな小説だ、と感じる。
さまざまな神が入り乱れる独自の神学が展開されるし、前作「ヴァリス」に登場した人物や起こった出来事を想起させる要素がいろいろとある。ファットが自分の経験をもとに書いているとすれば、こういう小説にもなるだろう、という感じだ。そういう意味ではとても巧いと思う。
「ヴァリス」三部作の二部を読み終えたので、次は最終作の「ティモシー・アーチャーの転生」に取り掛かっている。こうなってくると、「高い城の男」「流れよわが涙、と警官は言った」あたりも再読しておきたいところだ。
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